見どころ満載 江戸時代から鎮座する日本最古の神社 諏訪大社へ
長野県の諏訪大社は、諏訪盆地の中心の諏訪湖の南北に2社ずつ、4箇所に鎮座しており、それぞれ神秘的でありながら異なった雰囲気をまとっています。今回は、下諏訪駅周辺にある春宮と秋宮を巡りながら、途中にある諏訪湖の絶景ポイントや趣ある古民家の休憩所を紹介します。
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自然と静寂に包まれた空間 江戸時代の大隈流の建造物 下社春宮
JR中央本線下諏訪駅から中山道を左に進み、大きな鳥居を右手に進んで北西方面へ約20分。道路の中央に突如現れるのが、「下馬橋」です。昔、ここを通って春宮に参拝する際、どんな身分の高い人も駕籠や馬から降りなければなりませんでした。下社で最も古い建造物とされ、下諏訪町指定文化財に指定されています。
「下馬橋」の奥に見えてくるのが「諏訪大社下社春宮」です。春宮は大隈流の建造物で、幣拝殿・片拝殿は国の重要文化財となっています。春宮の幣拝殿は大隈流の柴宮長左衛門の手により1780年に完成しました。細部に施された彫刻は非常に見事で美しく、見入ってしまいます。諏訪大社には本殿とよばれる建物がなく、下社春宮では杉の木を御神体としています。
春宮入口の鳥居から「神楽殿」へ向かう石畳の中に一つだけ丸い穴がたくさん空いた石があります。ここにたまった水をイボにつけると治ると言割れていますのでぜひお試しください。森林に囲まれ、静かで厳かな雰囲気を醸し出す下社春宮。周辺に万治の石仏や砥川の川中にある、どんな大水がでても流れないと言われる浮島もあるのでぜひ足を運んでみてください。
諏訪湖の絶景スポット発見 国の有形文化財「伏見屋邸」ですこし休憩
春宮を出て左に進み坂を登り、中山道にでるところに見晴らしの良い諏訪湖の絶景スポットがあります。是非旅の想い出に撮影しましょう。
そのまま中山道を進んだところにあるのが2013年に国の有形文化財に登録された古民家「伏見屋邸」です。伏見屋邸は1864年建築と推定される木造二階建ての建物で、屋内に通り庭を設けた江戸時代の民家の形式を残し、入口に大戸を設け、「上見世」・「下見世」の商い空間を有した特徴があります。1873年に中村平助が下諏訪で最初の器械製糸を創業し、その後生糸商をはじめ、呉服・太物・洋物・荒物・飲料・煙草・畳表 などを扱う商売、質屋も営みました。復元修理し、現在ではまち歩きを楽しむ観光客の休憩や住民の交流の場として開設されました。
伏見屋邸のくぐり戸を通り中に入ると、どこか懐かしさを感じさせるような空間が広がっています。地元のボランティアの方がお茶や漬物を出してくれたり、お話を伺うことができます。伏見屋邸の歴史を通して地元の方に根付く文化も知れる、そんな素敵な休憩所となっています。
建造物の存在感に圧巻 立川父子の彫刻の調和が美しい 下社秋宮
下社秋宮の幣拝殿と神楽殿は、立川流の建造物で、まわりその他に彫刻が多く華麗であるのは当時の流行りであったそうです。最初に訪れた春宮の建造物の彫刻とは、また違った印象を受けることでしょう。幣拝殿と神楽殿、どちらも国の重要文化財に指定されています。御神体の「イチイの木」は幣拝殿の奥にそびえています。
鳥居を入ってまず目に付く正面の大きな木は根入の杉と呼ばれる樹令は約800年の御神木、日本最大の青銅製の狛犬、日本一長い大注連縄、そして日本国民の永久の幸せを祈る国歌「君が代」に登場するさざれ石など、下社秋宮は見どころ満載です。ちなみに根入の杉は「寝入杉」とも呼ばれていて、この杉の木の葉を枕にいれると安眠できるといわれていたり、本殿の横にある白松の3本束になった葉を財布に入れるとお金が溜まると言ったような伝説があります。
社秋宮にある神楽殿は、中央の開けた空間にあるので、晴れている時であれば森林と空と一緒に色鮮やかな写真を撮ることができます。
諏訪大社だけでなく街並みや景色も楽しめるのが、この下諏訪です。自然の豊かさや壮大さが身に染みることでしょう。秋宮・春宮のどちらか一つへ参拝される場合、神様が遷座する時期に合わせて、8~1月は秋宮へ、2~7月は春宮がおすすめです。