知る人ぞ知る 有名観光地鞍馬に隠された唯一無二の濃厚な京料理
現在日本中で堪能することができる京料理。
だしを基本とする伝統技術に裏付けられた調理法により創作される料理の総称です。
では、京都では本当にそのような料理ばかりなのでしょうか。この記事では他ではあまり知られていない京都の特に、鞍馬・貴船の特産品をあげていきます。
この記事の目次
牛若丸も食べた!? 1200年受け継がれてきた鞍馬の伝統木の芽煮
叡山電鉄鞍馬(くらま)駅を降りてから、鞍馬寺の前を通り昔懐かしい趣が残る鞍馬街道を周囲の山里を愉しみながら進むこと約10分。
切り妻づくりの建物に””くらま辻井””の看板が掲げられているのが見えてきます。
中に入ると名物の木の芽煮のほかにも山椒と昆布を用いた商品がズラリと並んでいます。
平安末期から1200年以上この地で親しまれ続けている木の芽煮ですが、義経(よしつね)の頃は醤油は入っておらず山椒と木の実とあけびのつるだけだったといいます。
昆布が入り、しょうゆ味になったのは江戸時代。民衆の生活の質が向上したことに起因するそうです。
現在では、昆布、山椒の葉・実を炊きこんだものが、鞍馬の銘産「木の芽煮(きのめだき)」となっています。
もともとは鞍馬寺に来る人の門前町として勃興しておりましたが、さば街道伝いに若狭から海産物がたくさん届くようになり、門前町としてさらに繁栄し、それに伴い木の芽煮も特産品となっていきました。
くらま辻井の周囲には鞍馬の特産品である赤石があったり、
店内には天狗の面が飾ってあったりもします。
また店員さんも鞍馬の歴史を先祖代々受け継いできている見事な語り部ですので、
訪れるだけで鞍馬のらしさを一気に知ることができます。鞍馬の個性に近づいてみてはいかがでしょうか。
途絶えさせてはならない紡ぎ 鞍馬の日本の伝統の味に訪れる「虎口」
そんな木の芽煮ですが、現在二つの問題を抱えているそうです。
一つに原材料地の北上。地球温暖化や人口問題から原材料をとれる地が移ろっているみたいです。
このまま温暖化が続きついに原材料が取れなくなってしまえば
いつまで受け継いできた味を出し続けられるか分からないそうです。
さらに、もう一つは食の欧米化です。日本食の若者離れに加えて、海外の方の口にも醤油製品の強い味は合わないそうです。
この二つの出口の見えない問題についてお店の方に意見を尋ねてきました。
「西洋化によって日本人の食から離れていっても、ずっと醤油を食べてきた日本人の口に醤油は合うんです。
食の欧米化などの影響もあり、きっとこの先この店の展望は細くなることでしょう。
ですが、たった一人にでもこの味が望まれ、この味を絶やさないでいられるならば、どうか長く味わっていただけるよう紡いでいきたい。
1200年以上受け継がれてきたこの味が、1人でも多くの方に愉しんでもらえるよう死力を尽くしたい。」
と思いを語っていらっしゃいました。
1200年続く伝統の味。その味は現代日本人が忘れかけている大切な味かもしれません。ぜひ一度立ち寄って、感じてみてはいかがでしょうか。
写真は山椒のとげを一本ずつ取り除く最も重要かつ大変な過程です。機械に頼らず昔からの技法で一つ一つ丹念に手作業で行っております。
ぜひ鞍馬で伝統の味をお楽しみください。
所在地:くらま辻井 〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町447
http://www.kuramatsujii.jp/
鞍馬温泉に隠された寛永三年創業の老舗が織りなす超濃厚抹茶アイス
叡山電鉄鞍馬駅に降り立つと、天狗像の前あたりに一台のバスが停まっています。ちょうどこの天狗の鼻の先です。
くらま温泉への無料送迎シャトルバスです。くらま温泉に用がなくともご自由に乗ることができます。
バスに乗り約10分、
天然硫黄温泉くらま温泉が見えてきます。
この鞍馬温泉、湧出時の泉温は約15℃と低く、そしてなおかつ硫黄を含んだ冷泉であったため、
当初は温泉と気づかれずに湧き水として利用されていたとのこと。その名残もあってか現在でも一度沸かしてから利用しているそうです。すこし白みがかったお湯はミネラルをたくさん含んでおり、まるで絹に触れているかのような柔らかな質感を特徴としています。
見どころは春夏秋冬の山々の景色が楽しめる露天風呂。
春の桜から冬の雪景色まで愉しみながら疲れをいやし至福のひと時を過ごすことができます。
そしてお風呂上りにはこちらの
お茶の老舗””京都 利休園の極み””アイスをいただくことができます。京都でいただくことができるのはここだけです。(訪れた当時)
こちら通常の4倍量の茶葉を使用しています。なので、ただただ濃く、まるで抹茶を飲んでいるかのような錯覚に陥ります。
京都利休園は寛永三年に麻宮茶生産農家として従事しており、昭和三十二年には関西製茶品評価いにて農林大臣賞を受賞しております。
老舗中の老舗、京都利休園が織りなす繊細な味わいをぜひご賞味ください。
所在地:くらま温泉 〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町520 http://www.kurama-onsen.co.jp/
京都利休園http://www.rikyu-en.co.jp/
抹茶や山菜など、古くから食べ続けられてきたものはやはり日本人の風土歴史が染み付いており、切っても切り離せない大切な食文化であり、至宝であります。
日本人が古来から慣れ親しんできたその味を、その紡いできた時間とともに堪能してみてはいかがでしょうか。