青山忠裕とお稲荷さんの出会い 兵庫県篠山 王地山まけきらい稲荷
豊かな自然に囲まれた兵庫県篠山市。
その篠山にある王地山まけきらい稲荷には、かつて篠山藩主であったお殿様の不思議なお話が伝わります。
長い階段の続く参道を登り、境内を歩きながら、神秘的な世界に浸りましょう。
篠山藩主 青山忠裕が出会ったお稲荷さん 王地山まけきらい稲荷
JR大阪駅から特急こうのとりに乗り約1時間22分、JR篠山口駅に着きます。
飛行機をご利用の方は、関西国際空港から特急はるかでJR新大阪駅まで出て特急こうのとりにお乗り換えが便利です。
JR篠山口駅から篠山営業所行のバスに乗り、上立町で下車後東に向かって歩きます。
すると王地山公園という公園の中に入っていきます。
バス停を降りて歩き始めること約10分、公園の中にトンネルのように並ぶ赤い鳥居が見えました。
王地山まけきらい稲荷に到着です。
聞くだけで微笑んでしまう神社ですね。
この特徴的な名称はある逸話からきています。
時は篠山藩主青山忠裕公が老中であった約170年前。
当時、将軍たちの大相撲が年に一度催されていました。
そこに参加していた篠山藩の力士たちはなかなか勝つことができず、負けてばかりだったそうです。
そんなある年の春、篠山から来たという王地山平左衛門を含む8名の力士と行司1名、頭取1名の一行が現れました。
なんと、彼らが土俵に上がると連戦連勝。
負けずきらいのお殿様、青山忠裕は彼らに褒美をやろうと考えます。
しかし、彼らを見つけることはできませんでした。
後に調べてみると、なんと勝者の全員が領内のお稲荷さんの名前だったのです。
そのことを知った忠裕公はお稲荷さん全員にのぼりや絵馬を奉納して感謝したそうです。
この逸話から、「負けきらい稲荷」と言われるようになりました。
今は商売繁盛、合格成就の神として広く信仰されています。
狐が見守る長い参道を登って 篠山 王地山まけきらい稲荷を散策
では、少し境内を散策してみましょう。
大鳥居をくぐり少し歩くと右手に手水舎があります。
お参りする前に、水盤の水で清めましょう。
参道に戻り、また階段を登っていくと右手に小さな祠があります。
こちらは昔、食べ物を求めて境内にやってきた狐を「参詣者が参道を上れるようお守りするように」と祀ったものです。
そのことから、足腰が丈夫に暮らせる御利益があるそうです。
足腰のお参りをしたら、もうひと踏ん張りです。
いくつか建物が見えてきました。
右手に昔参詣者が寝泊まりしていた籠堂、左手に海上安全・開運隆昌の御利益がある妙見堂がある少し広めの場所に着きます。
そこからさらに登ったところに本殿があります。
長い参道を狐に見守られながら、登り切ると、なんだか清々しい気持ちになります。
こちらの本殿は、桧皮葺きの上に銅板が敷かれた屋根を持っています。
もともと桧皮葺きの優雅な本殿だったのですが、老朽化が進んだため現在の形になったそうです。
お帰りの際は、来た参道を折り返すのもよいのですが、「まけきらいの道」という散策道を通るのもおすすめです。
散策道を歩くと、木漏れ日のぬくもりに包まれているような気分になります。
所在地:兵庫県篠山市河原町92
公式HP:「王地山まけきらい稲荷」http://www.makekirai.com/index.html
お稲荷さんと忠裕公の世にも不思議な物語はいかがでしたか。
その神秘的な世界と木々の木漏れ日が和かな中で過ごすと、心が清み、穏やかな気持ちになります。
ぜひ一度王地山まけきらい稲荷へ足を運んでみてください。