昭和の面影を残す重伝建 塩山下小田原上条集落でやすらぎの時間を
山梨県甲州市上条集落は、重伝建に指定されている山村集落。
昭和時代盛んにおこなわれた養蚕の歴史をいまに伝える、貴重な建造物が多くのこっています。
茅葺き屋根の甲州民家で、ゆっくりとした時の流れを感じでみませんか。
この記事の目次
昭和の面影をのこす山村集落 甲州民家のむら「上条集落」をあるこう
中央線塩山駅から車で約10分ほど山をのぼり、上条集落をおとずれました。
茅葺き屋根切妻造り(かやぶきやねきりつまづくり)の甲州民家がならぶ姿は、圧巻。
平地を田んぼ、斜面を畑にし、石垣を活かした村のつくりは、村が養蚕で栄えた昭和のころの面影を残します。
村の中心に位置するのが、村の寄り合い所として使われ、村民に愛される観音堂です。
18世紀ごろの建築と伝えられています。
観音堂の屋根は、伝統的な茅葺き屋根です。
観音堂のすぐそばには、宿泊事業を行う甲州民家情報館があります。
歴史ある甲州民家に滞在して、田舎暮らしを体験してみてはいかがですか。
少し山をくだると見えてくるのが、金井加里神社(かねいかりじんじゃ)です。
村が位置する金剛山には、先ほどの観音堂をはじめとした多くの宗教施設があり、金井加里神社もその一つ。
金剛山への信仰がうかがえます。
集落にもどり散策していると、どれも歴史を感じる建物ばかり。
村の民家の半分以上が、茅葺き屋根の甲州民家ですが、現在では、写真のようにトタンで屋根を覆っているお家が多いそうです。
重要伝統建造物を守りながら暮らしているなんて、すごく素敵ですね。
自然あふれる甲州民家の村で、くつろぎの時間を過ごしませんか。
ぜひ、上条集落を訪れてみてください。
上条集落 所在地 : 山梨県甲州市塩山上於曽1085番地1
参考 上条集落パンフレット
養蚕から果樹栽培へ 産業のうつりかわりで探る甲州市上条集落の歴史
上条集落散策のあとは、集落の成立と発展の歴史に触れましょう。
上条集落の成立については定かではありませんが、16世紀に近くの黒川金山で金の採掘をしていた中村弾左衛門が居を構えていたことに始まると言われています。
現在でも、村民のかたの多くは「中村さん」だそうですよ。
意外にも、上条集落は金山衆がつくった村だったのですね。
その後たばこ産業などを経て、村が大きく発展するのは昭和、養蚕業の時代です。
甲州民家の特徴である大きな突き上げ屋根屋根は、養蚕をするうえで編み出されました。
よりよい換気・採光のため、屋根部分を突き上げて二階を作ったのです。
先人たちの知恵によってできた、産業に合わせた暮らしのかたちなのですね。
現在では、村の産業の主は果樹栽培になっています。
かつて養蚕のために育てていた桑畑に、そのままぶどう、もも、すももなどの木が植えられています。
集落の歴史を知ると、まるでふるさとのように思えてきますね。
心温まる旅になりました。
上条集落の歴史に触れる旅へ、ぜひ出かけてみてください。
上条集落 所在地 : 山梨県甲州市塩山上於曽1085番地1
参考 上条集落パンフレット
暮らすように滞在できる! 甲州民家情報館で伝統建築に泊まろう
歴史的建造物で、まるで暮らすように滞在できたら、素敵だと思いませんか?
そんな体験が、こちらの上条集落でできるのです。
上条集落の甲州民家情報館は、茅葺き屋根の伝統的な甲州民家。
村では、ここを宿泊施設として開放しています。
こちらは縁側です。座ってゆったりとした時間が過ごせそうですね。
中に入ると、歴史を感じさせながらも綺麗にリノベーションされた空間が広がっています。
木と畳の匂いにつつまれて、心が安らぎます。
2階に上がると、そこは突き上げ屋根の中。
屋根裏部屋のような様相の二階は、茅葺き屋根と木造の梁がシックで素敵です。
まるで村の人々が暮らしているようなお宿で、最高の田舎暮らしを体験してみませんか。
上条集落 所在地 : 山梨県甲州市塩山上於曽1085番地1
参考 甲州民家情報館パンフレット
重伝建地区、甲州市塩山下小田原上条集落をめぐる旅はいかがでしたか。
長い歴史の中で自らの歴史と文化を守ってきた上条集落で、心温まる時間が過ごせたのではないでしょうか。
ぜひ、くつろぎにおとずれてみてくださいね。