三朝温泉だけではない! 藤井酒造で造られる古酒とは
鳥取県の中央に位置する三朝町(みささちょう)。
世界屈指の三朝温泉で有名ですが、実は世界で認められた「古酒」を造る酒造があるのをご存知でしょうか。
今回は三朝で創業して300年以上となる藤井酒造を訪ね、古酒の世界に浸ります。
日本酒ブームで注目を集める 古酒の歴史
三朝温泉街で、唯一酒蔵を構える藤井酒造。
1669年に創業し、約350年もの歴史を誇る老舗酒造で、約40年ほど前から「古酒」の製造をはじめました。
古酒と聞くと、ワインのヴィンテージものやウイスキーを想像される方が多いかと思いますが、藤井酒造で造られている古酒は「日本酒」の熟成酒です。
かつて日本酒の古酒は、お酒の中でも最上級の品とされていました。
現在のチラシに当たる江戸時代の「江戸買物独案内」には、通常の日本酒と比べて「九年酒」は2倍以上の値がついています。
「九年酒」は日本酒を9年熟成させたものと考えられており、古酒が特別なものであったことがわかります。
しかし1830年に酒造税則が制定されて、生産工程における「絞りだした日本酒の量」に対して課せられることとなりました。
古酒の場合、日本酒を造り税金納めたら、熟成が終わるまで保管・管理する必要があります。
そのため売れていない状態で税金の支払いがあり、保管のコストもかかるため、古酒は次第に造られなくなっていきました。
また当時は多くの人々が「酔う」目的でお酒を購入していたため、大量にお酒を売れば売れる時代だったことも、古酒衰退の追い風となります。
衰退の一途をたどっていた古酒ですが、近年の日本酒ブームや熟成ブームによって再び注目を集めています。
今回は、造るお酒のほとんどが「古酒」という、藤井酒造で近年話題の古酒の世界に浸りましょう。
三朝 藤井酒造で造られている IWCゴールドメダル受賞 白狼
藤井酒造は清酒の貯蔵に適した場所にあったことから、約40年も前から古酒を造り始めました。
藤井酒造の南側には木々が生い茂り、樹齢300年以上の大木が強い日差しや南風から酒蔵を守っているのです。
そんな藤井酒造の看板商品は「白狼(はくろう)」。
毎年ロンドンで開催される、世界最大規模のワインコンテスト「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」の「SAKE部門・古酒の部」で、ゴールドメダルとトロフィーを受賞した至極の一品です。
IWCの評価は、「ゴールド・シルバー・ブロンズ・大会推奨酒」の4つで、ゴールドの中でもとりわけ優れたものにトロフィーが渡されます。
つまり白狼は、世界で認められたトップクラスの古酒ということです。
品格を感じさせる、美しい琥珀色をした白狼は、アニバーサリーや贈答品にもいいですね。
熟成された年数によって香りや口当たりが変わってくるのだとか。
特別な日に一度「世界トップクラスの古酒」を味わってみてはいかがですか。
お土産にオススメ 藤井酒造のお隣にある店舗でショッピング
藤井酒造の酒蔵の隣にあるのは、酒蔵で造られたお酒が買える店舗です。
店舗内は藤井酒造で造られた数々の古酒が並び、中央には試飲コーナーも設けられています。
白狼の他にも、藤井酒造の代表銘柄である地酒 三朝正宗(みささまさむね)や三徳桜(みとくざくら)などがあります。
三朝正宗は山田錦などを酒米に使用し、スッキリとした辛口の古酒で、クセになる熟成酒の香りで人々を虜にするそうです。
お子様やアルコールがお苦手な方には、「スイーツ糀あまざけ」がおすすめ。
ノンアルコールで米と米麹だけで造られた、安心安全の一品。
やさしい甘さで、スイーツとしていただけます。
芸能人が健康のために愛飲しているそうで、製造が追いつかなくなったこともあるそうです。
一部商品はオンラインショップで購入できますが、現地でしか手に入らない商品も。
ぜひ試飲で飲み比べをしながら、お好みの古酒を見つけてみては。
温泉街 三朝で造られている「古酒」の世界、いかがでしたか。
世界最高峰の品評会で認められた古酒が、三朝で造られているのは驚きですね。
三朝を訪れた際には、温泉だけではなく、藤井酒造で「古酒」の世界をお楽しみください。