竹原の歴史旅が一層楽しくなる 古くから竹原を守り続ける寺社を巡る
広島県・竹原市といえば、まず何が思い浮かぶでしょうか。
今回は、竹原重要伝統的建造物群保存地区をはじめ、少し足を伸ばしてディープな歴史的名所を訪れてみました。
珍しいおかかえ地蔵に出会い、映画の名所や小早川隆景ゆかりの地も一緒に巡ってみませんか。
この記事の目次
全国でも珍しい!竹原の町並みを温かく見守るおかかえ地蔵の秘密
JR竹原駅から徒歩約12分、竹原重要伝統的建造物群保存地区の美しい町並みを楽しみながら、本町通りを歩いていると「おかかえ地蔵」という案内板を見つけました。
おかかえ地蔵という名を聞き、てっきりお地蔵さんが何かを持ち抱えているのかと思いながら本町通りを一本左の筋へ入り、坂道を上がりました。
するとようやくその名の意味が分かりました。
小さなお地蔵さんを持ち上げて、お願い事をするとその願いを叶えてくださるとのことでした。
ここから徒歩約4分のところにある長生寺には、おかかえ地蔵のご本尊があるそうです。
お地蔵さんを持ち上げる経験はもちろん生れて初めてだったので、恐る恐る持ち上げてみると、とても重かったです。
軽く感じると近いうちに願いが叶うようで、重く感じると願いが叶うのはもう少し先になるとも言われています。
町並み散策に訪れた際は、おかかえ地蔵を持ち上げて願いを唱える貴重な体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
所在地 : 広島県竹原市本町3丁目
竹原製塩の繁栄 北に商業の神様 胡堂 南に塩浜の守護神 地藏堂
おかかえ地蔵から徒歩約1分のところ、風情ある町並みの北に位置し一際目に留まる「胡堂」(えびすどう)を訪れました。
胡堂は、一間社流造(いっけんしゃながれづくり)で、江戸時代からある建物です。
商売の神様を祀っており、商人たちの信仰をあつめているそうです。
「流造」は神社の典型的な建築様式のひとつ。特徴は非対称の切妻屋根。平入りで正面入り口側の「前流れ」が、曲線状に反りながら長く延びています。
本体部分を身舎(もや)、長く延びた部分を庇(ひさし)と呼び、桁行(正面)の柱間が1間(柱が2本)であれば一間社流造、3間(柱が4本)であれば三間社流造(さんけんしゃながれづくり)というそうです。
中には恵比寿さんが祀られていました。
製塩業で発展した竹原には、商売の神様と一緒に、塩浜の守り神もいらっしゃいます。
町の南北をつなぐ本町通りの北には胡堂が、南には地藏堂が竹原の町を守り続けています。
戦国武将 毛利元就の三男 小早川隆景も通った照蓮寺で歴史散策
胡堂をお詣りした後は、そこからさらに徒歩約1分歩き「照蓮寺」(しょうれんじ)に到着です。
小祇園と言われる県下屈指の名園がある照蓮寺は、竹原小早川家を継承し木村城へ入城した毛利元就の三男・小早川隆景が幼い頃に学問所として通った場所です。
中には、小早川隆景が文禄・慶長の役の際に唐から持ち帰り寄贈したと伝えられ国の重要文化財に指定されている高麗鐘(こまのかね)が保存されています。
本堂の一番上には3畳もの大きさがあり迫力満点の鬼瓦があります。
入口の鐘楼門は木の重みだけで支えられており、巧みな建築技術に感動しました。
照蓮寺へは胡堂の左から進めば表の鐘楼門から入ることができ、右から進むと照蓮寺の境内へ直接入ることもできます。
所在地 : 広島県竹原市 本町3丁目12-23(胡堂)、広島県竹原市本町3丁目13-1(照蓮寺)
竹原重要伝統的建造物群保存地区から始まったディープな竹原の歴史をめぐる旅はいかがでしたか。
道中、ふと目が留まった方へ進んでみると新しい発見があり、実際に訪れてみることで体感できる数々の歴史は旅をより魅力的にしてくれます。
ここでは全てを紹介しきれなかった竹原の魅力を、是非探りに行ってみてください。