岡山県高梁市の山城 重要文化財 備中松山城への道を歩く歴史旅
岡山県高梁市に位置する備中松山城。
国指定の重要文化財にもなっているこの城までの道には、当時の様子を語るたくさんの史跡が今も残っています。
そんな歴史を感じる道を歩いて、鎌倉時代の高梁市を覗いてみませんか。
この記事の目次
登山道を歩き高梁市 備中松山城防御の要衝を訪ねる~中太鼓の丸跡~
備中高梁駅から車で10分ほどでふいご峠に到着。
備中松山城への登山はここからスタートです。
山道は苔などで滑りやすくなっているところもあるので、杖をもって行きましょう。
急な坂道が続くので、休憩もしながら進みましょう。
降りてくる人と挨拶を交わすのも登山の醍醐味です。
10分ほど歩くと、目の前に中太鼓の丸跡が。
ここは、「曲輪(くるわ)」と呼ばれる2段の平坦面からなり、その側面に強固な石積みが築かれています。
城主の登場の際や有事の際に山麓の御根小屋と天守とを太鼓の音などで連絡する中継所の1つで、防御上の拠点であるとともに通信網の要衝でもありました。
登山の際には標高の高い山城ならではの拠点にぜひ立ち寄ってみてください。
天守を取り囲む史跡を巡り高梁市 備中松山城築城の歴史を辿る散策旅
中太鼓の丸跡を過ぎ、さらに10分ほど山道を登っていくと大手門跡に到着。
城主からの言葉に登山の疲れも癒されます。
大手門は攻撃あるいは防御にあたっての重要な軍事施設であるとともに、城下に威を奮う統治上の象徴でもあります。
長い石段と高い石壁は敵の軍勢の勢いをそぐための工夫だそうです。
続いて三の平櫓東土塀(さんのひらやぐらひがしどべい)が本丸へと導いてくれます。
この土塀は四角い矢狭間(やざま)と丸い筒狭間を備えた土塀で、国の重要文化財にも指定されています。
そして本丸に到着!
振り返ると、いかに備中松山城が標高高くに位置しているかが分かります。
大手門跡ではその壮大さに圧倒されました。また、実際に歩いて、目で見て、この造りによって城が守られていたことにも納得しました。
天空の城塞とも呼ばれる備中松山城に今も残る史跡を巡る旅はいかがでしょうか。
美しい天守を堪能する~高梁市 備中松山城の建築の特徴に迫る~
入城料300円で本丸の中へ。
20分の登山の後、着いた天守は、一層美しく見えます。
備中松山城は天守の現存する山城としては随一の高さを誇ります。
天守は、一階には囲炉裏と装束の間、二階には城の守護神を祀った御社壇(ごしゃだん)があります。
この囲炉裏は籠城時の城主の食事、暖房用に用いられていました。
天守閣の中に切り込みの囲炉裏があるのは全国的にも珍しいのですが、これは戦国時代にこの城が備中の首都として激しい争奪戦を繰り返してきた経験から生まれたものです。
この御社壇には城主水谷京亮勝宗が、松山城修築の際に松山藩五万石の守護として水谷氏の守護神たちを勧請し、安置しました。
それぞれの部屋や今も大事に残されている造りを見て、この備中松山城全盛の時代の空気を感じるとともに、
城主の「この町、この城を守りたい」という想いが伝わってくるようでした。
所在地 : 岡山県高梁市内山下1
備中松山藩の拠点として構えられた備中松山城の魅力を歩いて探訪する旅、いかがだったでしょうか。
高梁市を訪れたら外せないスポット、日本三大山城の1つ備中松山城を余すことなく堪能できる登山をぜひお楽しみください。