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大正ロマン漂う日本遺産 開坑1200年の趣ある朝来市 生野銀山

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    兵庫県朝来市にある生野銀山は、807年に開坑し約1160年もの間、大鉱山として栄えました。
    江戸時代には徳川幕府の財政を支える重要な直轄地であり、その時の採掘跡が残されています。
    当時の様子が目の前で見学できる坑道を早速歩いてみましょう。

     

     

     

    日本遺産 江戸財政を支え 日本の近代化に貢献した生野銀山への旅

     

     

     

    JR大阪駅から姫路・寺前を経由し、電車で約2時間9分でJR生野駅に到着します。

     

     

     

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    関西空港からは、新大阪駅まで出た後に姫路・寺前を経由し約2時間25分です。

     

     

     

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    1876年に生野製鋼所の正門として設置された、「菊のご門柱」が出迎えてくれます。
    古来より菊は日本の国章に準ずるものとして用いられていました。
    門柱の菊を眺めると、政府直轄となって近代化を進めていた当時の姿が偲ばれます。
    この先へは入場券を購入し、見学できるようになっています。
    ▪入場料:大人900円・中学生600円・小学生400円
    ▪営業時間:9時~17時30分(ただし季節により変動あり)

     

     

     

     

    館内を中へ進むと左手に「不動の滝」が流れています。
    勢いよく流れる滝とは違い、迫力ある岩肌に伝って流れる滝は山の力強さを感じました。

     

     

     

     

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    滝の左側には坑内安全を祈念した小さなほこらもあるので、坑内へと進む前に手を合わせてお祈りしてもいいかもしれませんね。

     

     

     

     

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    明治時代に明治政府より雇われた、日本で第一人者の外国人、鉱山技師ジャン・フランソワ・コァニェさんの胸像です。
    フランスから日本に渡って約10年もの間、生野銀山の生産性や技術力の進歩に貢献した人物です。

     

     

     

     

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    そして少し歩くとジャン・フランソワ・コァニェにより伝授された、フランス式のアーチ型石組による坑口が見えて参ります。

     

     

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    坑道内は、「江戸時代採掘ゾーン」「近代採掘ゾーン」「捲揚エレベーターゾーン」3つのゾーンに分かれています。
    坑道口「金香瀬坑」内は、銀山発掘が活気に栄え、繁盛していた当時の姿がそのまま残されています。

     

     

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    常に13度の温度が保たれ、5月でも徐々にからだが冷えてくる温度となります。
    そのため現在はお酒やケーキ屋さんの熟成庫として利用されているそうです。

     

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    寒暖差がある為、ストールや羽織るものが一枚あるといいですね。

     

     

    技術の進歩とともに発展した生野銀山 銀の採掘と当時の姿を見る

     

     

    当時はサザエの貝殻に火を灯し、小さな明かりを頼りに作業をしていました。

    またノミ一本だけを使用し、鉱脈を辿りながら採掘していたそうです。

     

     

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    江戸時代採掘ゾーンでは、仏人技師ジャン・フランソワ・コァニェの指導で機械化になる前の様子を見ることが出来ます。
    生野銀山は1542年に本格的な銀の採掘がすすめられ、江戸時代には佐渡(さど)金山、石見(いわみ)銀山と並んで、徳川幕府の財政を支えていました。
    当時はまだ十分な道具や技術がないため、鉱石を追いかけるように掘り進める狸彫りを行っていました。
    狸は地面下に住み家をつくるのではなく地面の中を迷路のように掘って作ることから、狸彫りと言われています。

     

     

    狸

     

     

    近くには、トロッコの線路跡も残っていました。
    機械が誕生するまですべて手作業での採掘となり、かなり大変な作業であることが想像できます。

     

     

     

     

    トロッコの跡

     

     

     

     

    近代採掘ゾーンでは、明治以降に機械化された採掘、サンドスライム充填採掘法やシュリンゲージ採掘法を見ることが出来ます。
    近代採掘ゾーンを抜けると、捲揚・エレベーターを見学できるゾーンへと入って参ります。

     

     

     

     

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    巨大な機械で、当時の姿のまま残っています。

    730メートルもの深さからこちらの巨大な捲揚機械を使用して地上に運んでいたそうです。

    見学で通る道は五枚合掌支柱組と呼ばれる坑道がくずれないようにされていました。

     

     

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    馬蹄形鋼枠二枚合掌(ばていがたこうわくにまいがっしょう)という種類の組み方もあり、馬の蹄(ひづめ)に似ているからだそうです。

     

     

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    生野に聳え立つ生野銀山 手作業から近代化された採掘方法に迫る

     

     

     

     

    近代における生野銀山の採掘法としては下記の3つの方法が用いられています。
    坑道は深さ30メートル間隔で掘られ、鉱脈を辿って下から上に向って掘っていくそうです。

     

     

     

     

     

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    常に狭い場所で作業をしていくことになります。

     

     

    採掘する際に重要な、足場と井戸を伸ばしていく為、採掘した石や鉱石を選別し、いらなくなった石や砂を混ぜ、固めながら足場を作っていたそうです。
    サンドスライムとは、選鉱後のズリ。
    不要な鉱物、石などを指します。
    スラッシャーという機械で集める様子も人形で再現されています。

     

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    ずり充填採掘法とは、鉱石などと共に掘り出された石や選鉱した後に出る廃石を使用して、坑内に生じる空間を埋めて、採掘していく方法です。

    ずりとは、鉱山や炭鉱において採掘されるが使用できない岩石のことを指しています。

     

    シュリンケージ採掘法とは、ダイナマイトを使用して、硬い岩盤を一気に壊していく方法です。

    シュリンケージとは、地下から吹き出した鉱脈を指しています。

     

     

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    ダイナマイト配孔図にて配置された場所を説明しています。

     

     

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    採掘をする場所は、想像以上に整備された道ではなく、割れ目の中、狭い場所、暗闇の中となっています。

     

     

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    所在地:679-3324 兵庫県朝来市生野町小野

    公式HP:史跡 生野銀山 http://www.ikuno-ginzan.co.jp/

     

     

    807年に発見され、中世の本格的な採掘以後は江戸財政を支える鉱山にまで発展し、日本の近代化にも貢献した生野銀山。
    手作業から機械へと変わりゆく技術や当時の様子を実際に見ると、感慨深いものがあります。
    ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

     

     

     

     

     

     

     

     

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