飫肥が守り続ける歴史とは 長い歴史と文化を通じて心と体を癒す旅
かつて九州の小京都とよばれた5万1千石もの城下町。
そんな宮崎県日南市の「飫肥」で歴史を感じ体験する旅に出かけてみませんか。
今回は、飫肥の風情溢れる城下町を目で見て感じ、観光で大人気の「四半的」で今に受け継がれる伝統を体験をして、文化に触れる旅をご紹介します。
この記事の目次
飫肥城下で最も格式ある武家屋敷「豫章館」でお屋敷と名庭を満喫
飫肥城下町のメインストリート「大手門通り」を約5分進んだ先に「大手門」が存在します。
そのすぐ手前に藩主伊東家の屋敷「豫章館(よしょうかん)」があります。
「豫章館」は、飫肥藩主の伊東祐帰(すけより)が1869年に城内かた移りこんだ屋敷で、庭の北隅に大きな楠木があったことから、「豫章館」と名付けられました。
飫肥藩の典型的な武家屋敷で、飫肥城下では最も格式があるといわれている武家屋敷です。
立派な門をくぐり抜けた先には石畳が建物まで続いていました。
この立派な門「薬医門」と屋根付きの堀に囲まれた約六千五百平米の屋敷内には主屋、雑舎(台所・便所・納屋)、蔵、御数寄屋が存在しています。
真っすぐな石畳を歩いた先には、3月のお雛さんを感じさせる、なんとも愛らしいお雛様が飾られていました。
お庭からもお雛様を沢山見ることができます。
屋敷の南にある庭園は枯山水式庭園で、広い空間に庭石や石灯籠、庭木など名庭を見ることができます。
このお庭の規模と手入れの良さは九州でも有数のものだそうです。
庭園からお屋敷を眺めてみると、お庭の広さに圧倒しました。広大な敷地で暮らしていたことがよく分かりますよね。
飫肥藩主が暮らしていたこの場所で、当時の歴史を肌で感じてみてはいかかがですか。
豫章館 所在地:宮崎県日南市飫肥9-1-1
何百年と受け継がれる飫肥の伝統「四半的」で娯楽競技を楽しもう
飫肥城観光案内所のすぐ隣に「四半的球場」があります。
みなさん「四半的(しはんまと)」という言葉を聞いたことはありますか。
「四半的」とは宮崎県日南市の飫肥地方に450年余り前から伝わるミニ弓道です。
射位から的までの距離は4間半(8.2m)。
弓と矢ともに4尺5寸(約1.6m)。
的が4寸5分(約13cm)。
全ての長さが四半であることから「四半的」と呼ばれています。
四半的の歴史は古く、南九州の武将たちの間で酒宴の席などでの余興として行われていました。
そんな歴史溢れる「四半的」をこの四半的球場で1人10射300円で体験することができます。
実際に私も体験してみました。
立って四半的をすると思いきや、畳の上に座って行うものでした。
畳の上に座り、的に向かって弓を放ちます。
四半的ベテランの男性が優しく教えて下さったので、何本も的に的中し、とても楽しい経験でした。
是非、飫肥の受け継がれる伝統「四半的」で歴史がつまった遊びを堪能してみてはいかがでしょうか。
四半的 所在地:宮崎県日南市飫肥9-1
飫肥が日本中に知られるきっかけに 朝ドラのロケ地を巡る
宮崎県の飫肥といえば、NHK朝の連続テレビ小説のロケ地として有名ですよね。
2004年の9月から2005年3月にかけて放送された連続テレビ小説です。
震災で父をなくし造園家を目指す主人公が、「緑豊かな宮崎」と「復興した新生・神戸」を舞台に、恋愛・結婚とさまざまなことを経験しながら成長していく物語です。
オープニングの際にでてきた「大手門」
主人公が悩むといつも訪れていた「杉木立」
主人公が降りた「飫肥駅」など、このほかにも沢山のロケ地を沢山めぐることができます。
この木は、朝ドラの日南ロケを記念し、出演者の斎藤慶子さんによる「さざんか」の記念植樹を行った時のものです。
「さざんか」はもう一つのドラマの舞台地である神戸市の「市民の木」だそうです。
是非、飫肥に来た際には、ロケ地巡りも楽しんでみてはいかがでしょうか。
大手門 所在地:宮崎県日南市飫肥10-1-2
飫肥駅 所在地:宮崎県日南市星倉1-1-667
いかがでしたか。
かつて栄えたこの町には、深い歴史が沢山あります。
この歴史を受け継いだ「飫肥」は伝統を体験したり、歴史を体感したり、歴史を守り続けています。
当時にタイムスリップした気分を味わえるこの町で、歴史を味わう旅にでかけてみてはいかがでしょうか。