HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

HISTRIP MAGAZINE icon HISTRIP MAGAZINE

まち全体がまるで庭のよう!知覧武家屋敷群を散策

  • 薩摩の小京都・知覧を代表する美しい箱庭のような街並みが続く鹿児島県知覧の武家屋敷群。知覧では外城制度といって武家集団を藩内の各地に住まわせ、麓と呼ばれる113の地区を分散して統治に当たらせました。ひとつの麓ごとに敵の侵入を防ぐまちの造りがされています。当時から残る建物を通し、知覧をゆったり歴史散歩しましょう。

     

     

    薩摩藩の外城制度が色濃く残る「知覧武家屋敷群」とは?

     

     

    知覧武家屋敷群は、国が定めた重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

     

    01-3_chirans
    まちなみは美しく、街道と母屋の間にはよく調和した庭園が築かれ、道に面した石垣にはきれいに手入れされた大狩込みの生垣が続いています。
    箱庭のような特色ある庭園を含めて地域全体が一つの「庭園都市」のような造りとなっており、建物と地割が良く旧態を残しているとされて、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

     

     

     

     

    知覧武家屋敷群は、島津氏が長く地頭をし、収めた地でした。江戸時代、薩摩藩は「人をもって城となす」という考えの元、武家集団を外城(とじょう)と呼ばれる113地区を分散して統治に当たりました。知覧もその中の一つです。
    道路は見通しの良い十字路よりは、T字型や曲線で形成されており、遠くを見通せない防備を兼ねた城塁型になっており、城の造りを町に取り込んだ武家屋敷群となっています。

    さっそく知覧武家屋敷を散策してみましょう!

     

     

     

    薩摩「人をもって城となす」石垣と生垣が融合した塁上型の麓集落

     

     

     

    01-2_chirans

     

    鹿児島空港から約1時間。JR喜入駅から徒歩約25分。薩摩の小京都と呼ばれるほど上品な風情溢れる武家屋敷、知覧武家屋敷群に到着しました。
    薩摩の小京都といわれる通り、美しい風情ある景色に魅了されます。
    知覧武家屋敷群の特徴として、道を歩くだけで武家屋敷の格式の高さがわかります。
    一見どれも立派な石垣に見えますが、丸い石でできた石垣と、四角い切石でできた石垣のお屋敷があります。

     

    切り石を用いた石垣の武家屋敷は格式が高いことを示しています。
    袖屋根を持つ武家屋敷がありました。
    袖屋根は一段の屋根がついた武家屋敷より格式が高い家だということを示しています。
    どの武家屋敷も立派ですが、屋敷で位を表す武士の気高さを感じます。

     

    <02-1知覧の重伝建説明>

     

    02-2_chirans

     

     

     

    知覧武家屋敷群の特徴として、道を歩くだけで武家屋敷の格式の高さがわかります。
    一見どれも立派な石垣に見えますが、丸い石でできた石垣と、四角い切石でできた石垣のお屋敷があります。

     

     


    02_chirans

     

     

    切り石を用いた石垣の武家屋敷は格式が高いことを示しています。

     

    <02-3知覧の武家屋敷道>

    <02-4知覧の武家屋敷道②>

     

    袖屋根を持つ武家屋敷がありました。
    袖屋根は一段の屋根がついた武家屋敷より格式が高い家だということを示しています。
    どの武家屋敷も立派ですが、屋敷で位を表す武士の気高さを感じます。

     

     

     


    <03-1知覧の武家屋敷袖屋根>


    <03-2知覧の武家屋敷普通の屋根>

     

    知覧独自の民家建築 表門から入っても玄関が見えない知覧型二ツ屋

     

     

     

    04_chirans

     

     

     

    武家屋敷の街道を歩いているとほかの武家屋敷とは一味違った、茅葺屋根(かやぶきやね)が見えてきました。
    知覧の多くの武家屋敷の母屋は桶の間型二ツ家ですが、ここは知覧型二ツ屋(ちらんがたふたつや)といい、知覧でも貴重な民家建築だそうです。住居用スペースをオモテ、台所のあるナカエと分けられており、それが合体し知覧型二ツ屋と呼ばれるそうです。

     

     

     

    05-1_chirans

     

    05_chirans

     

     

     

    棟をつなぐ形状がL字型をしており、全国でも知覧にしかない歴史ある建築方法です。市指定文化財にも指定されています。
    中の様子も当時を再現して作られており、当時の暮らしぶりを想像することができました。

     

     

     

     


    06_chirans

     

     

    二ツ屋の隣には小さなカフェがありました。知覧のご当地土産や軽食が販売されています。私も知覧銘菓のげたんはと知覧茶セットを頂きました。
    武家屋敷に囲まれながら趣あるカフェで頂くげたんはと知覧茶は絶品です。
    所在地 : 鹿児島県出水

     

     

     

    屈曲した道ばかり!?薩摩知覧武家屋敷群を守る先人たちの知恵を巡る

     

     

     

    07_chirans
    風情ある街並みを歩いていると、曲折した道が多くあることに気が付きます。

     

    07-1_chirans
    これは侵入してきた敵が通りを簡単に見通せないよう考えて作られました。
    十字路をあまり作らずT字路や曲線で遠くを見通せないように作られており、防備を兼ねた城累型の区割りとなっています。

     

    さすが薩摩を守ってきた知覧麓、江戸時代に生きた武士の生活を見ることができます。

     

     


    08_chirans
    武家屋敷に入るとここにも大きな岩が置かれてありました。
    これは屏風岩(びょうぶいわ)といい、敵が屋敷にすんなりと侵入するのを防ぐため設置されたものです。城などの規模ではなく、家屋にこのような工夫がなされていたことに驚きます。

    日々死と隣り合わせの武士の生き様が思い浮かびます。 侵入の際勢い余って屏風岩にぶつかってしまったなんてこともあったのではないでしょうか。

     

    09_chirans
    武家屋敷の道に石敢当(せっかんとう)と呼ばれる江戸時代の一種の魔除けが今もなお佇んでいました。
    石敢当は琉球から伝えられた魔除けであり、T字路や三つ又によく設置されていました。 知覧麓の人々の生活を邪悪なものから守ってくれていた事でしょう。

     

    所在地 : 897-0302 鹿児島県南九州市知覧町郡13731番地

     

     

    江戸時代そのままの風景残る鹿児島県知覧武家屋敷群。訪れると自分自身が江戸時代の気高い武士になったように感じる不思議な場所。
    あなたも現代の喧騒から離れ、江戸時代の武士たちが生きた暮らしをのぞいてみませんか?