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文化財の宝庫「佐原」まるで時代劇の中にいるかの様な美しい町並み

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    今尚かつての繁栄を思い浮かばせる町並みが残る、千葉県佐原(さわら)。
    歴史的景観をよく残していることから、関東地方で始めて「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
    この地は昔、商業の町として大変賑わいを見せていたといいます。
    佐原には、昔からの家業を引き継ぎ、今も営業を続けている商家が多くあります。
    ここでは商都として、今も生き続ける佐原の町並みを紹介します。

     

     

     

    県有形文化財「正文堂」 黒漆喰の壁の中に明治三筆の書を持つ書店

     

     

    佐原へは飛行機を利用すると便利です。
    成田空港から京成本線に乗り、京成成田でJRに乗り換えてJR佐原駅まで向かいます。
    電車に乗ること約38分で到着しました。
    新幹線をご利用の方は、JR東京駅からはJR千葉駅で乗り換えてJR佐原駅へと向かい約1時間43分ほどでJR佐原駅に着きます。

     

     

    01_sawara佐原駅

     

     

    佐原駅から約10分ほど歩くと、香取街道沿いに、まるで映画の舞台の中に迷い込んだかのような味わいある建物が建ち並んでいます。

     

     

     

    <02_sawara:街道沿いの建物群ポスト>

     

     

    香取街道沿いは、江戸から明治、大正、昭和の初め頃にかけて、舟で運ばれた本、着物、砂糖、塩などを売るお店や食べ物屋が立ち並ぶようになりました。
    佐原に来れば、このあたりでは中々手に入らない珍しいものが手に入るといって、近くの村から人々がたくさん集まったのだそうです。

     

     

    <02_sawara:街道沿いの建物群ポスト>

     

     

     

    <04_sawara:重厚な店構えの正文堂>

     

     

    町を歩いていくと特に目を引いたのが、黒漆喰(くろじっくい)の壁に重厚な店構えの「正文堂」です。堂々とした立派な佇まいが見るものを圧倒させます。正文堂は1880年に書店として建てられた建造物で黒塗り土蔵造りの店蔵の形式を今に伝える歴史的建物です。その貴重さから、千葉県の有形文化財に指定されています。

     

     

     

    <02_sawara:立派な観音開きの戸と「正文堂」の文字>

     

     

    正文堂の2階の窓は土塗の開き戸、さらに横引きの土戸に板戸と、三重に防火設備を伏した土蔵造りとなっています。

    看板の「正文堂」の文字は、1896年のもので、巌谷(いわや)修の書だといいます。

    巌谷修は、明治元年に新政府の官吏となり、内閣大書記官、元老院議官などを歴任しました。

    能書家としても知られ、明治三筆の一人と称されています。そのような人物の書がもらえるということは、かつてそれほど隆盛を極めていたことが伺えます。

     

     

     

    所在地:「正文堂」千葉県香取市佐原イ503

    公式HP : さわら十三里屋

     

     

     

     

     

    江戸時代創業「中村屋乾物店」 佐原の町並みで目を引く威ある店構え

     

     

     

    佐原は幾度も大火に見舞われていて、特に明治時代の1892年の火災は大きく、多くの家屋を失いました。
    この頃から先ほどの正文堂の三重の土蔵造りのように防火を意識した土蔵造りや厚塗りの壁の建築が多く見られるようになりました。

     

     

     

     

    <06_sawara:重厚な造りの「中村屋乾物店」>

     

     

     

     

    正文堂から橋を渡ってすぐの香取街道沿いにあるのが、「中村屋乾物店」です。
    中村屋は江戸時代の創業以来の乾物商です。
    中村屋乾物店はその大火直後の建築のため、当時最高の技術を駆使したといわれる防火構造となっています。
    その壁の厚さはなんと1尺5寸、約45㎝もあるといいます。完成には2年以上の歳月がかかったそうです。

     

     

     

     

     

     

    <07_sawara:看板が特徴の土戸>

     

     

    2階の観音開きの土戸をよく見てみると、「勝男節」「祝儀道具」などと書かれた木彫りの看板がはめ込まれています。

     

     

     

    佐原
    看板の力強い字体に分厚い黒壁、威厳を感じさせる建築となっています。

     

    所在地 : 287-0003 千葉県香取市佐原イ

     

     

    公式HP : 中村屋乾物店

     

     

     

     

    モダンな雰囲気漂う「三菱館」 佐原町並みの中に生き続ける洋風建築

     

     

     

    <08_sawara:レンガ造りの三菱館>

     

     

     

    中村乾物店を出て右に歩くと、ひときわ目立つ赤レンガ造りの純洋風の建築が1軒建っています。

    こちらの「三菱館」は、旧川崎銀行佐原支店として1914年に建てられました。
    イギリスより輸入されたレンガによって積み上げられた洋館で、明治の西洋建築の流れをくむ造りとなっています。

     

     

     

     

    <09_sawara:建物正面の隅に設けられているドーム>

     

     

     

    屋根は木骨・銅板葺で、一部にドームをあしらっています。

    建物の規模は小さいながらも、周りの日本家屋や蔵造の建物とはまた異なった、モダンな雰囲気が存在感を放っています。
    かといって主張しすぎず、不思議と周りの町並みと調和しています。

    日本橋にある本店と同時に開業されたことからも、当時の佐原が商業の町として栄えていたことが偲ばれます。

     

     

    所在地 : 287-0003 千葉県香取市佐原イ1903

     

     

     

     

    時を経た今でも、商業の町として繁栄し面影が残る町、佐原。佐原の町には、江戸時代から昭和初期にわたる、各時代の歴史的な土蔵・木造町家・洋風建築が混在しています。
    そして今回紹介した建物は全て、千葉県の有形文化財に指定されています。
    佐原に来た際は是非、当時の隆盛を極めた町の様子を想像しながら旅してみてはいかがでしょうか。

     

     

     

     

     

     

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