歴史を知ってこそ楽しい信州の鎌倉「塩田平」 ため池文化の田舎の魅力
信州の鎌倉と呼ばれる「塩田平」の土地は長い長い歴史があります。
歴史があれば、そこには人が生きた物語があるものです。
塩田町駅は駅員さんもいない、何もない駅だけれども、旅する理由は困りません!
この記事の目次
「日本の歴史的風土準100選」信州の鎌倉「塩田平」の古き歴史を学ぶ
長野県上田市に位置する「塩田平」は「信州の鎌倉」という異名を持ち、美しい日本の歴史的風土準100選にも選定されているとてものどかな土地です。
JR東日本北陸新幹線の通る上田駅から、青と緑のシートが可愛らしい上田電鉄別所線に乗り換え揺られることおよそ20分、「塩田町駅」が今回の旅の始まりです。
とっても静かな無人駅です。
塩田平位置する小県郡(ちいさがたぐん)の歴史をさかのぼると、それは非常に古く歴史ある地域であることがわかります。
一番古くは、文字としての歴史で、741年(天平)には正倉院御物の中に「信濃国少県群」の文字が見られます。
現在では「美しい日本の歴史的風土100選」に選定されていて、神社仏閣や街並み、ため池などの歴史的風土がかけがえのない大切な財産として人々に守られています。
ないなら作ろう 楽しく作れば苦しくない!地域支えた「ため池」文化
そんな歴史あふれる塩田平の中で今回訪れたのは塩田平の「ため池」です。
塩田平の地に「ため池」は点在しています。
塩田平の駅を降りたその時から広がる、のどかな光景にとても心が癒されました。
そして塩田平には「ため池」にまつわる伝説が数多く存在します。
元々この土地は塩田3万石と言われる上田藩の穀倉地帯だったのにもかかわらず、恵みの雨が非常に少ない地域でした。
そのため古くから人々にとってため池は生活の支えだったのです。
「ため池」の作り方がちょっとユニークで、青空の下で踊りながらつくられたそうなのです。
掘り進めた後に状態を整え、それを踏み固める作業は非常に体力仕事でありました。
そのためその作業をできるだけ楽しく、そしてリズムよく道具を使うための工夫を感じられます。
隠れた絶景「手洗い池」は「前山寺」に繋がる道 塩田平を知って歩く
「ため池」のひとつ、「手洗池」(てあらいいけ)は「塩田町駅」から歩くこと15分の所にあります。
名前の由来は諸説ありますが、「前山寺」を開いた弘法大師が手を洗った水溜の場所にのち、ため池が作られたという伝説から命名されたといわれています。
そんな伝説もあるだけあって、水が本当にきれいなんです!
天気が良ければ空がきれいに水面に映り、思わずうっとりしてしまいます。
周辺池堤は整備も施されていて遊歩道になっているのでお散歩コースにも最適です。
訪れたのは冬の寒い朝でしたが、犬の散歩をする地域のっ方々にもお会いしました。
塩田平にはこのほかにも甲田池(こうだいけ)、舌喰池(したくいいけ)など、ちょっと変わった名前の「ため池」がたくさんあります。
由来や伝説を調べてから、塩田平を散策してみてはいかがでしょうか。
手洗い池 所在地:長野県上田市古安曽
いつもは上田までの長野の歴史旅、今度はちょっと足をのばして「塩田町駅」で降りてみてください。
そこには、美しい自然、歴史ある建物、塩田平の歴史と共に歩んできたほっと心温まる歴史旅が待っています。
お気に入りの“ため池”をぜひ探してみてください。