嵯峨鳥居本 一の鳥居の畔で旅人に愛される志んこ団子でひと休み
京都・嵯峨鳥居本(さがとりいもと)の地名の由来となるシンボルマーク、一の鳥居。
その畔で400年続く茶屋を営む、平野屋が静かに旅人を出迎えます。
重要伝統的建造物群保存地区を散策したら、平野屋で愛宕山名物の志んこ団子でひと休みしませんか。
この記事の目次
奥嵯峨の愛宕山名物 志んこ団子ってどんなもの?女将のこだわりとは
JR嵯峨嵐山駅から歩いて35分。
嵯峨鳥居本の重要伝統的建造物群保存地区を進むと、愛宕神社の一の鳥居が見えてきます。
そのすぐ隣にあるのが、400年続く茶屋平野屋です。
ここ平野屋の名物が、志んこ団子です。
現在14代目の女将の朝一番の仕事は、この志んこ団子を蒸すためのおくどさんに火を入れ、仏さんにお湯を出すことだそうです。
志んこ団子は、ニッキ、茶、白色で愛宕神社までの、愛宕山の九十九折の坂道を表したもので、古くから愛宕神社へ参拝する旅人の休憩どころとして栄えてきました。
これは千社札といい、ここに来た印として芸者さんなどが貼っていくものだそうですが、平野屋の建物にはびっしりとこの千社札が貼られています。
古くから数多くの方々がここで腰を下ろし、心を休めてきたことがうかがえます。
家族で同じ方向を見続け文化を守る 嵯峨鳥居本に根付く強い想い
一の鳥居の畔で、嵯峨鳥居本の地とともに歩んだ400年という歴史。
ここまで続けてこれたのは、家族でずっと同じことをし続け、同じ方向を見て進み、文化を守ろうという思いがあったからだといいます。
同じことをし続けることは決して簡単なことではありませんが、家族だからこその絆によって成り立っているのだ。ということを、
現在お店を守り続けている14代目の女将の背中を見続けてきた息子さんが教えてくださいました。
また、これからについて、昔と同じことを続けつつ、新しいことも加えていき自分たちらしさ、自分たちの色を出していきたいと、熱く語ってくださいました。
嵯峨鳥居本の地で、旅人を優しく出迎える平野屋は強い家族の絆がしっかり守ってきたものでした。
平野屋から眺める嵯峨鳥居本の地に思い馳せ 志んこ団子に舌鼓
さて、志んこ団子のこだわりについて、平野屋の思いについて知った後は、思いの詰まった志んこ団子をいただきます。
柳の木の葉をつまようじ代わりに、椿の葉をスプーン代わりにして食べます。
これらは、平野屋で働く家族のアイデアなんだそうです。
自然豊かな嵯峨鳥居本ならではの発想に、ついつい写真を撮りたくなってしまいます。
志んこ団子を一口食べると、お団子のほのかな甘みが口に広がります。
そして、抹茶と桜湯の深い味わいと重なり、さらに風味豊かな和の味を楽しむことができます。
平野屋 所在地 :京都府京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町16
嵯峨鳥居本の地を訪れるなら、平野屋での休憩は欠かせません。
伝統的な町並みを見下ろしながらいただく名物の志んこ団子はまた格別です。
遠い昔に生きた人々が慣れ親しんだ味を、あなたも一度味わってみませんか。