HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

HISTRIP MAGAZINE icon HISTRIP MAGAZINE

島原の町 アラカルトで楽しむ歴史と旅に欠かせない絶品グルメを提案!

  • 長崎県南東部に位置する島原市は、熊本県熊本市からフェリーで約30分、福岡県大牟田市からは高速船を利用し約50分で到着します。

     

     

    今回は、歴史旅のスケジュールに是非加えていただきたいディープな名所とご当地グルメを紹介します。

     

     

    歴史の町に向け、いざ出航です!

     

     

     

    九州歴史旅に取り入れたい!便利な高速フェリーで一気に島原へ!

     

     

    <写真01_乗り場>

     

     

    今回は、熊本市の熊本港より超高速カーフェリーのオーシャンアローに乗船し長崎県・島原外港を目指しました。

     

     

    九州一周の旅や複数県を旅してまわる方は、新幹線や高速バスなど様々な交通手段がありますが、周り方によってはフェリーも活用するとリーズナブルかつ時短で目的地に到着できることもあるので、是非おすすめします。

     

     

    <写真02_オーシャンアロー>

     

     

    旅の日は、朝一番のオーシャンアローで有明海を西へ渡りました。

     

     

    客室の後方からデッキに出ることができ、気持ちの良い風にあたることができます。

     

     

    <写真03_デッキからの景色>

     

     

    1998年に就航したオーシャンアローは従来のフェリーの半分の時間、わずか30分で熊本港-島原港を結んでいます。

     

     

    客室内では、軽食やカフェ、熊本・島原のお土産なども買うことができ、一般的なフェリーよりも少しリッチな気分を味わうことができました。

     

     

    短い時間ですが、有明海の深い青を見渡せる景色も堪能でき、気分もリフレッシュすることができました。

     

     

     

    大迫力のねはん像は必見!島原~江東寺~で出会う日本一の涅槃仏

     

     

    <写真04_島原駅>

     

     

    島原外港から島鉄バスもしくは島原鉄道を利用して、島原駅へ向かいます。所要時間はいずれも10分ほどです。

     

     

    駅から徒歩約10分、まずは江東寺(コウトウジ)を目指します。

     

     

    <写真05_江東寺>

     

     

    1792年に発生した雲仙岳の火山性地震の波及被害により、この寺も崩壊流失の被害にあい、8年後に現在地に建立されました。

     

     

    <写真6_ねはん像>

     

     

    江東寺の再建を祝い、板倉重昌と松倉重政の霊を供養する大ねはん像が作られました。

     

     

    身の丈8.1mの鉄筋コンクリート造りで、あまりの大きさに圧倒されます。

     

     

    <写真7_ねはん像2>

     

     

    涅槃仏(ねはんぶつ)とは寝仏とも呼ばれ、釈迦が入滅する様子を仏像としてあらわしたものです。

     

     

    江東寺のねはん像は、目が開いており最後の説法をしている姿を顕しているそうです。

     

     

    大迫力の大きさだけでなく、視線が合うと少しドキッとしてしまいました。

     

     

    基本的には、頭は北向きに置かれ、これが誰かが亡くなった時は「北枕」にする由縁にもなっているそうです。

     

     

    <写真8_ねはん像 足裏>

     

     

    思わぬところで様々な由縁や云われに触れ、歴史と文化の世界の広がりを感じました。

     

     

    江東寺 所在地:長崎県島原市中堀町42

     

     

     

    吉田松陰ゆかりの地 島原藩士の屋敷跡 ディープな名所を訪れる

     

     

    <写真9_屋敷跡全景>

     

     

    つづいて、島原駅から徒歩約10分の「島原藩士・宮川度右衛門の屋敷跡」を訪れました。

     

     

    屋敷跡は島原城築城時に整備された武家屋敷の一帯にあり、幕末の「島原藩士屋敷図」にも、この地が宮川邸であった記録が残っているそうです。

     

     

    実はこの宮川邸は、長州の藩士・吉田松陰が訪れた地でもあります。

     

     

    <写真10_説明>

     

     

    明治維新の倒幕論者として多くの若者に思想的影響を与えたとされる吉田松陰は、兵学研鑽の旅に出ます。

     

     

    1850年に旅の途中でここ宮川邸を訪れた松陰は、当時、種子島流荻野派砲術師範として知られていた度右衛門守興と鉄砲について語り合ったそうです。

     

     

    <写真11_井戸>

     

     

    跡地には、井戸も残っており当時の生活の様子が伺えました。

     

     

    後に松田松陰が記した西遊日記には、度右衛門守興から聞いた話も残されており、実際にこの地に立つと「いかに戦うか」という会話を交わしていた二人の様子が浮かんでくるようでした。

     

     

    吉田松陰来訪の地(宮川度右衛門の屋敷跡) 所在地:長崎県島原市江戸丁

     

     

     

    最後の一滴まで旨みたっぷり!島原名物郷土料理を食すなら姫松屋

     

     

    <写真12_外観>

     

     

    歴史旅の締めくくりに、島原駅から徒歩約8分の「姫松屋(ひめまつや)本店」を訪れました。

     

     

    お目当ては島原の郷土料理「具雑煮」です!

     

     

    具雑煮は、1637年に起こった島原の乱で一揆軍の総大将だった天草四郎と深い関係があります。

     

     

    当時、農民達にもちを兵糧として貯えさせた天草四郎は、山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を炊いたそうで、これが具雑煮のはじまりとされています。

     

     

    <写真13_具雑煮>

     

     

    具雑煮の名の通り、土鍋を開けると湯気とともにたっぷりの具材が炊き込まれています。

     

     

    お餅・ちくわ・かまぼこ・白菜・春菊・高野豆腐・鶏肉・油揚げ・れんこん・あなご・春菊などなど、13種類もの具材が入っています。

     

     

    様々な食材から栄養を取り、天草四郎たちが約3ヶ月も戦いの日々を過ごせたことも納得です。

     

     

    <写真14_具雑煮2>

     

     

    食べ進めるごとに、次々と具材が出てくるので、シンプルに見えて様々な香りや触感・味を飽きることなく楽しむことができます。

     

     

    食材の旨みが溶け込んでいる熱々の出汁まで食せば体の芯から温まり、お腹もしっかり満たされる具雑煮はまさに至福の味でした。

     

     

    島原を訪れた際は、是非具雑煮を最後の一滴まで味わってみてください。

     

     

    姫松屋 所在地:長崎県島原市城内1丁目1208

     

     

     

    船旅から始まった島原の歴史とグルメを堪能する旅はいかがでしたか。

     

     

    回りきれないほどの魅力がある島原ですが、今回紹介した名所は島原城周辺の名所と合わせて巡ることができるので、是非スケジュールに組み込んでみてください。

     

     

    日本の歴史や文化がどんどん好きになる、そんな歴史旅を始めてみませんか。