日本で最初の観光定期便バス「亀の井バス」で行く 地獄めぐりの旅
温泉という地球の神秘に恵まれた地、大分県別府市。
千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたことが「豊後風土記」に記され、人々はそこを地獄地帯と呼びました。
今回は地獄地帯に存在する国指定名勝にもなっている地獄4か所を、日本で初の観光バスに揺られながら旅をしました。
この記事の目次
別府観光には日本最初のガイド付き観光バスに揺られて~亀の井バス~
JR別府駅から、地獄めぐり観光バスツアーに参加しました。
今回乗車する亀の井観光バスは、別府観光の父油屋熊八によって誕生した、日本で最も長い歴史を持つ定期観光バスです。
また今や全国的に有名なこの地獄めぐりも彼が確立させたものです。
地獄めぐりフリーパスチケットとパンフレットをもらい出発します。
亀の井観光バスは1924年日本で初めての定期観光バスとして誕生しました。
また、今は当たり前になっている女性バスガイドも亀の井バスが日本で初めてです。
当時まだバスでのガイドに必要不可欠なマイクはまだ普及していませんでした。
そこで亀の井バスでは七五調を歌い、ガイドを行っていたのだとか。
今回の旅でもバスガイドさんが当時うたわれていた七五調を使い説明してくださいました。
別府の地獄をめぐる 文化財名勝指定 「海地獄」と「白池地獄」
地獄とは、1694年に貝原益軒が記した豊後紀行ではすでに地獄と名称されているそうです。
もともと恐れ多い地として地元の人も寄り付かなかったのですが、大正時代に入り温泉付き別荘地の開発と共に温泉給油の源泉として開発が整備されると、湯治客が地獄をのぞき見するようになりました。
これがきっかけで地獄めぐりという新たな観光がスタートしたようです。
今回は数ある地獄から国指定名勝に指定された4つの地獄を紹介します。
海地獄
コードブルーの神秘的な色をした地獄です。
今から1200年前の鶴見岳(つるみだけ)の爆発によってできたようです。
沢山の睡蓮の花もありました。
温泉でも咲く、熱帯性睡蓮というそうです。
こちらは白池地獄。
噴出時は無色透明のお湯ですが池に落ち、温度と圧力の低下により自然に青白色になっているとか。
園内にはさらに2つの県指定重要文化財がありました。
写真上:向原石鐘 1560年のもの
写真下:国東塔 南北朝時代、約600年前のもの
温泉だけでなく歴史的価値の高い場所だと感じました。
所在地:大分県別府市鉄輪地区
別府の地獄をめぐる 文化財名勝指定 「血の池地獄」と「竜巻地獄」
こちらは血の池地獄です。
なんとも恐ろしい名前ですが、本当に赤い色をしたお湯でした。
ここは豊後風土記にも記された日本最古の温泉のようです。
ここから算出される赤い粘土は皮膚病に効果があるようです。
お土産物屋さんがありあました。
別府温泉地ならではの入浴剤もたくさんの種類が置いてありました。
旅の思い出として、また自宅に帰ってからも温泉気分を味わうのもいいですね。
4か所目の国指定名勝地獄は、この竜巻地獄です。
別府市指定天然記念物の間欠泉です。
間欠泉は一定の間隔で熱湯と噴気を噴出します。
世界の間欠泉の中でも休止時間の短いことで有名のようです。
私が訪れた際は約25分ほど噴出するまで待ちました。
そして危ないとのことで、接近することはできませんでした。
勢いよく噴出する温泉を見て、心がリフレッシュされました。
所在地:大分県別府市鉄輪地区
恐ろしい名前ながらも、ついついどんなところか気になってしまう地獄めぐり。
日本で最も歴史のある定期観光バス亀の井バスが約1時間をかけて案内してくれます。
あなたも一度、地球の神秘に魅了されてみてはいかがでしょうか。