山口萩の世界遺産 「明治日本の産業革命遺産」で産業の歴史に触れる
2015年、「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されました。
日本国内8カ所に幕末から明治時代末までに作られた23資産は8県に点在しています。
今回は、その中の一つ、山口県萩市にある世界遺産を紹介します。
この記事の目次
高台から見る眺めも美しい かつては大砲を製造していた「萩反射炉」
まず1つ目は、「東萩駅前」バス停から萩循環まぁーるバス(東回りコース)で「萩しーまーと」バス停より徒歩で約5分のところにある「萩反射炉」(はぎはんしゃろ)です。
小高い丘の上にあり、一見レンガでできた高い塔に見えました。
これは金属を溶解するための炉で、西洋からもたらされたものです。
幕末の時代に欧米列強への危機感が募る中、蘭書によって日本に導入されました。
約50年ほどで急激に産業化した日本。
この反射炉は、旧式の大砲に変わる西洋の鉄製大砲への必要性から発展としました。
2つに分かれた先は煙突となっています。
階段を上った先にあるこの反射炉を見た時に最初に思うことは、その大きさへの驚きです。
よく見てみると、年期が入っていることがわかり、日本の産業革命を支えていたということを感じました。
少し高い場所にあるため、景色がとても良かったです。
萩は海に隣接町であるため、高いところから見ると、その海と自然のコントラストが美しく、印象的でした。
「萩反射炉」 所在地:萩市椿東4897-7
すぐ横には美しい日本海が広がる 軍艦製造所「美須ケ鼻造船所跡」
続いて萩反射炉から東へ約10分歩いたところにある「美須ケ鼻造船所跡」(えびすがはなぞうせんじょあと)を訪ねました。
1853年に幕府はペリー来航の衝撃から、各藩に軍備・海防力の強化のための大型船建造を指示しました。
のちに萩藩に対しても大型船の建造を要請をしました。
その造船所がこの「美須ケ鼻造船所跡 」です。
発掘所の様子です。
ここにかつては造船所があり、2隻の洋式軍艦を製造したと言われています。
1隻目はロシア、2隻目はオランダの造船技術を参考にしました。
異なる国の技術が共存する珍しい造船所なのです。
現在でも発掘作業は続いていて、その様子を見ることができます。
現在では綺麗な海の広がるのどかな場所ですが、かつてはこの地で軍艦が造られていました。
ここから軍艦が出航する姿を想像すると、現在ののどかなな風景とのアンバランスさに驚きました。
「美須ケ鼻造船所跡」 所在地:萩市椿東5159-14
城下町として約260年間栄えた町 長い歴史を持つ「萩城下町」
続いて訪れたのは世界遺産の「萩城下町」です。
東萩駅から西へ約20分歩くと城下町に着きます。
1604年に毛利輝元が萩城を築いて以来、260年間にわたって城下町として栄えました。
武家屋敷やその石垣など、城下町独特街並みが広がっていて、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのようか気持ちになりました。
石垣を見て、わかることがあります。
それは、2度にわたって石垣を重ねたということです。
写真から綺麗に積まれた下の段と、乱雑に積まれた上の段の2層になっていることがわかります。
このような異なる時代の重なった石垣は萩城下町内にたくさん見られます。
石垣に注目して歩くと、石垣の積み方にも様々あり、石の色によってその表情も異なることがわかり、興味深かったです。
萩城下町を歩く際には、石垣にも注目を向けてみてはいかがでしょうか。
「萩城下町」 所在地:萩市堀内
「明治日本の産業革命遺産」のうち、萩市内には5つの世界遺産があります。
今回はそのうちの3つを紹介しました。
日本の産業革命、そして発展を支えた萩。
その地を巡ると同時に、現在にも残る萩の美しい風景を眺めてみてはいかがでしょうか。