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御茶ノ水大手町で平安期に活躍した平将門ゆかりの地を巡る文化財の旅

  • 平安時代に名をはせた平将門をご存知でしょうか?
    今回は東京の御茶ノ水地区にある平将門にまつわる歴史的名所を紹介します。

     

    神田明神は江戸の総鎮守 国登録有形文化財の真っ赤な社殿に釘づけ
    <写真01_alt:alt神田明神>

    御茶ノ水駅から約5分歩くと「神田明神」に到着します。

     

    神田明神は730年に真神田臣によって東京都千代田区大手町、現在の将門塚付近に創建されました。

     

     

    その後平将門を葬った墳墓周辺で天変地異が頻発、平将門の神威として人々が恐れため、時宗の遊行僧・真教上人が御霊を慰めました。

     

    時を経て1600年関ケ原の戦いでは、徳川家康が戦勝の祈祷をし見事に天下統一を果たしたことから、江戸幕府の尊崇する神社となりました。

     

     

    今では社殿裏には摂末社がずらりと並び、まさに江戸の総鎮守として現在まで人々に愛されています。

     

     

    <写真02_alt:alt社殿>
    境内中央には、国登録有形文化財の社殿があります。

     

     

    1934年へに竣工し、当時としては画期的な鉄骨鉄筋コンクリートの総朱漆塗の社殿です。

     

     

    真っ赤な社殿はとても立派で目をひく美しさと迫力があります。
    <写真03_alt:alt獅子山>
    また、社殿横には千代田区指定有形民俗文化財の石獅子があり、区内に残る数少ない江戸時代の石造物の一つです。

     

    能の出し物、石橋(しゃっきょう)にちなみ、親獅子が子獅子をたち底に突き落とし、這い上がってきた子をはじめてわが子とするという内容を表しています。

     

     

    このほかにも、ご祭神である石造りとしては日本一の大きさを誇るだいこく様の像や国学の発祥の地など、歴史や文化のつまった神社です。

     

     

    江戸・東京に鎮座し1300年もの歴史を持つ由緒正しき神社に訪れてみてはいかがでしょうか。

     

     

    所在地 : 101-0021 東京都千代田区外神田2丁目16−2

     

    公式HP : 神田明神

     

     

     

    神田明神横の千代田区有形文化財 井政神田の家で江戸の暮らしを学ぶ
    <写真04_alt:alt井政外装>

    神田明神のすぐ隣に井政「神田の家」はあります。

     

     

    正式名称は、「遠藤家旧店舗・住宅主屋」といい、1927年に建設され2009年に千代田区有形文化財に指定されました。

     

     

    現在は「都心の子供たちが日本文化に触れる場所にしたい」との思いで江戸の暮らしを伝える遠藤家の調度品を展示するほか、カフェも運営しています。
    そもそも遠藤家とは江戸幕府が開かれた頃から、神奈川県鎌倉の材木座において幕府や朝廷御用達の材木仲介を営んできました。

     

     

    徳川家康の江戸城築城に際し木材の集荷を命じられ、神田へと移り住みます。

     

     

     

    現在17代を数える歴史ある材木商で 、都心に建つ貴重な木造住宅として大事に保存されています。

     

    大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)・平将門命(たいらのまさかどのみこと)を祀ってきた神田明神ですが、明治時代から平将門は祭神から外されてしまいます。

     

     

    古くからこの町会で商いを続けていた遠藤家は代々 将門塚を守り、平将門の復権に力を注いできました。

     

     

    そして1984年についに平将門の祭神復帰を実現することができました。
    <写真05_alt:alt井政玄関>
    真っ赤な神田明神とは対象に、木造の温かみあるただずまいは古き良き昭和の日本家屋を思い出させます。

     

    戦災や高度経済成長の影響を受け多くの木造建築は失われたなか、昭和初期に建てられたこの井政は大変貴重です。

     

     

    数少ない木造建築の粋とモダンを感じながらる江戸の暮らしに触れ、一息つく場所に最適です。

     

     

    所在地 : 101-0021 東京都千代田区外神田2丁目16 宮本公園内

     

     

    公式HP : 井政

     

     

     

    東京都指定文化財 大手町にある平安期に活躍した平将門を祀る将門塚
    <写真06_alt:alt将門塚看板>

    かつて神田明神がおかれていた場所でもある将門塚は大手町駅からすぐの場所にあり、東京都の文化財に指定されています。

     

     

    神田明神の御祭神である東国の英雄・平将門の首を祀っています。

     

     

    平将門は武士の先駆けとして関東地方の政治改革を行ない、弱きを助け強気を挫くその性格から民衆より篤い信望を受けました。

     

     

    また、政治だけでなく平安時代中頃に大規模な反乱・天慶の乱を起こした人物としても知られています。
    <写真07_alt:alt将門墓>
    平安時代に朝廷に反逆、下総で討死した平将門ですが、ゆかりのある人々が京にさらされた首を、現在の皇居平河門周辺の観音堂そばに埋葬したという説のほかに、平将門の怨念で白光を放ち京から首が飛んできたものを祀った説も伝えられています。

     

     

    13世紀になって首塚は荒廃し、亡霊が大いに怒って江戸の人々は祟られました。

     

     

    その後も幾度となく祟りが起きたため、1307年遊行寺二世真教上人が訪れた、荒れていたた将門塚を修復し、石碑を立て手厚く供養したという伝説が残っています。

     

     

    今では塚は崩され現在の姿に整備されました。

     

     

    都会のオフィス群の中にありながら、ここは幻想的な雰囲気が漂います。

    数ある伝説を残す将門塚へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

     

     

    所在地 : 100-0004 東京都千代田区大手町1-2-1

     

     

     

     

    平安時代に活躍した平将門にまつわる歴史的名所はいかがでしたか。
    歴史上有名な武士ではありますが、まだまだ知られていないことも多くあります。

     

     

    ぜひ文化財にも指定されているゆかりの地を巡り、平安時代に思いを馳せてみてはいかがでしょう。