美しい生活・豊かな暮らしの本質を 倉敷の文化の原点に戻り体感
美しい生活とはなにか、自分の暮らしをより豊かにするためには。
それは誰でも、いつでもできることなのです。
正しく、本質を発信する倉敷では、歴史を感じ今の自分の生活を見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。
そんな倉敷の美しい生活の本質を紹介します。
この記事の目次
なまこ壁・倉敷窓・倉敷格子 タイムスリップした様な倉敷の街並み
JR倉敷駅から徒歩約10分のところに倉敷美観地区があります。
歩いていると、多くの町屋が残っており工夫の凝らされた意匠が多く見られます。
まるでタイムスリップしたかのような気持になります。
雨が降っている日だと観光客も少なく、また雨のしずくが瓦を輝かせ晴れの日とは違った様子をみることができます。
倉敷に多く残る町屋の壁は「なまこ壁」と呼ばれる造りになっており正方形の平瓦を外壁に張り付け、目地を漆喰で盛り上げて埋める手法で建てられています。
この盛り上がりの断面が半円形のなまこ形に似ていることからこの名称が付けられたそう。
そして隣家と接する両側面と正面2階部分の外壁全体が、白漆喰仕上げにされています。
土蔵造りに比べると壁の厚みは薄く、建物の正面と背面は木が露出しています。
この造りは塗り屋造りとよばれ、防火対策のひとつだそう。
その他にも倉敷窓や倉敷格子など、江戸時代から明治時代のものとされており、倉敷独特の意匠だそうです。
建物を見ているだけでも歴史を感じることができます。
豊かな暮らしの本質を発信する「林源十郎商店」で生活を見つめ直す
古き良き街並みを見ながら歩き進むと、美観地区の観光客でにぎわう本通りから少し離れたところに林源十郎商店に到着します。
もともと林源十郎商店は江戸時代から代々続く薬商の林家によって建てられました。
現在は、一過性の観光地としてではなく「今を生きる人々が暮らしや地域を見直すきっかけ、学びの場」として本質を発信する場として現在の施設に生まれかわったそうです。
木造三階建ての本館や母屋、離れ、蔵の四棟と庭を修復・整備した施設には「豊かな暮らし」を探求する「衣・食・住」の8店舗が入居。作り手さんのぬくもりを感じることのできるナチュラルテイストな商品達を手にとり、ゆっくりと楽しいひと時を過ごす事が出来る素敵なスポットです。
自分の生活を見つめ直すいいきっかけになるかもしれません。
日本で二番目の民芸館。誰でもいつでもできる「美しい生活」の発信
JR倉敷駅から徒歩約15分で江戸時代後期に建てられた米倉を活用して、1948年に開館された「倉敷民藝館」(くらしきみんげいかん)に到着します。
東京日本民藝館が開館したのに次いで、日本で2番目にできた民藝館です。
なぜ2番目が倉敷なのか?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
そこには大原家の存在が欠かせません。
倉敷出身の実業家である大原孫三郎は民藝運動の良き理解者であり、支援者でした。日本民藝館設立にあたり、建設費を寄贈し、息子の總一郎に受け継がれました。
そもそも民芸とは何なのか。それは、「民衆的工芸」という意味で大正末期に創られた言葉です。
人々の暮らしの中で使用される、美しく丈夫な品々を「民芸」とよんでいるそうです。
民芸館の役割は、誰でもいつでもできる「美しい生活」をひろめるということだそう。
外観からも、民芸館に展示されている品々からも、眺めているだけで自分の生活に美しさを求めたくなるように感じられる、そんな場所です。
普段の生活に取り入れると、生活に潤いがでるような美しい食器や飾りものを眺めていると、心がほっとするような美しさ溢れる民芸館です。
誰もが、いつでもできる「美しい生活」そして、豊かな暮らしの「本質」とは何か。
歴史あふれる倉敷・美観地区の原点から、自らの生活を見つめ直してみませんか?