愛知蒲郡で現代まで大切に紡がれてきた文化 歴史物語る調度品巡り
愛知県蒲郡は大阪から電車で約4時間。
蒲郡地域、三河地域は観光の場所だけでなく、歴史ある物や文化を思いやる地域の人の温かさを感じる旅をご紹介します。
歴史を感じるだけでなく、その地域らしさもかんじてみてはいかがでしょうか。
この記事の目次
江戸時代にタイムスリップ! 生活の主軸 三河木綿の文化に触れる旅
蒲郡駅から西に向かって徒歩約10分。
大きな門が迎える蒲郡市博物館に到着です。
この博物館には、蒲郡地域、三河地域の歴史についても展示しています。
こちらは三河木綿についてです。
三河木綿は生活の基盤であったようです。
蒲郡市博物館には、綿の植物や綿のタネを取り除く綿繰り機、糸を作る紡ぎ車など、当時使われていた道具を見ることができます。
他にも紡いだ糸を巻く、つむ(錘)
糸を巻いて束にしたもののかせ(綛)が展示されています。
そして木綿ができる様子を一つ一つ写真と絵、そして文字で解説がされているので、とても分かりやすく、展示されている道具に思わず触れたくなってしまいます。
機械化が進んでしまった現代に手作りの良さというものを感じることができるように思います。
国指定重要文化財も眠る蒲郡市博物館 歴史感じる調度品との出会い
同じく大きな門、竹谷松平家の大手門をくぐる先の蒲郡市博物館。
2階にはさまざまな調度品が展示されています。
その中に一つ大きな鐘があります。
こちらは国指定重要文化財とされている梵鐘です。
銘のある梵鐘では、県下最古のものとされています。
1804~1817年に発掘されたと伝えられ、勝善寺(しょうぜんじ)に保管されていましたが、1981年に保存のため蒲郡市博物館に寄託されたそうです。
たくさんの土器が並べられているこちらは、赤日子遺跡から1962年に出土した土器です。
すべて弥生土器で形によって3つに分類されます。
米や木の実、果実を貯めて保存する壺、煮炊きに使うかめ(甕)、食べ物を盛り付けるたかつき(高坏)です。
赤日子遺跡から発掘されたものには不明な点が多いが、弥生時代後期の大きな集落遺跡の一角と推定されます。
たくさんの土器が並べられていてそれぞれの土器がどのように使われていたのかを想像しているとわくわくしてきます。
額彫りに焼物に市民憲章まで 蒲郡「海辺の文学記念館」で宝物巡り
蒲郡駅から竹島橋方面向かって徒歩約15分。
今も市民に大切に守られている宝物は、海辺の文学記念館にあります。
海辺の文学記念館は、常盤館を惜しんだ文人や市民によって同じ場所に建てられました。
宝物とは旧蒲郡ホテルにあった数々の調度品です。
ではご紹介しましょう。
まずは、旧蒲郡ホテル六角堂軒下にかけられていた十二支透彫額です。
奥行きさえも感じられるほどの細かな彫刻が見事です。
続いては蒲郡ホテルの棟札と、常盤館の棟札です。
蒲郡ホテルの棟札の裏面には「昭和8年」、常盤館の棟札の裏には「明治45年」と書かれています。
今もなおきれいに保存されており、大切に保管されてきたということが感じられます。
その下にはたくさんの焼き物があります。
これらは蒲郡ホテルで当時使われていたものだそうです。
こちらもきれいに保管されています。
蒲郡の町中にこのようなものを見つけました。
蒲郡市民憲章です。
愛の言葉でひとづくり、笑顔で働きいえづくり、みんなのちからでまちづくりの三つが誓われています。
歴史あるものを大切にしている様子や市民憲章を見て、地域の人の温かさを感じます。
博物館や、記念館に地域の人々から大切に守られ、保存されてきた文化や物。
静かに時間が流れる館内でゆったりと地域の方の愛情や歴史をかんじてみるのはいかがでしょうか。
蒲郡に訪れた際はぜひ、足を運んでみてください。