指定無形文化財 美延町の文化財でギネス達成!?山梨歴史散策の旅
山梨県身延(みのぶ)の身延線で数ある「無人駅」の一つである甲斐岩間駅がある市川三郷町の六郷地区は、ハンコ生産の町と言われていますが、実はそれだけではないのです!
この地区には他にも町の指定無形文化財や文化財そしてギネスの新記録まであるというのだから驚きです。
そんな驚きの多い六郷地区を紹介します。
この記事の目次
山梨県三郷町の指定無形文化財・文化財は 「宮原浅間神社」にあり!
身延線甲斐岩間駅から徒歩約10分の場所にある宮原浅間神社(みやはらあさまじんじゃ)は、安産・子宝・火難除けなどの御利益があるとされていて、古くは「表門神社」「浅間神社」「磐間宮」などと称し、有栖川宮家の祈願所になったほか、1837年には正一位の神階を授けられたと言われています。
境内の案内板に書かれていますが、社殿の中には町指定文化財である1816年に建造された神輿が安置されています。
また、毎年4月に行われる春の例大祭は、岩間・宮原・葛篭沢(つづらさわ)の3地区が1年ごとに各自の方法で行います。
稚児達が神輿を先導し、色鮮やかに装飾された山車が区内を練り歩き、太々神楽(だいだいかぐら)が奉納されます。
この太々神楽こそが町指定無形文化財であり、この地区の伝統芸能として氏子たちの間で口承によって古くから伝えられており、長い歴史を紡いできました。
春に行われる例大祭を見に行ってみたいと思いませんか?
山梨「本定寺」にある町の文化財 324年前に描かれた涅槃図とは?
宮原浅間神社から徒歩約5分歩き、どんと構えているような立派な黒い両部鳥居から真っ直ぐに伸びる坂の先に本定寺の社殿があります。
本定寺には紙本淡彩釈迦涅槃図(しほんたんさいしゃかねはんず)というものが保管されています。
涅槃図は僧の日順が1692年に図絵したもので、拘尸那掲羅(くしながら)の沙羅双樹(さらそうじゅ)の間で入滅された時の光景を描いたものです。
涅槃図は紙本淡彩で、画面の縦2.09m、横幅は1.35mの大きさで、その特色は豊かに流れる尼蓮禅河の上方遙かの雲表に「南無妙法連華経」と記されていること、また、これを挟んで右方に摩耶夫人、左に天女の姿が大きく描かれている点です。
無名の仏画の多い中で、年代と作者の明確な点はまことに貴重だとされて、1983年3月10日に町の文化財に指定されました。
324年も前に描かれたものが現在まで大切に管理されていることに驚きですね。
あなたも町の文化財である涅槃図を通じて324年前の絵画の世界を覗いてみませんか?
山梨県の「市川三郷町印章資料館」 ギネス新記録のハンコ絵とは
身延線甲斐岩間駅から徒歩約5分の位置にあるのは市川三郷町印章資料館です。
印章にまつわる様々な資料である明治時代初期からの印章彫刻に使用した道具類、印章販売に関する注文書・カタログ、そして先人や現代作家の作品等数百点に及ぶ寄贈品・寄託品を展示しています。
世界的にも貴重である、中国・清時代に製本された「十鐘山房印挙(印譜集)」という10部程度しか作られなかった為に骨董価値が非常に高い印譜集が1999年から展示されています。
このような展示物から当時の人々の手彫りから生まれた印章彫刻に込められた思いであったり、技術力の高さを垣間見ることができます。
資料館にはギネス新記録に登録された展示物があるのです。
それは、縦2.8m横3.6mという大きさに富士山と判子が描かれた立派な絵。
しかしこの絵、実は全て判子を押して描いたハンコ絵で、「スタンプ画作りに参加した最多人数」としてギネス新記録に認定されました。
このハンコ絵からは関わった人たちの思いの強さが伝わってくるようです。
ぜひ資料館に足を運び、この感動を味わってみてください。
町の指定無形文化財であったり文化財であったりギネスの新記録であったりと、盛りだくさんの内容で身延エリアの三郷町を紹介しましたが、この地区には紹介しきれなかった場所がまだまだあります。
バスなどの公共交通機関を使っての移動ではなく、自分の足で歩いてみるからこそ発見があり、感じれるものがあるのだと思います。
あなたもぶらり旅、してみませんか?