藤子不二雄Ⓐの地元 裏通りに入ると町屋と寺院が混在する町氷見
富山県の「氷見の寒ブリ」に聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか？
この氷見市は古くから漁師町として栄え、特にブリは築地でも最高値をマークした一級品です。今回は海と生きる街の文化に触れながら、のんびりと氷見を散策しましょう。
この記事の目次
400年もの漁村文化を誇る氷見 駅の一風変わったブリ瓦が語るのは
JR氷見線は、富山県の高岡駅と能登半島の付け根に位置する氷見駅を結ぶ全長16.5キロメートルの路線。その氷見線の終着点がこの氷見駅です。氷見といえば「海の街」だと、出会った地元の方々からはそう返事が返ってきます。
氷見市は江戸時代、加賀藩の領地で、漁業が盛んな氷見のぶりや干物など、多くの魚介が献上品として加賀藩主に愛されました。特にブリ漁の歴史は古く、およそ400年にもわたります。その当時から氷見のブリ、いや、「越中ブリ」は天下に名をあげていたそうです。
富山県唯一の漁港を持つ氷見。海に愛し愛される地元の方々の心が詰まる駅のつくりは目を引きます。注目してほしいのはブリをかたどった雪割瓦です。ブリがクロスしたデザインは個性的。日本中探してもここでしか見られないのではないでしょうか。氷見の漁村文化を発信したいという思いから誕生したそうです。電車で氷見にいらっしゃった際には、是非駅の造りにも注目してみてくださいね。
氷見は藤子不二雄Aの郷 レトロとアートが共存する「まんがロード」
古き木造の家々の街並みを楽しみながら、氷見駅から歩くこと約10分でどこか懐かしき、氷見中央商店街にたどり着きます。市民生活に根付く商店街を歩けば、その町の特徴を知ることができます。こちらの商店街には干物専門店やお寿司屋さん、魚屋さんなど魚介に関するお店が数多く並んでいます。
商店街の裏へ入ると神社や寺院、古い町屋が立ち並び、商店街とは異なる風情が楽しめます。商店街から徒歩5分圏内に港があるのも加賀藩ゆかりの「海の郷氷見」ならではの景色です。誰かとすれ違う度に挨拶や世間話を交わし合う、そんな人と人との結びつきが見られる古き良き風情を感じます。
そんな商店街最大の魅力は、立ち並ぶたくさんのモニュメントです。その前を通り過ぎる度に魚や忍者ハットリくんの像たちが生きているかのように話しかけてきます。
氷見は日本漫画界の巨匠、藤子不二雄A先生の故郷でもあり、藤子不二雄Ⓐ先生はこの絆深き商店街で生まれ育ちました。先生の郷土愛もまた深く、氷見をテーマにした漫画や、富山湾の魚をイメージした名作を生み出しており、それらは商店街のいたる所で見つかります。先生の生家でもある、650年の歴史誇る加賀藩ゆかりの光禅寺や、先生の漫画を集めた氷見市潮風ギャラリーにも立ち寄ってみるのもおすすめです。ひとの絆を感じながら、レトロな街並み散策をお楽しみください。
漁師町氷見の海鮮丼は一味違う！「万葉」はお腹と心を満たす癒しの場
氷見中央商店街の「潮風通り」の中で地元の方がすすめてくれたのが割烹・寿司「万葉」です。店内はカウンター六席にテーブル二席で夫婦で営んでいます。
万葉のおすすめメニューはマグロ、アジ、甘海老、ふくらぎなど十種の氷見漁港で獲れたての、地物ネタを寿司飯の上にドンと乗せた海鮮丼です。ネタは新鮮で、魚本来の味がとても濃く、歯ごたえと共に楽しんでいただけます。特にふくらぎは氷見で獲れた天然物でたいへん豪華です。また一切れで口がいっぱいになるほど肉厚、一口でも大満足の逸品です。
創業50年の万葉は、とても居心地が良く通いたくなるお店なので地元の方に愛される理由も納得です。気さくなお母さんと温和なお父さんが温かく家族のように接してくださいます。愛情たっぷりのお食事は旅の思い出に残ること間違いなしです。氷見歩きの途中、お食事はもちろんお二人との会話を楽しみに是非お立ち寄りください。
どこを歩いても潮の香りが広がり、カモメの鳴き声が響く町。誰に聞いても「氷見の宝は海」と返ってくる、市民の心。石川県氷見市は誰もが温
かく、人情溢れる漁師町でした。日常の喧騒から離れ、どこか時がゆっくりと流れる、この地での氷見歩きはいかがでしょうか。よろしければ心
の休息に、大切な人と一緒にこの癒しの里へお越しください。
