大和三山の畝傍山に見守られながら橿原の歴史散策 神宮神社3選
大阪から約1時間強でたどり着く橿原市には大和三山最大の山である「畝傍山」(うねびやま)があります。畝傍山周辺には、初代天皇が祀られた橿原神宮や、歴史的風土保存地区にある畝傍山口神社や逸話の多い久米寺などがあります。そんな歴史ある自然と名所が点在する橿原市を紹介します。
この記事の目次
日本書紀を基に建てられた橿原神宮の素晴らしさを体感してみては?
橿原神宮前駅から約5分歩くと「橿原神宮」に到着します。
まず南手水舎で心身を清めた後に、南神門をくぐり先へ進むと、広大な敷地と大和三山の中で最も高い山である「畝傍山」を背景に、 両脇に長い廻廊を連ねている「外拝殿」があります。
お参りで訪れた方は、そのあまりの美しさと豪壮さをうかがうことができるでしょう。
外拝殿は1939年の建物で、当時の神社建築の様子も楽しむことができます。 そんな外拝殿の石階段を上ると、正面の奥に内拝殿が見ることができます。 その屋根越しに「幣殿」の屋根にある金色の千木・鰹木が輝いています。
外拝殿から両側に長く伸びた廻廊の内側の様子を見ることができます。 ここには長い廻廊に囲まれた外院斉庭があり、なんと970坪の広さがあります。 お正月や紀元祭りにはここも多くの参列者で埋めつくされるそうです。 しかし、普段は立ち入ることができないので、重要文化財の「本殿」や「幣殿」を見ることはできません。 近くで見たい方は紀元祭の2月11日に訪れることをおすすめします。
聖徳太子の弟や今昔物語など多くの逸話が残るお寺「久米寺」は必見!
次は、橿原神宮の一の鳥居から南へと5分程歩くと見えてくる「久米寺」(くめでら)を訪ねました。
橿原神宮から久米寺に向かうと、橿原神宮側の裏門があるのですがそこは踏切を渡るので、行かれる際はお気をつけください。 聖徳太子の弟「来目皇子」が開基とされています。今昔物語にも出てくる「久米仙人」による開基という逸話もあります。
また、弘法大使の宝塔内で大日経を感得したという逸話も残されており、「真言宗発祥の地」と名乗っていたり逸話の多いお寺です。
そんな久米寺には、重要文化財である「多宝塔」があります。昔に多宝塔が焼失してしまった為、現在私たちが目にしているのは京都仁和寺の旧塔を移築したものです。それでも建立の年代は江戸時代初期だそうです。 そんな昔からの塔が今も綺麗な状態で大切に保持されており、歴史の長さを感じることができます。下から見上げる多宝塔は圧巻です!
久米寺の「本堂」は江戸時代に再建されたものです。 ご本尊は眼病で来目皇子が「薬師如来」に祈願し平癒したとされた、「薬師如来坐像」がいらっしゃいます。
また境内の奥には黄金の輝きを放つ、大日如来像がいらっしゃいます。 ちなみにこの手の形は、最高の悟りを意味する智挙印です。
こんなに綺麗な金色の像はなかなか他では見れないのでぜひ実際に足を運んでみてください。
歴史的風土保存地区に建つ畝傍山口神社で変わらぬ景色に思いを馳せて
続いて訪れたのは橿原神宮から徒歩約35分のところにある「畝傍山口神社」(うねびやまぐちじんじゃ)です。 元々は橿原神宮や神武天皇陵を見下ろす位置にあったのですが、 見下ろすのは良くないということで現在の位置になったそうです。
そんな畝傍山口神社の周辺地区は「歴史的風土 畝傍山 特別保存地区」に指定されており、大和三山の一つである畝傍山を背景に民家や田畑に囲まれたのどかな風景が広がる場所です。
いよいよ畝傍山口神社ですが、周囲のどかな雰囲気とは異なり、静寂で厳かな空気に包まれています。安産の守り神として信仰を集めている為、安産祈願で訪れる方が多いそうですが、交通祈願のご利益もあるので、祈願しにも訪れる方もいらっしゃるそうです。
橿原神宮から近いので、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
日本書紀を基に建設された橿原神宮や、その周辺にある逸話の多い久米寺や歴史的風土が残るエリアに建つ畝傍山口神社などがある奈良県橿原市。
そんな橿原市で昔から変わらぬ風情溢れる景色に思いを馳せてみてはいかがでしょうか…?