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京都伏見桃山の天皇陵で歴史旅 幕末の激動を走った明治天皇陵へ

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    ・伏見桃山には4つの天皇陵があります。
    今回はその中の明治天皇伏見桃山陵と桓武天皇柏原陵を訪れました。
    平安京を開いた桓武天皇、幕末の重要人物である明治天皇。歴史が動く瞬間を生きた2人の天皇陵を巡ります。

     

     

     

     

    東京で生涯を終えた明治天皇が京都伏見に明治天皇陵を持つ秘密とは

     

     

    <写真04_alt:明治天皇陵参道入り口>

     

     

    京都伏見を歩くと、突如現れる森。ここは明治天皇伏見桃山陵。明治天皇伏見桃山陵へつづく並木道を約1㎞ほど歩きます。

     

     

     

    明治天皇は、激動の幕末に生まれ、1867年に14歳で即位しました。即位当時から討幕派と佐幕派の争いが続いており、1867年に大政奉還、王政復古の大号令を経て元号を明治としました。
    初詣で例年日本一の参拝者数を誇る明治神宮は有名です。

     

     

    東京で生涯を終えた天皇の陵が京都にあることに違和感を持つ方もおられるかもしれません。明治天皇陵が京都にある理由は、「生まれ故郷である京都の地で眠りたい」という天皇の生前の意志によるとされています。

    当時の日本では、現在のように陵墓に関する決まり(法律)はありませんでした。そのため天皇の意思を反映し現在の場所に眠られます。

    空気感ががらっと変わって、この静寂の空間に少し緊張しました。ここで聞こえるのは風の音、砂利の音だけです。

     
    <写真05_alt:明治天皇陵への参道>

     

    立派な杉の並木道を20分ほど歩くと、明治天皇伏見桃山陵に到着します。

    当時、陵墓の形状に関する決まりがない中で選ばれた陵墓の形状は「上円下方墳」です。上下に分かれた墳丘のうち、下は方形でその上が円形という形状の墳墓。この形は、京都にある天皇陵の中で長らく上円下方墳とされていた天智天皇陵に則って作られたそうです。

     

    <写真06_alt:明治天皇陵正面>

     

     

    私は初めて天皇陵に訪れましたが、この壮大さにまず驚きました。そして、言葉ではなんとも表現できない神聖な雰囲気に圧倒されました。実際に杉並木の参道を抜けて訪れた者にしか体感できない感動があります。天皇陵の反対側は伏見と宇治を一望でき、とても清々しいですよ。

     

     

     

    平安京を築き上げたとされる桓武天皇が葬られる桓武天皇柏原陵へ

    付近にある伏見桃山城を過ぎると、約5分ほどで桓武天皇柏原陵に到着します。

     

     

     

    <写真09_alt:桓武天皇柏原陵正面>

     

     
    明治天皇伏見桃山陵よりも規模は小さく見えますが、鳥居の奥の深い森はとても神秘的に感じました。
    平安京を開いたとされる桓武天皇ですが、当時都に異変が続いたために葛野郡宇太野(かどのぐんうだの)の山陵の地(現在のJR二条駅北周辺)と予定されていた墓地をここに変更したそうです。
    ひっそりと佇む桓武天皇柏原陵は、明治天皇陵とはまた違った空気が流れているので、ぜひ合わせて訪れてみてくださいね。

    帰り道は下り坂なので、緑を感じながら、街を見下ろしながら進むことができます。

     

     

     
    <写真10_alt:参道の緑>

     

     
    スピリチュアルな雰囲気に包まれて、心が洗われる時間を過ごせますよ。

     

     

    明治天皇伏見桃山陵と桓武天皇柏原陵をめぐる旅はいかがでしたか。
    幕末の志士たちが走った京都伏見に眠る同じく幕末の激動の時代を生きた明治天皇。
    ここに眠ることが決められていたかのような天皇陵の言葉にできない神秘的な空気感と心が引き締まる感覚を体感しにいきましょう。

     

     

    ■所在地■
    [明治天皇伏見桃山陵]京都府京都市伏見区桃山町古城山
    [桓武天皇柏原陵]京都府京都市伏見区桃山町永井久太郎