伊賀上野城下町を舞台に鬼行列が練り歩く!400年続く上野天神祭
神幸祭(しんこうさい)といわれ、2基の神輿の巡幸、それに供奉する百数十体の鬼行列、を見ることができる上野天神祭。中でも鬼の行列はお祭りの中でも人気な演出のひとつです。
そんな魅力あふれる上野天神祭。その歴史と魅力に迫ります!
菅原神社に奉納する上野天神祭とは
上野天神祭は、400年余の歴史を有し、毎年10月、菅原道真公を主神とする菅原神社に奉納される秋祭です。2基の神輿の巡幸、それに供奉する百数十体の鬼行列、京都の祇園祭の鉾形態を取り入れた9基の「楼車(だんじり)」の巡行で構成されています。
もともとは、神様を乗せた神輿と邪除けの獅子舞、邪気払いの剣と鉾、お供の法師、行列をしらせる太鼓という形であったと考えられています。行列は年々形を変え、藤堂氏が藩主の時代、庶民の生活が安定し町人文化も華やかであった1616年頃から、神輿・鬼・だんじりが行列する現在の形に発展していきました。豪華なだんじりの幕や飾り金具、賑やかなお囃子にもその時代の繁栄がみてとれます。
そんな歴史ある上野天神祭のみどころをみていきましょう!
上野天神祭の見どころを徹底解説
上野天神祭の見どころはなんといっても京都の祇園祭の山鉾(だし)に似た、だんじり(楼車)の巡行と、鬼たちの行列!
百数十体もの鬼が練り歩く鬼行列は、神輿の渡御に供奉してその露払いの役割を果たします。
一見一列に見える鬼行列は、実は
「役行者の峯入り」をモチーフにした行列と
「鎮西八郎為朝の鬼退治」をモチーフとする行列の2つのグループに分かれています。
それぞれに「大御幣」「鬼王剣先」といった印があります。
全国的にも珍しい鬼行列。なんと使用される面は江戸時代のものが中心で、古いものでは桃山時代のものもあり、必見です!ちなみに、鬼になるのはもちろん伊賀上野の町の人々。鬼町と呼ばれる4町(上野相生町、上野紺屋町、上野三之西町、上野徳居町)で受け継がれてきた鬼行列は全国的にも珍しく、上野天神祭を象徴する要素の一つです。
上野天神祭で使われるだんじりを「だんじり会館」で見学
素敵なお祭りに参加しに行きたいけど時期が難しい!といった方におすすめなのが、「だんじり会館」。上野市駅から徒歩約10分のところにあります。
「だんじり」や「鬼のお面」を見ることができ、400年の歴史のある上野天神祭を体感できます。
上野天神祭は、「ダンジリ祭行事」として2016年にユネスコ無形文化遺産に登録され、鬼行列は2002年に国無形文化財に登録されています。
だんじり会館の1階ではあらゆる角度からだんじりを見ることができ、実際に祭を体感しているような気になります。また、城下町を練り歩く鬼行列の様子は、その場にいるだけで鬼行列の迫力に圧倒され身震いがしました。2階には伊賀の歴史を感じる展示スペースがあり、時間が合えば観覧席より上野天神祭の様子を映像で見ることができるので、是非時間を合わせて訪れてほしいと思います。
さらには、伊賀らしく、忍者のコスチュームのレンタルがあるので、忍者の町伊賀を堪能できます!
400年の歴史をもつ上野天神祭をご紹介しました。いかがでしたか。
町をあげて文化を伝え続ける伊賀上野。お祭りの時期以外も上野天神祭を体感できるスポットもありますので、ぜひ一度訪れてみてくださいね。