福井あわら市芦原で日中友好都市の歴史と昭和天皇が愛した銘菓を巡る
47都道府県幸福度ランキング日本一の「福井県」。
そんな暮らしやすく幸せな県福井県の一番北に存在する「あわら市」は昔から温泉街として栄えてきました。
あわら市には心を癒す温泉の他にも、おいしい食べ物や自然、地元の人達の愛、今と昔を繋ぐ歴史がありました。
今回はそんなあわら市の魅力を満喫する旅を紹介します。
この記事の目次
自家源泉100%の「芦原温泉」 湧き出る源泉で心と体が癒される
JR芦原温泉駅からタクシーで約10分。着いた先は芦原温泉(あわらおんせん)です。
14の旅館と「温泉」を感じさせる街並みがで広がっていました。
1883年に一人の農民が水田に井戸を掘ったところ、約80度の温泉が湧出したことが芦原温泉の始まりです。
芦原温泉街の中心には北陸最大規模の「芦湯」が存在し、地元の人や観光客に愛され続けています。
芦原温泉の「芦」の字と「足」をかけて「芦湯」と書くそうです。
えちぜん鉄道あわら湯のまち駅の目の前に存在し、営業時間は午前7時から午後11時までと長めで、芦湯の利用も無料です。Wi-Fiもありとても便利なので、ゆっくりと芦湯を楽しむことができますよ。
芦湯の中に入ると5種類もの温泉があり、全て温度が異なっていました。
夜には浴衣を着た観光客で賑わう「芦湯」。皆さんもこの「芦湯」で心と体を癒してみませんか?
「芦湯」の他にも沢山の旅館が存在する「芦原温泉」。
この湯めぐり手形を使って3つの旅館の温泉を楽しむことができます。
1500円(2017年1月時点)で3つの温泉を堪能できてしまう!とってもおすすめの「湯めぐり手形」です。
登録有形文化財「藤野厳九郎記念館」 厳九郎が繋いだ芦原の歴史とは
続いて「芦湯」と同じ、湯のまち広場内にある「藤野厳九郎記念館」を訪れました。
藤野厳九郎 と魯迅との国境を越えた師弟関係と現代に繋がる歴史を感じることができます。
芦原出身の藤野厳九郎は医学の教師であり、魯迅が研修生として中国から派遣してきたことで二人は出会いました。
その後、文学の道で大活躍する魯迅は、現代の中学校の国語教科書に「故郷」という作品が掲載されるほど有名になりました。
厳九郎のことを書いた「藤野先生」という作品は二人の師弟関係を世に広めることとなり、そのメッセージに多くの人が感動したそうです。
藤野厳九郎記念館は、1983年芦原町と中国の浙江省紹興市との間で締結された友好都市を記念して、藤野家遺族から旧宅を寄贈されたものだそうです。
中に入ると二人の歴史が掲載されており、当時厳九郎が使用していた医療品や生活用品なども見ることができました。
昔の生活を身に染みて感じることができる記念館です。
二人が築いた友好関係により、現在も芦原中学校と中国紹興市の中学校との交流が続いているそうです。
宮内庁御用達 昭和天皇がお気に召された一品 芦原が誇る「松乃露」
芦原温泉に来た際には、必ず立ち寄ってほしいのが「浅野耕月堂」(あさのこうげつどう)です。
今回は菓子の「松乃露」(まつのつゆ)を堪能してきました。
お店の入り口から上品で、店内の雰囲気も温かく、心が休まる場所でした。
1947年に昭和天皇が芦原温泉にご宿泊された際、お茶漬け菓子としてだされた「松乃露」。
大変お気に召されたそうで、今でもなお注文を伺っているそうです。
実際に当時の様子が書かれた新聞を見せていただきました。「松乃露」が大きく記事にされており、昭和天皇がどれだけお気に召されたのかが伝わってきました。
実際に口にすると、「さくっ。ふわっ。」と口に入れた瞬間に溶けてしまうような不思議な食感と甘い香りで、五感を楽しませてくれました。
手が止まらなくなるほど美味しく、やみつきになってしました。是非、立ち寄ってみてください。
地元の人と旅人の交流の場 「湯けむり横丁」で福井の食を味わおう
続いて、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅から約1分のところにある豊かな自然で溢れる町で地元の人達と観光客で賑わう「湯けむり横丁」を訪れました。
串揚げ、お好み焼き、焼き鳥、手羽先、餃子、ホルモン焼、ラーメンなどの昔懐かしい屋台が勢ぞろい。昔の雰囲気を存分に楽しむことができます。
各店舗に約9つの座席しかないので、店主さんとの距離が近く、皆でアットホームにご飯を食べることができます。
是非、地元の人達と交流して、旅をより濃いものにしてみませんか。
福井県あわら市は、昔から温泉街として栄えてきました。
しかし現在、温泉だけではなく今と昔を繋ぐ歴史や愛され続ける食べ物などが沢山あります。
地元の愛で溢れたこの町で、心と体を癒す旅。歴史に触れる旅に出かけてみませんか。