名水百選 天川村に古来より沸き続ける洞川湧水群とみたらい渓谷
清らかな水が町の随所で感じられる水のくに、奈良県吉野郡天川村。
今回は環境省より名水百選に認定された「天川村洞川湧水群」とハイキングコースも充実、雄大な渓谷美が楽しめる「みたらい渓谷」を紹介します。
この記事の目次
環境省が認定!名水百選 1つ目の天川村洞川湧水群 「泉の森」
大阪市方面から車で約2時間から2時間30分、天川村総合案内所に到着しました。
天川村総合案内所では村の行事についてやバスの時刻などのパンフレットが手に入ります。
さらに天川村総合案内所から車で約15分、泉の森にたどり着きました。
「泉の森」とは森林の名前ではなく、湧き水のことを指します。
天川村には地下から自然に湧き出た湧水(ゆうすい)が各所に存在します。
そのうちの3つ、「神泉洞」「泉の森」「ごろごろ水」が環境省から洞川湧水群として日本の名水百選に認定されています。
到着するとこのように小さな赤い橋がかかっています。
橋を渡り終えると、樹齢300年を超えるという御神木に囲まれた大聖権現を祀る社があります。
周りを大きい木に囲まれ、マイナスイオンを感じることができました。
少し奥には源泉があり、地下で水成岩をくぐり出た水は触れてみると驚くほど冷たいです。
よく見ると天川村の重要人物、役行者(えんのぎょうじゃ)の像も鎮座しています。
採水はここから無料ですることができるので入れ物を持っていくといいかもしれませんね。
この湧水が天の川、十津川そして太平洋へと繋がる源流の1つになっています。
泉の森は洞川の入口に当たる鬼門に位置し、不動明王を祀ることから村の守り神、「神の水」としての信仰もあるそうです。
観光地化されすぎていない、秘境のような雰囲気を持つ泉の森で名水を味わってみてはいかがですか。
所在地 : 〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川
名水百選 2つ目の天川村洞川湧水群 「ごろごろ水」とその名の由来
泉の森から車で約10分、ごろごろ水の採水場に到着しました。
先ほどの泉の森とは異なり、源流は雨水や鉱山の水と混ざってしまっているので源泉からの採水は禁止されています。
その変わりに駐車代と採水料を兼ねた500円を支払えば、きちんと飲める名水百選のごろごろ水が汲み放題になっています。
割り当てられた駐車位置につき1つ水汲みパイプがあり、多くの方が5,6つのタンクにごろごろ水をなみなみと注がれていました。
駐車場内の「ごろごろ茶屋」では名物「名水コーヒー」を頂けます。
ごろごろ茶屋のバルコニーからの景色で天川村の豊かな自然を堪能。
ごろごろ水の名前の由来は約1300年前、修行僧である役行者がこの地で洞窟を水が流れる音が、ごろごろと聞こえたことから「ごろごろ水」と名付けられました。
昔は「仏水秘水」と呼ばれ、大峯山への行者達がごろごろ水で喉を潤したそうです。
この地一帯は石灰岩を多く含むカルスト地形といい、そういった特異な地層からミネラル分を含むおいしい水が湧き出るのです。
大峯山への入り口にあるごろごろ水で喉の渇きを潤しましょう。
所在地 : 〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川686-139
エメラルドグリーンに輝く渓谷美 護吉天皇ゆかりの「みたらい渓谷」
ごろごろ茶屋から車で約10分、みたらい遊歩道入口に到着です。
観音峯ハイキングコースとみたらい遊歩道の2種類の歴史街道が用意されており、南北朝時代の史跡や解説、また大自然を楽しめます。
あまり整備はされすぎておらず修行道といった雰囲気でした。
そしてこちらから車で約10分ほど細い道を通ったところに「みたらい」というレストランにて車を駐車します。
左に先ほどの遊歩道への階段がある、前方の橋を渡るといよいよ「みたらい渓谷」です。
遊歩道が渓谷を一望できる位置にかかっており、ハイキングでの疲労を美しい景観とわずかな涼しさで癒してくれることでしょう。
そもそも「みたらい」というのは漢字に直すと御手洗であって、南北朝時代に吉野にて南朝をおいていた後醍醐天皇の息子、護良天皇が北条家との戦いへの勝利祈願としてこの川で手を洗ったことに由来しています。
川底まで透き通る美しさと輝くエメラルドグリーンの清流に勝利を祈願したのも納得できます。
歴史旅やハイキング、美しい景観が楽しめるみたらい渓谷にぜひ足を運んでください。
所在地 : 〒638-0303 奈良県吉野郡天川村北角
いかがでしたか。
飲料として私たちにとって日常的な水でも、天川村では信仰や修行などの普段の生活では感じることのないような水の価値があります。
飲料や行楽の場としても格別な「水」を体感しに天川村を訪れてみてください。