HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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宗像大社の三女神に出会う歴史旅 自然に囲まれた大島への航海!

  • 福岡県・宗像市に属し、玄界灘に浮かぶ「大島」と「沖ノ島」。
    手つかずの自然と古代からの信仰が残りつづける2つの島には、どのような歴史が私たちを待っているのでしょうか。
    歴史を辿る大航海に、さぁ早速行ってみましょう!

     

     

    世界有数の漁港 玄界灘に浮かぶ宗像の大島を目指して古代の航海の旅
    <写真01_ターミナル>

    西鉄バスで「神湊波止場(こうのみなとはとば)」停留所下車すぐ、神湊渡船ターミナルよりフェリーおおしまで約25分、旅客船しおかぜで約15分。
    玄界灘に浮かぶ福岡で一番大きい島、宗像本土より沖合11kmにある「大島」を目指します。

     

     

    <写真02_大島行き>
    <写真03_フェリー乗り場>
    玄界灘は、九州の北西部に広がる海域を指し、大陸棚の広がりと対馬海流の流れにより世界でも有数の漁場となっています。
    そのため船内では、神湊港と大島港を行き来する地域の方々がたくさんいらっしゃいました。
    <写真04_景色>
    天然とらふぐ、アジ、イカなどは玄界灘や響灘の荒波にもまれて身も引き締まり、大島の名産物として全国に知れ渡っています。
    フェリーからは、玄界灘に浮かぶ島々を眺めながら潮風にあたり、古代より朝鮮半島を目指して航海をつづけた人々の想いも身近に感じることができました。
    航海を楽しんでいると、あっという間に大島港に到着です!

     

     

     

     

     

    沖ノ島を望む御岳山 ~宗像大社中津宮~に祀られる宗像三女神の次女
    <写真05_標識>

    大島港より徒歩約4分のところにある「宗像大社中津宮」(むなかたたいしゃなかつみや)を訪れました。
    大島にある宗像大社中津宮は、沖ノ島にある「沖津宮」(おきつみや)、本州にある「辺津宮」(へつみや)と合わせて宗像大社の三宮となります。
    <写真06_史跡宗像大社境内>

     

    <写真07_鳥居>
    中津宮には、宗像三女神の次女である湍津姫神(たぎつひめのかみ)が祀られています。
    境内へいざなわれるように石段を上がると、拝殿が見えてきます。
    <写真08_拝殿>
    島の南西岸に海を隔て、辺津宮と向かいあって鎮座しているこの中津宮。
    参道は、 御嶽山に向かってまっすぐに伸びています。
    <写真09_拝殿サイド>
    かつて沖ノ島と共通する露天祭祀が行われた御嶽山遺跡(みたけさんいせき)は、中津宮の社殿と御嶽山へ登る参道で結ばれており、一体となって中津宮をつくりだしています。
    御嶽山からは、海に浮かぶ沖ノ島を眺めることができるそうで、遠く離れた神聖な島につながる社殿を目の前にすると、奥深い歴史を感じました。

     

     

     

    <写真10_土俵>
    境内には、なんと土俵があり、旧暦3月15日の春祭で子供たちの奉納相撲が行われるそうです。
    歴史深い宗像大社で、国技である日本の文化に根ざした相撲も人々に受け継がれているんですね。

     

     

     

     

     

    文明の発展とともに生まれた 宗像発!日本で初めての交通安全お守り
    <写真11_境内>

    三重県の伊勢神社、島根県の出雲大社とともに道の神として名を連ねる宗像大社。
    宗像三女神は、日本書紀の中で「道主貴(みちぬしのむち)」と記されました。
    その名高さ通り、大和朝廷をはじめ遣唐使らも海路の安全を祈ってきたとされています。

     

     

    <写真12_お守り>
    そんな宗像大社は、1963年に全国初の自動車用のお守りを誕生させました。
    福岡県内ではこのステッカーお守りを貼っていない車を探す方が大変なほど。
    もちろん県内に限らず全国から厚く信仰されています。
    <写真13_お守りステッカー>
    現在も発売当時と変わらないデザインの交通安全お守りを授与していただくことができます。
    古代から航海の守り神として崇められてきた宗像三女神。
    その信仰が、現代では陸上の道の安全を祈るかたちとなったことに、時代に合わせて様々な方法で信仰がつづくことの面白さを感じました。
    神社ならではの様々なお守りを探してみるのも、歴史旅の楽しみの一つですね。

     

     

     

    宗像大社中津宮 所在地:福岡県宗像市大島1811

     

     

     

    神聖なる~沖ノ島~へ想いよ届け 「宗像大社沖津宮遥拝所」を参拝!
    <写真14_沖津宮遥拝所標識>

    最後に、宗像大社中津宮より徒歩約22分の「沖津宮逢拝所」(おきつみやようはいじょ)を訪れました。
    大島内には、複数の標識があるので、広がる空と島の自然を楽しみつつも迷わず沖津宮逢拝所までたどり着くことができます。

     

     

    <写真15_海>
    目の前に見えてきた綺麗な海に、爽快な気分になりました。
    <写真16_遥拝所遠景>
    見晴らしの良い海に面した場所にある沖津宮遥拝所。
    なぜ、このような場所に遥拝所が建てられているのでしょうか。
    <写真17_遥拝所>
    玄界灘のほぼ真ん中に浮かぶの孤島の沖ノ島には、「宗像大社沖津宮」が鎮座し、宗像三女神の長女・田心姫神(たごりひめのかみ)が祀られています。
    古代から沖ノ島はご神体として崇められ、現在に至るまで島への立ち入りは厳格な禁忌によって制限されています。
    住人はもちろんおらず、辺津宮から神職が10日交代でたった一人で奉仕をつづけています。
    女人禁制、一般の男性の上陸は年に一度200名に限り、厳粛なる禊(みそぎ)を海で行ったうえで初めて島内へ入ることができます。
    <写真18_遥拝所2>
    厳重に守り続けられてきた神聖なる沖ノ島の沖津宮に向かって、拝殿の役割を担っているのがこの遥拝所です。
    <写真19_海2>
    遥拝所に参拝し沖ノ島の方角を眺めると、手が届くことのない島の尊さや、神様という目に見えない偉大な存在への内なる信仰と感謝することの大切さを感じました。

     

     

    宗像大社沖津宮遥拝所 所在地:福岡県宗像市大島

     

     

     

     

    宗像三宮の宗像大社中津宮と、沖津宮を望む沖津宮遥拝所への歴史旅はいかがでしたか。
    簡単には、決して語りつくすことのできない宗像大社にまつわる文化・伝統・信仰。
    是非実際に足を運んで、古代へタイムスリップしてみてください。