心がほっと温まる 飫肥を愛する地元の人が守り続ける3つのスポット
宮崎県日南市にある飫肥(おび)城下町で有名なのが武家屋敷通りです。
飫肥城跡の周辺にある通りで、とてもいい雰囲気の町並みが広がっています。
今回は、そんな武家屋敷通りに存在する3つの観光スポットを紹介します。
地元の人達の温かい想いに触れ、近世の武家屋敷を楽しむ旅に出かけてみましょう。
この記事の目次
飫肥城下町で雛祭りを味わう 平山宅の手作り雛人形に込められた想い
飫肥駅から約15分で平山家に到着します。
飫肥城下町では、2月、3月と由緒施設にひな人形の飾付けがされており、見学することができます。
今回はその中の一つ、武家屋敷通りを約3分進んだ先に存在する平山宅を訪れました。
「奥へお入りください」と書いた可愛らしいポスターを見ながら敷地内に進むと、広いお庭がありました。
ここにも可愛らしいポスターが。ひな祭り気分が高まります。
進んだ先には赤色が一面に広がり、ひな人形でいっぱいでした。
お家の中に飾られており、お庭から見れるようになっています。
中にも入ることができ、沢山のひな人形を近くで見ることができました。
約6人で1年間かけて手づくりしたものを、2月3月に販売しているそうです。
ちりめん細工でお雛様などを作り、材料は着物の生地を使用しているそうです。
最近は手に入りにくく、専門店などで一番なじむ「絹」を購入し、作っているそうです。
実際に手づくりしている方は、「捨てられるような絹でも、綺麗にすると生き返る」とおっしゃっており本当に誇らしく感じ、絹への愛を感じました。
この飾りを見たことはありますか。
この地方では、さげるものという意味から「さげもん」と呼ばれているそうです。
関東などでは「つるし雛」と呼ばれています。
さげもんには一つ一つ意味が込められているらしく、赤は魔除け、つばきは美しくなるように、桃は女性の象徴など女の子の成長の意味が込められています。
全て手作りなので、顔も形もそれぞれ変化があり、一つ一つがとても丁寧に作られています。
私はうさぎさんのキーホルダーを一つ購入しました。
ちりめん細工に絹の生地がなんとも愛らしく、かわいいです。
飫肥杉で栄えた日南市 地元の人達が守り続ける「オビダラリー」とは
続いて飫肥の同じ武家屋敷通りに位置する「オビダラリー」を訪ねました。
オビダラリーは飫肥杉を使った手作りの雑貨を購入することができます。
日南市で生産される飫肥杉は、油分が多く弾力性のある特徴から良質な造船材として、取引されていました。
しかし、昭和の後半に木造船の需要がなくなると飫肥林業は衰退していきました。
そうした中立ち上がったのが「飫肥杉を核としたまちづくり」を推進するプロジェクトチーム、飫肥杉課が市役所内に誕生したそうです。
このプロジェクトを広めるために作られたお店が、この「オビダラリー」です。
「飫肥だらけ」という意味から「オビダラリー」という名前ができ上がったそうです。
地元の人達の飫肥杉に対する愛が感じられる名前ですよね。
中に入ると、飫肥杉の香りで広がっていました。
小物が沢山飾られており、ヘアゴムやバッチ、お箸などがありました。
飫肥杉でできた熨斗には発想力に感動させられました。
木のぬくもりは優しくて温かいです。結婚式やお祝い事にはぴったりの熨斗ですよね。
他にも飫肥杉で作られたトロフィーがありました。
木目が綺麗で本当に素敵です。
あゆみちゃんマップの引き換え券で、飫肥杉のお箸を頂くことができました。
立派なお箸です。
是非、飫肥に来たら「オビダラリー」飫肥杉に囲まれた温かい店内に足を運んでみてはいかがでしょうか。
飫肥の近世武家屋敷 「旧伊東伝左衛門家」で近世の武家屋敷を堪能
続いて飫肥の武家屋敷通りをまっすぐ進み、突き当たりを左に曲がった先にある「旧伊東伝左衛門家」を訪ねました。
入り口の石段と石垣が一気に風情を感じさせてくれました。
旧伊東伝左衛門家では、飫肥藩上級武士の武家屋敷と庭園を見学できます。
19世紀初めの建築と推定され、幕末の城下絵図によると、伊東伝左衛門家とあるそうです。
建築材には飫肥杉を使い、床下を高くするとともに後に飫肥の住宅に見られる特徴を全て備えています。
材料、工法とも優秀で、まさに近世武家屋敷の様相を知ることができ、その価値は高いものがあるそうです。
お庭にいくと枯山水の庭園を見ることができました。
日本らしさがお庭からも家からも感じられます。
そして敷地内で、おひな様を見ることができました。
枯山水からみるおひな様はキラキラと光りに照らされ輝いていました。
飫肥の武家屋敷の典型を楽しんでみてはいかがでしょうか。
どこか心が温かくなるような飫肥の旅はいかがでしたか。
飫肥には、歴史を守りたい、文化を守りたい、と強い想いを持っている方たちがたくさんいます。
手づくりのひな人形や飫肥杉を使ったオビダラリーで町の人々の温もりに触れ、近世の武家屋敷で、貴重なお屋敷を堪能する旅に出かけてみませんか。