東京屈指の自然を持つ青梅宿 青梅街道の成り立ちと魅力をご紹介!
東京都青梅市は中央線で新宿から約1時間のところにあり、東京とは思えない豊かな自然や文化財、寺社が多く点在しています。かつては、自然の豊かさを利用した材木や綿織物が盛んで、さらに江戸城築城の際の石灰を運んだことから、青梅街道としても発展しました。今回はそんな青梅宿の歴史を巡る旅を紹介します。
この記事の目次
東京都指定有形民俗文化財「旧稲葉家住宅」で江戸時代の生活を感じる
江戸時代、江戸城の築城のために、青梅の良質な木材、石灰を運搬する道路として「青梅街道」が敷設されました。
それは、甲州裏街道ともよばれ、青梅と奥多摩、甲府盆地をつなぐ近道として多くの旅人が訪れることになります。
さらに江戸時代中期には御嶽山などの信仰が盛んになり、参拝者や行者、旅芸人、行商人が往来し、青梅の町は、宿場町としての性格を深めていったといわれています。
さらに定期的に市が開かれるようになり、織物の売買も行われ、青梅市は商人と町としてもにぎわいました。
JR青梅線青梅駅から約15分の場所に旧稲葉家住宅があります。稲葉家は江戸時代に青梅宿の町年寄という役職を務めていた家柄で、有数の豪商として栄えました。
街道沿いに土蔵造りの主屋、棟割長屋が並んでおり、井戸や土蔵もあります。土蔵は通りからも立派に見えるほどで、迫力を感じます。
主屋の表部分は店舗として広く親しまれ、奥が生活の場となっていました。
ちなみに稲葉家の主屋が軒の低い登り梁の形式であることから、この地で一番古く造られた住宅と考えられていて、江戸時代後期のものだそうです。
土蔵は1886年頃の建築であると考えられていて、そのほかの棟割長屋などはそれ以降に作られたと言われています。
休館日は月曜日(祝祭日の場合は公開し、翌平日が休館日になります)、年末年始。無料で参観できるので、是非お立ち寄りください。
所在地 : 東京都青梅市森下町499
東京都指定有形文化財の表門が美しい 青梅に大変縁の深い金剛寺
旧稲葉家住宅よりさらに5分程度のところにあるのが東京都の有形文化財に指定されている「金剛寺」の表門です。
とても趣があり美しさを感じます。
金剛寺は承平天慶の乱でよく知られる平将門創立とされていて、この表門は江戸時代の火災で唯一焼失を免れたものです。
明治時代に場所が移動され、一部屋根などが改変されていますが、昔の形をよく保っているようです。
また青梅という地名になったきっかけの梅の木が金剛寺にあると言われています。
金剛寺の梅は平将門が植えたものとされていて、季節が過ぎても実が熟さないことから「青梅」(あおうめ)と呼ばれるようになり、これが現在の青梅という地名につながったそうです。
こちらの梅は東京都の天然記念物に指定されていますが、平将門は平安時代の人物であり、現在は木は老衰しているそうです。
所在地 : 198-0087 東京都青梅市天ヶ瀬町
青梅市指定天然記念物もある 駅からすぐの梅岩寺に足を運んでみよう
JR青梅線青梅駅から歩いて約5分のところにあるの梅岩寺。天然記念物に指定されているしだれ桜を鑑賞できます。
金剛寺にあるしだれ桜と姉妹樹であると言われていて、関東地方でも代表的な名桜と言われるほど美しさを保っています。
しだれ桜は桜の代表種である江戸彼岸という種類で、各地に名木が多いとされている、桜のなかでも美しい種類のものです。
見上げた桜は、借景の山が桜の色を引き立て、上から見下ろした桜は町に溶け込み、夕暮れ時には哀愁感じさせる景色に変えます。
梅岩寺は真言宗なので弘法大師の銅像が本殿の左前にあります。
この桜だけでも見にくる価値はあります。歴史旅の一つとして天然記念物を堪能ください。
所在地 : 198-0082 東京都青梅市仲町235
青梅駅周辺の歴史的建造物に神社、天然記念物を紹介しましたがいかがでしたか。歴史好きの方には魅力的な文化財や寺社など、青梅にはたくさんの名所があります。他にも昭和を感じさせる映画看板や商店街があったりと、一日だけではもったいないくらいの歴史溢れる青梅の歴史旅をしに是非訪れてみてください。