HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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重要伝統的建造物群保存地区 五個荘金堂町の歴史と発展を紐解く

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    重要伝統的建造物建造物群保存地区に選ばれた滋賀県・東近江市の五個荘金堂町。なぜこのまちは発展したのでしょうか。歩けばその謎が解けてきます。今もなお残る古き良き街並みや、邸宅を体感してください。きっと昔の人の考え方がわかってくるでしょう。

     

     

     

    近江商人博物館から学ぶ 東近江市五個荘金堂町の成り立ちと近江商人の関係

     

     

     

    近江鉄道五箇荘駅から徒歩約20分ほど歩くと五個荘金堂町につきます。

     

     

     


    〈01_higashiomi:五個荘金堂町のまちなみ〉

     

     

     


    五個荘金堂地区といえば、歴史あるまちなみや近江商人の屋敷があるのですが、それらの近江商人屋敷や街を歩く前に訪れていただきたいところがあります。

     

     

     


    〈02_higashiomi:近江商人博物館の外観〉

     

     

     


    そこは近江商人博物館・中路融人記念館です。ここでは五個荘金堂地区の歴史や、まちの模型、近江商人について学ぶことができます。

     

     

     


    〈03_higashiomi:近江商人人形〉

     

     

     


    また近江商人の恰好をして写真を撮ることもでき、外国の方で訪れる方も多いようです。
    そもそも五個荘金堂地区は聖徳太子が金堂を建てたことから名前が来ているそうです。

     

     

     

    〈04_higashiomi五個荘金堂地区模型〉

     

     

     

     


    五個荘金堂地区は江戸時代までは豊富な水源と豊かな土地を持った農村集落でした。
    現在にもその面影は残っており、町の周りには田んぼが多く広がっています。

     

     

     

    〈05_higashiomi:田んぼ〉

     


    では五個荘金堂地区は、江戸時代以降どのように発展していったのでしょうか。

     

     

     

    街の発展から見えてきた近江商人の存在 なぜ東近江市五個荘金堂町が発展したのか

     

     

     

    実際にまちを歩いていくと屋敷がいくつか見受けられます。

     

     

     


    〈06_higashiomi:近江商人〉

     

     

     


    これらは近代日本を作り上げた近江商人たちの屋敷です。
    実は農村集落では長男しか土地をもらえないため、その下の兄弟たちは自ら商売するしかありませんでした。

     

     

     

    〈07_higashiomi:そろばん〉

     

     


    そこで彼らは寺子屋で当時では珍しかった算術を学び商売に強い人間を近江商人自身の手で育てていきました。
    そのためこの地区では寺子屋が多くあったそうです。

     

     

     


    〈08_higashiomi:寺子屋の書物〉

     

     

     


    また算術を身に着けた近江商人たちはお米を育てるよりも、麻布を商売するほうが豊かになると気づきます。

     

     

     


    〈09_higashiomi:布〉

     

     

     


    彼らはそれらを薄利多売で売ることによって財を成していきました。そして、そのお金で贅沢するのではなく「地域社会を豊かに」という考えのもと郷里に使いました。
    それは食べ物にも表れており、贅沢をするのではなく四季を楽しんだ食事であることがわかります。

     

     

     


    〈10_higashiomi:食事〉

     

     

     


    これは正月の時に食べられていたとされる食事です。
    近江商人博物館・中路侑融人記念館には多くの貴重な展示物があり、五個荘金堂町だけでなく近江商人についても理解を深めることができます。

     

     

     

    所在地 :滋賀県東近江市五箇荘竜田町583

    公式URL :近江商人博物館・中路融人記念館

     

     

     

    近江商人の生き方が現れる東近江市五個荘金堂町 彼らの考えのもとに作りだされた

     

     

     

    近江商人が故郷に使ったというお金は町と歴史を見ればよくわかります。

     

     

     


    〈11_higashiomi:水路〉

     

     

     


    まちを歩いていくと水路が確保されていることがわかります。

     

     

     


    〈12_higashiomi:お金〉

     

     

     


    また彼らは次なる近江商人を生むために教育にも力を入れていたそうです。
    そすることにより近江商人は日本を代表する商人になっていきました。

     

     

     


    〈13_higashiomi:〉

     

     

     


    これは現代でも活躍する近江商人が関係する企業です。
    この町がいかにすごいかは明治時代の内務省で「日本の理想郷」と記されたことで理解していただけるでしょう。
    彼らの考えには将来地域を豊かにするのは、この地域であるという考えがあったのでしょう。

     

     

     


    〈14_higashiomi:〉

     

     

     


    街をよく観察する塀が並んでおり、どこの屋敷も敷地が広いことがわかります。
    しかしよく見ると派手で贅沢な建物ではなく、面積は広けれどどこか質素な気もします。

     

     

     

    〈15_higashiomi:〉

     

     


    自分たちの住まいに無駄遣いしないところも近江商人の町であると感じることができるのではないでしょうか。

     

     

     

    滋賀県東近江市五個荘金堂町は本当の歴史好きが集まる?? 歩いて感じる街の魅力

     

     

     

    五個荘金堂地区を歩いていると街でほとんど見かけない物品などを売っているところがあります。

     

     

     


    〈16_higashiomi:まちなみ保存交流館外観〉

     

     

     


    それが金堂まちなみ保存交流館です。近江鉄道五箇荘駅から徒歩約20分ほどのところにあります。
    中にはちょっとしたお土産や、パンフレットが置いているので、五個荘金堂地区散策にお勧めです。

     

     

     

    〈17_higashiomi:着物〉

     

     


    〈18_higashiomi:まちなみ保存交流館中身〉

     

     

     


    また歴史を感じる展示物が多数あり、休憩に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
    五個荘金堂町は国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
    保存地区となることで以前よりも、素晴らしい環境となっています。

     

     

     


    〈19_higashiomi:まちなみと水路〉

     

     

     


    訪れた日は雨により見れなかったのですが、水路に鯉が泳いでいるのも汚れを出さないためだそうです。
    この保存地区では残っている物を保存しているだけでいいっとおっしゃる方が多数いらっしゃいました。
    つまりは新しく観光になるものを作り人を呼ぶのではなく、もともとあるものを保存するだけで本当の歴史好きの方々に町を訪れてほしいと考えているそうです。

     

     

     


    〈20_higashiomi:五個荘まちなみ〉

     

     

     


    本当の歴史を感じられる場所に来てはいかがでしょうか。

     

     

     

     

    所在地: 滋賀県東近江市五箇荘金堂町904
    公式URL: 金堂まちなみ保存交流館

     


    所在地: 滋賀県東近江市五箇荘金堂町
    公式URL:五箇荘金堂地区

     

     

     

    日本の近代化を作った近江商人。その彼らが愛して残した町は今もなお多くの人の手によって大切に残されており、当時の暮らしや考え方を感じることができます。
    魅せられるために作られたまちではなく、ありのままの町を実際に感じてみてください。