ほっと一息 下諏訪・上諏訪にある癒しの温泉 歴史や伝説をご紹介
長野県の上諏訪駅のホーム内に足湯があることをご存知ですか?この足湯は電車の待ち時間などちょっとした時間に利用できます。今回は、そんな湯量の豊富な下諏訪・上諏訪のおすすめの温泉を紹介します。
この記事の目次
大通りから外れた静かで落ち着く空間 御柱神湯は人々の交流の場
JR中央本線下諏訪駅下車して中山道を約15分歩いたところ、観光協会の近くに「御柱神湯」があります。御柱のモニュメントからお湯が湧き出ていて、無料のタオルも用意されているので、タオルを忘れても安心です。少し大通りを外れた道にあるので静かで落ち着いた雰囲気がありゆっくりとお湯に浸かっていれます。15人ほどが座れる大きさで、地元の人や観光客など幅広い人々の交流の場となっています。
下諏訪の源泉は20ヶ所、湧湯量は5100リットル。湯量の豊富なこの町には、気軽に入れる無料の足湯や湧き湯があちこちにあります。下諏訪駅付近には、御柱神湯だけでなく、食祭館にある神の湯和楽、化粧の湯などの足湯があります。観光協会でもらえる街のパンフレットにそれぞれの足湯の場所が書いてあるので、自分の疲れたタイミングでお近くの足湯を利用してみてはいかがでしょうか。街歩きの疲れがとれますよ。
そして、諏訪大社秋宮には御神湯があり、その湯口は、竜神伝説にちなんで竜の口になっています。竜の口から流れる少し集めの天然温泉は、「長寿湯」とも言われており、ご利益があるのでぜひ立ち寄ってみてください。
神様が上社から下社へ 下諏訪温泉の始まりは湯が湧き出る不思議な綿
神の湯として親しまれてきた下諏訪温泉には、神話に彩られた由来があります。今回は日本三古湯として有名な「綿の湯」の伝説を紹介します。
中山道随一の温泉宿場町であった下諏訪温泉は、この「綿の湯」を中心として温泉協同浴場が多く存在しています。
諏訪大社御祭神の建御名方神(たけみなかたのかみ)の妃神である八坂刀売神(やさかとめのかみ)が、諏訪大社上社から下社へ渡ってくる際に上社に湧き出るお湯を化粧用の綿に浸したものをここに置くとそこから湯が湧き出し、それが下諏訪温泉の始まりとして伝えられています。そして、この神聖な「神の湯」は、心の汚れたものが入ると神の怒りに触れて湯口が濁るといわれています。
現在は、「有泉ハウス児湯」で綿の湯源泉の温泉に入浴することができます。
温泉によって由来や逸話、そして源泉の効能は様々です。江戸時代中期以前から街道を行き交う旅人たちに親しまれ、多くの人々を癒してきた歴史ある温泉が現存する町、下諏訪。是非、効能やご利益などを知った上で温泉を楽しんでみてください。
国指定の重要文化財の「片倉館」 ロマン漂う西洋建築と千人風呂
JR中央本線下諏訪駅から電車に乗って一駅の上諏訪駅西口を出発して徒歩約10分。素敵な外観の「片倉館」があります。
片倉館は、国の重要文化財に指定されている温泉施設です。1929年に設立されました。1873年に岡谷で製糸業を興した片倉組の中で、後にシルクエンペラーと称された二代片倉兼太郎は、大正末期にヨーロッパ、北米などの地域住民への福祉施設を自身の目で見て感銘し、諏訪にも地域住民たちの集う充実した施設を作りたいと考え、片倉館を建設しました。
千人風呂とは、昭和の初期に建造され引き継がれたロマン漂う天然大浴場です。大理石造りの浴槽は一度に100人が入れる大浴場です。深めの浴槽となっているので、立ったまま入るという一味違った入浴方法です。ステンドグラスや周囲の彫刻、装飾も独特の雰囲気があります。和風とは異なる、異国感を感じることができます。
片倉館は、80年以上の年月が過ぎた今も価値ある存在です。温泉の隣にある1928年に建てられた会館棟は、事前に予約をするとガイド付きで見学をすることができ、建物の歴史をより詳しく知ることができます。
江戸時代の町並みにある神様の力が起源とされる下諏訪の温泉。打って変わって、昭和に建てられたロマンあふれる西洋建築の千人風呂がある上諏訪。下諏訪と上諏訪で温泉に入ると、また違った感覚で楽しむことができます。上諏訪・下諏訪にきたら、ぜひいろんな温泉を体験してみませんか。