二葉の里歴史の散歩道で、広島城の鬼門に建てられた神社仏閣をめぐる
広島城の築城とともに、城下町として発展した広島。広島城の鬼門にあたる北東に位置する、広島県広島市東区二葉山の山麓には、城下町広島を守る神社仏閣が多数位置しています。
「二葉の里歴史の散歩道」と呼ばれるこの地の神社仏閣を、厳選して3つご紹介します。
この記事の目次
広島駅徒歩ですぐ 徳川家康を祀る赤色の美麗な観望「広島東照宮」
JR広島駅の北口を出るとすぐ「二葉の里歴史の文化道」の表示が見えてきます。
広島駅から徒歩5分で到着する、広島東照宮を訪れました。
鳥居をくぐり、階段を上り、唐門を抜けると、そこには鮮やかな赤を基調とした物静かで美しい世界が広がります。
晴れ模様の空に映え、気分を明るくさせてくれます。
広島東照宮は、徳川家康公のご遺徳を敬慕し城下町の平和を願うため1648年広島藩主浅野光晟公により造営されました。
50年ごとに盛大な祭典が行われ、広島周辺の住民の崇敬を集めました。
さらに奥に進むと、朱塗りの鳥居が立ち並んでいます。
そこには、金剛稲荷明神という、諸願成就商売繁盛の神様を祀る神社があります。
また爆心地から2300メートルの距離に位置しており、原爆で広島東照宮は半壊しました。
以前より残る建物と再建された建物を比較しながら、原爆の歴史をかみしめて参拝してほしいと、神社の方が仰っていました。
美麗な観望を楽しみながら、江戸時代や原爆の歴史をかみしめることのできる広島東照宮を、ぜひ訪れてみませんか。
所在地 :広島県広島市東区二葉の里2-1-18
公式HP :広島東照宮
平清盛ゆかりの広島の地 学業成就の神菅原道真を祀る「尾長天満宮」
次に、広島東照宮から徒歩5分の場所にある、尾長天満宮(おながてんまんぐう)を訪れました。
随神門の前では、広島市内で二番目に古い狛犬が鎮座しています。
階段を上ると先ほどとはうってかわり木の色を基調とした拝殿が見えてきます。
境内の風景は、背後の二葉山の木々と相まって純朴な景色となっています。
高台にあるため非常に見晴らしがよいです。
尾長天満宮のはじまりは、901年菅原道真が大宰府に左遷された際にこの地にて休憩をとったところで、地元住民が祠を立て菅原道真公を祀ったこととされています。1146年平清盛がこの地で暴風雨に見舞われ身体絶命を感じたが、菅原道真公に祈っているうちに九死に一生を得た逸話があります。
のちに、道真公の御神徳に深く感銘した清盛が、一帯を「菅大臣の峰」と名付け社殿を創建し、現在の形がつくられました。
なので、尾長天満宮には菅原道真や平清盛ゆかりのものが多く残っています。
これは、菅原道真の撫で牛です。
ほかにも、菅原道真が腰かけた椅子などが存在します。
素朴な風景の中に、歴史上の偉人にゆかりのあるものを探す楽しさを感じることができました。歴史上の偉人と深いゆかりのある尾長天満宮を、ぜひ訪れてみませんか。
所在地 :広島県広島市東区山根町33番16号
公式HP :尾長天満宮
数多く文化財や国宝が残る 南北朝戦乱慰霊の広島安国寺「不動院」
最後にアストラムライン不動院前駅で下車し、不動院を訪れました。
駅から徒歩ですぐという好立地です。
参道を進むと、重層門が見えてきます。
門をくぐると不動院の境内に入ります。
お墓の掃除に来ている地域の方が多く、地域に密着していることがうかがえます。
墓地の中には、豊臣秀吉公のお墓などもあります。
もともとは足利尊氏が南北朝戦乱の死没兵を慰霊するための安国寺とされ、のちに荒廃したものを恵瓊が復興させたといわれています。
また不動院には金堂、鐘楼など数多くの文化財が存在します。
それぞれ異なる色使いで、境内は色彩豊かな風景となっています。
これは鐘楼です。
和様と禅宗様を組み合わせる珍しい意匠が見られ、鮮やかな朱色が目立ちます。
これは金堂です。
不動院金堂は広島市内唯一の国宝です。
禅宗様建築で荘厳さを感じさせます。
また、金堂の屋根の反り具合は歴史上あまりみられない非常に貴重な仕様であると、現地の建築会社の方にお聞きしました。
文化財の迫力と、圧倒的なスケールを感じることができました。
様々な特徴を持つ文化財を味わうことのできる、不動院をぜひ訪れてみませんか。
所在地 :広島県広島市東区牛田新町3丁目4-9
公式HP :真言宗 別格本山 不動院
今回は二葉の里歴史の散歩道の三つの神社仏閣を紹介いたしました。
それぞれに個性や歴史がありますが、中でも広島の人々との歴史の中でつくられたそれぞれの雰囲気は訪れた際に必ず実感できます。
今回紹介できなかった神社仏閣も含めてぜひ実際に訪れて、その雰囲気を味わってみてください。