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加賀藩ゆかりの氷見を巡るおすすめスポット 秘密にしたい厳選地3選

  • 石川県氷見は江戸時代に徳川家を脅かした加賀百万石で知られる加賀藩が参勤交代で毎年訪れた地でもあります。そんな氷見には加賀藩の足跡が至る所に残っています。今回はその痕跡を追いながら、氷見の歴史旅を紹介します。

     

    加賀藩ゆかりの光久寺 氷見の宝!1200年を紡ぐ茶庭の絶景

    氷見駅から国道76号線を南へ車で約15分進むと、昔懐かしい木造の民家を抜けたところに1200年以上の歴史を持つ真宗大谷派の古刹「光久寺」が見えてきます。
    <01_alt:風格漂う静寂の寺院、光久寺の入り口>
    光久寺は645年から650年頃に創建され、当時は今よりずっと山奥の「仏生寺吉池」の地にひっそりとあったと言われています。その後浄土真宗の開祖、親鸞聖人に出会いこのお寺の運命は変わりました。1342年、後鳥羽上皇により流罪を受け、越中に流された親鸞聖人が、三日三夜御逗留にこの地を訪れたことがきっかけで光久寺は浄土真宗へ改宗しました。その後氷見南部の領主であった狩野氏の帰依を受け今の地へ移りました。
    これは寺伝として受け継がれ、文書には残っていない生きた歴史で、語ってくださった優しい住職さんは南北朝から数えて25代目だそうです。時を超えた人の繋がりは、やはり偉大です。

    <02_alt:光久寺の美しき茶庭と灯篭のともる回廊>
    光久寺の茶庭は県指定名勝としても評判です。江戸時代に兼六園の作庭にも携わった加賀藩御用造園師の作庭とされ、石組と植栽の妙趣は思わずため息をついてしまうほどに美しいです。100年以上経つ回廊は歩くたびにギシっと木の音が鳴り、古き木造特有の薫りがぶわっと広がります。

    <03_alt:光久寺の金がまぶしき本堂内>
    情緒溢れる緑と共に語り継がれる歴史に触れると、自分の心まで洗われるようでした。本堂の金色に輝く仏様や大黒柱、さらには茶室など見どころは盛りだくさんです。歴史深き光久寺、時の流れを忘れゆったりと巡ることをおすすめします。

     

    商店街に溶け込む600年の歴史 氷見市民に根付く「光禅寺」へ

    JR氷見駅から歩いて15分で、昭和レトロな商店街に到着します。
    <04_alt:どこか懐かしき光禅寺>
    そんな商店街の中ほどにある橋を越え、「光禅寺」の看板に従って商店街から折れて少し入ったところに溶け込む、どこかほっとしてしまうお寺は光禅寺です。こちらのお寺は700年以上の歴史を持つ、曹洞宗の由緒正しきお寺です。江戸時代には、百万石の領地を要した加賀藩前田家の祈祷所でもあったようで、氷見でも指折りの加賀藩ゆかりの地として大切にされています。中に入れば、受け継がれてきた初代加賀藩主前田利家の画像一幅も見ることができるそうです。

    光禅寺にはもう一つ、見逃せないポイントがあります。
    <05_alt:歴史深きお寺に構える現代風のモニュメント>
    立派な山門をくぐった先に飛び込んでくるの現代風のモニュメント、こちらに見覚えがある方も多いのではないでしょうか?左から忍者ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿、笑ゥせぇるすまん。実は光禅寺は漫画家藤子不二雄Aさんの生家でもあるのです。私が立ち寄った際には、ちょうど学校終わりだったのか近所の小学生が像の周りで遊んでいました。

    こちらのお寺は歴史深き寺院であると同時に、長年この町の人々と共に生きてきたお寺でもありました。近所の子供たちが遊びにきたり、市民の散歩コースになっていたりと、どこか懐かしさを感じてしまう不思議な空間が広がっています。是非、光禅寺へ歴史と懐かしさを味わいにお立ち寄りください。

     

    戦国時代大活躍 断崖絶壁の自然要塞 氷見の「阿尾城跡」に迫る

    <06_alt:阿尾城跡登り口は社をくぐる所から>
    光禅寺からさらに北へ車で約10分走り、狭い路地を抜けると阿尾城跡に到着します。入り口には社がありました。築城は15世紀後半で能登への街道と海上交通の要衝、まさに陸と海を支配する最強の要塞です。戦国時代には、この百戦練磨の山城をめぐり幾度となく争いが繰り広げられました。
    1585年の阿尾の戦い(氷見合戦)で初代加賀藩主、前田利家はついにこの城を手に入れます。実はほとんど犠牲の出なかったこの戦い。利家公は一年にもわたる和睦交渉の末、城主から明け渡しに成功したのだとか。それ以降は有名マンガでも知られる前田慶次郎が、この城を任され連戦連勝し、氷見の地を守り抜きました。
    <07_alt:絶壁が作り出す絶景>
    独特の風景が広がるこの阿尾城跡は、氷見指折りの絶景としても知られています。広い広い日本海に突き出る断崖絶壁。海の青に樹木の緑が良く映え、目を見張る美しさがありました。
    <08_alt:至る所で見つかる灯明は昼でも陽が差し込むと神秘的>
    標高40メートルほどのこちらの山城には至る所に社や灯明が見つかり、山全体にピーンと張り詰めた空気が漂います。歌人、大伴家持もこの荘厳の地を訪ね、歌を残したようです。

    「英遠(あお)の裏に 寄する白波 いや増しに 立ちしき寄せく 東風()をいたみかも」

    家持も詠んだ、白波の美しさ、潮の香、強い潮風に身を任せながら夕日を眺めに行くのはいかがでしょう。美しい風景と歴史を学びに、ぜひ訪ねてみてくださいね。
    石川県氷見の歴史は知れば知るほどに奥深いです。歴史的名所を熟知しているからこそ、氷見の魅力にも気づくのではないでしょうか。是非、一歩踏み込んだ歴史旅を氷見でお楽しみください。