兵庫県龍野に残りし江戸の町並み 第六感で楽しむ「播磨」の小京都
姫路駅からたった2両のワンマン列車に乗り、「本竜野」へ。駅を出て揖保川に向かって歩いて行くと、どこからか大豆の香りがしてきます。
揖保川にかかる龍野橋を越えると、そこには駅前とは違った古い町並み、城下町が広がっています。「播磨の小京都」とも呼ばれる龍野の町に隠された魅力をご紹介します。
この記事の目次
江戸の町割りが残る龍野。「龍北工房」で歴史と文化を繋ぐ若き担い手
揖保川を越えた先に広がる街並みは、江戸時代の町割りがそのまま残っているのだそうです。
昔ながらの和菓子店が並ぶ中に、2016年9月にオープンしたばかりというお店が。
この龍北工房では、高校生の柔軟な発想を取り入れたオリジナルメニューがいただけます。
発案は高校生、しかし味はもちろんプロ品質。老舗では見られない、他とは一風変わった商品がたくさんあります。
温かな雰囲気の店内でパッと目を引く美しい坪庭を眺めながら、
龍野の特産品である揖保乃糸やうすくち醤油を使ったメニューを気軽にいただけます。
また、ここではうすくち醤油饅頭の手作り体験をすることができます。
自分で作った蒸したてのお饅頭の味、それはきっと格別に違いないですね!
500年の時をこえた日本の美に触れる。赤松村秀が築いた龍野城
立派にそびえ立つ石垣と、きれいな白壁に囲まれた龍野城。
門をくぐり、大きな階段を上ると、美しい庭園が目の前に広がります。
場内の本丸御殿は無料で見学可能であり、厳かな空気を感じることができます。
ひとつひとつの部屋、また本丸御殿内にある小さな庭からも日本の美しさが感じられ、見どころのひとつとなっています。
本丸御殿西側の奥には、龍野古城へと続く登山口があります。
時間と体力に余裕のある方は、挑戦してみる価値があるのではないでしょうか?
龍野城すぐ!霞亭にゅうめんは揖保乃糸など名物が詰まった贅沢な一品
龍野城のすぐ近くに位置する、そうめん処 霞亭。
ここでいただく「霞亭にゅうめん」には、龍野の名物がぎゅっと詰まっています。
注文を受けてからゆで上げる揖保乃糸、うすくち醤油で作られた出汁、
御津黒崎綾部山の青梅「玉英」から作られた甘酸っぱい梅干し、そして、たくさんの具材。
温かみのある空間でいただく、温かいご主人と奥さんが作った温かいにゅうめん、絶品です。
デザートには、一風変わったアイスクリームや、飲む点滴と言われる甘酒がおすすめです!
見ずして帰れないおすすめスポット!野見宿禰墓からの景色は必見
見ずして帰れないスポットとは、龍野神社、聚遠亭(しゅうえんてい)、野見宿禰(のみのすくね)の墓の3つです。まず、龍野神社。長い階段が続いた先に、木々に囲まれた神社があります。町から少し離れた場所に位置するため、耳に入ってくるのは手水舎の水の音と、鳥のさえずりのみ。身も心も清められるような気がします。
龍野神社の隣にあるのが、聚遠亭。
建物と池と庭。思わず「美しい」とつぶやいてしまいます。
休日はお茶席を設けているそうなので、ぜひお立ち寄りください。
龍野神社、聚遠亭からもう少し山の中を登り、石積みの長い長い階段を上った先に、野見宿禰の墓があります。
この墓を建てるため、人々が野に立ち石を運んだ様子が、地名の由来になったと言われています。
野見宿禰の墓の前からの景色は絶景中の絶景!龍野の町全体、瀬戸内海まで見渡すことができます。
赤とんぼ三木露風の生誕地。童謡の小径を歩けば蘇る童心、感じる魅力
童謡「赤とんぼ」の作詞者 三木露風の生誕地である龍野。龍野公園に、赤とんぼの歌碑と三木露風像がありました。
また、それとは別に、白鷺山に童謡の小径があります。
それぞれ、歌碑の前に立つと童謡のメロディが流れるようになっており、懐かしさを感じることができます。
懐かしいメロディから、ふっとよみがえる想い出が人それぞれあるのではないでしょうか。
「これはこんな曲でね」「子どもの頃、この曲を聞いて育ったんだよ」お子さん、お孫さんとの会話も弾みそうですね。
道は決して平坦ではないですが、小径半ばにある展望台からの景色は、これがまた絶景。
童心を忘れかけていませんか?取り戻しに行きませんか?
龍野の町並みや建物、町の至るところから龍野の魅力が感じられます。
観光都市として生まれ変わりつつはあるものの、大きな都市とは違った、良い意味での静けさがあります。
龍野にはたくさんの名産品があり、そしてそれを現在も守り続けています。
町に一歩足を踏み入れれば、五感だけでなく、第六感で楽しむことがきっとできるはずです。
自分の目で見て、耳で聞き、香りを感じ、味わい、肌で感じたこと、心で感じたことを
きっと誰かに伝えたくなるはずです。
龍野には、ここでは伝えきれていない文化、魅力がまだまだたくさん眠っています。
城下町をゆっくりと散歩し、龍野を第六感で感じてみてください。