体も心もリフレッシュ! 温泉街有馬のパワースポット「寺田町」
温泉街として有名な兵庫県有馬。有馬温泉駅から南東へ約10分歩いたところに寺田町があります。寺田町界隈には、お寺が多く点在し、パワースポットとしても知られています。今回は、「有馬三恩人」と呼ばれている行基・仁西・豊臣秀吉のゆかりの地でもある町、寺田町界隈を散策してみましょう。
この記事の目次
行基が建立 重要文化財 「波夷羅大将」によって守られるお寺 温泉寺
有馬温泉駅から約10分歩くと、「温泉寺」に到着します。
温泉寺は724年に行基によって建てられた、とても歴史のあるお寺です。行基は薬師如来の導きから、有馬を訪れました。
薬師如来は有馬を復興するよう行基に告げ、行基は有馬にお堂を建てました。
このお堂には薬師如来が祀られていて、そのお堂が現在の温泉寺なのです。
その後約370年ほど栄えていた有馬ですが、2度の大洪水から壊滅的なダメージを受けました。このような状態の有馬を救ったのが仁西です。仁西は権現のお告げ通り有馬を再興し、行基が建てたお堂の改修もしました。
この2人の恩人を称えて建てられたのが、温泉寺の横にある御祖師庵(みそしあん)です。
ここには行基と仁西の像が祀られていて、この2人の恩人に年が明けて一番に温泉に入っていただくための行事である入初式の様子が人形を用いて紹介されています。
入初式の様子以外にも、絵などの資料から有馬温泉の歴史も学ぶことができるので、是非訪れてみてください。
温泉寺の本堂には薬師如来が祀られています。
この薬師如来周囲の波夷羅大将像(はいらだいしょうぞう)は国の重要文化財に指定されています。金色に輝く薬師如来を守る波夷羅大将。その迫力は息を飲むもので、一見の価値ありです。
所在地 : 651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1643
「寺田町界隈」全体で発見 邪気除け・魔除けの力を持つ鬼瓦とは?
寺田町を歩いていると、多くの鬼瓦を見つけることができます。
鬼瓦とは、邪気除けや魔除けに使われているもので、奈良時代に中国から伝わりました。
日本の古くからある建物の屋根の頂上付近にあります。日本特有の妖怪である鬼。この鬼を建物に設置して味方につけることで、その形相から邪気を追い払ってくれると信じられているのです。
寺田町には邪気除け・魔除けのパワースポットとして、鬼瓦が建物以外にも設置されています。鬼瓦の鬼の顔は様々なので、是非お好みの瓦を探してみてください。
この鬼瓦と共に、「祝聖文」が寺田町には設置されています。
この祝聖文とは、『無量寿経』というお経の一節であり、お祝い事に用いられます。
「仏様の教えが広まれば、平和な世界が待っている」
という教えを説いているこの一節。
お寺が多いエリアだからこそ醸し出せる厳かな空気が漂っています。
有馬最古の建造物 温泉寺 秀吉思いの職人達が込めた皮肉とは?
有馬温泉では最古の建造物である念仏寺。
豊臣秀吉とその正妻ねねの別邸跡と言われていますが、1703年の有馬大火災で焼失し、1711年に再建されました。現存するこの本堂は、その翌年に建てられたものです。
念仏寺は「沙羅樹園」と呼ばれる庭園でも有名です。
ここに樹齢270年の沙羅双樹があります。これは有馬から秀吉の面影を消そうとする徳川幕府に職人が反発し、「平家物語」になぞらえて「栄華を極めた者もいつかは衰退する」ということを暗示していると言われています。
念仏寺の屋根を見上げると、鬼瓦を見つけることができます。
寺田町に鬼瓦が設置されるきっかけとなったのが、この念仏寺です。阪神淡路大震災の後、念仏寺の屋根から落ちてしまった鬼瓦がありました。
ここからヒントを得て、町中に鬼瓦を設置するようになったのです。
その鬼瓦が持つ凄味は、約300年間念仏寺を守り続けたからこそ出せるものだと感じました。
所在地 : 651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1641
「有馬三恩人」である行基・仁西・豊臣秀吉について学ぶことができ、パワースポットでもある「寺田町」。
歴史が残るエリアだからこそ感じることのできる厳粛さがあります。温泉で体を癒した後は、寺田町界隈で心もリフレッシュしませんか?