醤油発祥の地「湯浅」 湯浅醤油有限会社で醤油の歴史を学ぶ旅
醤油発祥の地、和歌山県湯浅町。
この町には、本物の醤油を作るために国産原料にこだわり、昔ながらの製法で丹誠こめて手作りしている数少ない鋳造元、「湯浅醤油有限会社」があります。
醤油独特の香りが鼻をくすぐり、私たちをお出迎えしてくれます。
この記事の目次
明治初期創業の「湯浅醤油有限会社」で手作り醤油の製造工場見学!
日本の伝統食である金山寺味噌・醤油の発祥地、和歌山県「湯浅町」。
湯浅駅から徒歩約12分のところにあるのが「湯浅醤油有限会社」です。
前身の「新古商店」の創業から135年経った今もなお醤油と金山寺味噌を作り続けています。
湯浅醤油有限会社は、昔ながらの大きな古民家、といった雰囲気でした。
一歩中へ入ると、醤油独特の香ばしい香りがしてきました。
「うまいもんをつくらなあかん」と言われ続け、現在でも昔ながらの製法は変えず、国産原料にこだわって世界一の醤油・味噌作りを目指しているそうです。
日本人としての誇りが感じられ、とても素敵ですね。
この湯浅醤油有限会社では、無料で工場見学、1人たったの300円で櫂入れ(かいいれ)体験ができます。(2017年3月現在)
また、もろみ(しょうゆになる前のもの)が入った杉桶を間近で見て触れることも可能です。
その上、種類豊富な醤油の試食ができたり、珍しい醤油ソフトクリームを味わうことができます。
こちらで湯浅醤油の製造工程の一部をご紹介します。
櫂入れをし、1年半~2年館熟成発酵させます。
熟成させた状態のもののもろみ(しょうゆになる前のもの)を絞ります。
オリ(醤油の成分内の不純物、沈殿物)がおりるのを待ちます。
この工程を見せていただきました。
その後まだまだ製造工程は続くのですが、ここでは最初の3工程をご紹介しました。
その他にも見どころは満載です!
このように手作りをしているところは今ではほとんど無いそうなので、とても貴重な経験となりました。
湯浅で醤油発祥は「金山寺味噌」から 35年守られてきた伝統の味
湯浅醤油有限会社の工場の下の階には、醤油や金山寺味噌、その他のオリジナル商品などを取りそろえる売店があります。
売られていた商品の多くは見たことのないような珍しいものばかりで、いくら見ていても飽きない品揃えでした。
鎌倉時代、中国の宋で修行を積んだ僧が、中国にもともとあった「金山寺味噌」を日本に持ち帰り、良質な水が流れていた湯浅に広めました。
湯浅の人々が金山寺味噌の桶の底に溜まった液で食べ物を煮たところ、そのおいしさは何ものにも代えがたかったといいます。
その溜りを美味しくできないかとさらに改良に改良を重ね、今日の醤油の原型が出来上がりました。
そんな金山寺味噌だけでも、塩の量や味の違いによって本当に様々な種類の金山寺味噌がありました。
私は白ごはんと味噌だけで食べたことはなかったので、塩気を少し控えた味噌をぜひ食べてみたいと思いました。
醤油が味噌からできていたと知らなかったので、驚きと新たな発見が沢山ありました。
湯浅の金山寺味噌からできた原料にこだわりぬいた「醤油」製法とは?
「蔵人が命をかけて作る、本物の醤油。
昔ながらの製法を変えず、人の手で、時間をかけて、選び抜いた厳選素材だけを使った醤油。
先代の意向を継ぎ、「日本一・世界一の醤油を作りたい」という思いで醤油を作り続ける。」
そのような想いを込めて醤油を作り続ける「湯浅醤油有限会社」では、醤油は金山寺味噌よりもさらに数多くの品揃えでお店に訪れる人を楽しませてくれます。
極め抜いたからこそ、どれも妥協のない一本となっています。
原料にこだわり抜いた「魯山人」。
お店自慢のおすすめ商品のようです。
一緒に食べるものによって醤油を変える、といった食事スタイルが目に浮かぶようなほど豊富な品揃えでした。
本当に種類が豊富で、用途によって異なる味の醤油を使うと食事が一層楽しいものになりそうですね。
こちらは一風変わった「みかん甘酒」です。
試飲してみたのですが、とにかく飲みやすくて驚いてしまいました。
他では真似できないというこだわりで作った、有田みかんのノンアルコール甘酒だそうです。
和歌山といえばみかん、というイメージが強いですが、実は醤油と金山寺味噌の発祥地であり、今もなお特産物として町のあちらこちらで見かけられます。
醤油発祥の地「湯浅」のこと、そしてこだわり抜いたおいしい「醤油」のことを学びに、「湯浅醤油有限会社」を訪れてみてはいかがですか。