名古屋の重要文化財エリア「文化のみち」を散策しながら巡る歴史旅
名古屋駅からバスで約20分で、二葉館の前に到着します。
そこから、徒歩で移動出来る距離に、橦木館や旧春田鉄次郎邸、旧豊田佐助邸も建っています。
まわりは、閑静な住宅街で落ち着いた雰囲気の街並みです。
歴史ある建造物をまわりながら、ゆったりとした時間を過ごすことが出来るエリアでしょう。
この記事の目次
日本の女優第・川上貞奴と電力王・福沢桃介が暮らした家~二葉館~
名古屋駅からバスで20分で到着する二葉館は、日本の女優第一号として名をはせた川上貞奴と、電力王と言われた福沢桃介が共に暮らした家です。
創建当時は、文化のみちエリアの北端、東二葉町にあり、2000坪を超える敷地に建てられた和洋折衷の建物は、その斬新さと豪華さから「二葉御殿」と呼ばれ、政財界人や文化人の集まるサロンとなったそうです。
設計は、当時新進気鋭の住宅専門会社「あめりか屋」に依頼し、建物内部に電気装備が施される一方、貞奴の好みも至る所に取り入れられました。
当時の記録では、玉砂利の道を入っていくと、車寄せの前がロータリーがあり、松の木などが植えられ、芝生の庭にはしだれ桜やもみの木、電気仕掛けの噴水やサーチライトがあったようです。
円形に張り出したソファがある大広間では、ステンドグラスが柔らかい光を投げかけていたことでしょう。
2人が幸せな時を暮らしたこの家が、現代にも受け継がれていることが素晴らしいです。
輸出陶磁器商・井元為三郎によって建てられた歴史ある家~橦木館~
二葉館から西に徒歩3分のところにあるのが文化のみち「橦木館」(しゅもくかん)です。
橦木館は輸出陶磁器商として活躍した井元為三郎によって建てられました。
大きく区画割りされた敷地に和館、洋館、東西二棟の蔵、茶室、庭園が残されています。
1996年に名古屋市有形文化財、2008年3月に景観重要建造物に指定されました。
都会のけん騒を忘れさせるよう静かに佇み、大正末から連なる記憶を今へ伝えています。
ステンドグラスの色鮮やかな光に満たされた洋館、懐かしい薫りにあふれる和館、 四季折々の趣が時を忘れさせる庭園が訪れる方の心を癒すことでしょう。
橦木館の洋館にはステンドグラスが贅沢に使われており、為三郎は輸出陶磁器の商談を行うため、多くのバイヤーを招待していたと言われています。
現在では、カフェの営業もされているので、この歴史ある空間で美味しい珈琲をいただくことが出来ます。
是非、恋のホットスポットとも言われている2匹の小鳥のステンドグラスも見つけてみてください。
名古屋で大正ロマン溢れる屋敷町~旧春田鉄次郎邸・旧豊田佐助邸~
二葉館より西に徒歩4分で到着する旧春田鉄次郎邸は、陶磁器貿易商として成功し、太洋商工株式会社を設立した春田鉄次郎が武田五一に依頼し、造った住宅と言われています。
重厚な黒塗りの門をくぐり邸宅内へ進むと、1920年代のレトロモダンな世界が広がっています。
現在は、創作フランス料理「デュボネ」として営業している部分と、見学者用に開放している部分とあります。
アンティークな家具に囲まれ、クラシックな音楽が流れている空間は、心地良く訪れた方を包み込むことでしょう。
旧春田鉄次郎邸のすぐ横にある旧豊田佐助邸は、発明王・豊田佐吉の弟、佐助が住んでいました。
当時、長塀町に佐吉邸、白壁町に豊田喜一郎邸と豊田利三郎邸もありましたが、現存するのはこの豊田佐助邸のみとなっています。
豊田利三郎邸は門と塀だけが残されています。
木造の洋館・和館を併設したスタイルで、洋館の1階では蓮の蕾の形の照明、吊元の装飾、鶴亀にとよだの文字をデザインした換気口などが見られます。
どの邸宅も歴史ある建造物ですが、実際に訪れると立っているだけでその時代にタイムスリップしたかのような感覚になり、当時を体感できます。
名古屋に来るなら是非訪れてほしい名所です。
「文化のみち」には、愛知県名古屋の文化と歴史を感じるさまざまな物語が語り継がれています。
歴史的建造物の趣きやデザインを楽しみながら、風情ある街並みで当時に思いを馳せて散策をしてみてください。
日本の文化に触れた時に、きっと心が豊かになることでしょう。