兵庫篠山の重伝建地区 河原町妻入商家群で400年前の町並みを体感
兵庫県篠山市にある河原町。
そこは古くから交通の要衝であり、篠山城築城後は城下町の商業地として栄えた町です。
重伝建にも指定された妻入の商屋が東西約600mに渡って並ぶ町並みを歩いて、当時に思いを馳せましょう。
篠山の重伝建地区 河原町妻入商家群 築城とともに花開いた商業地
JR大阪駅から特急こうのとりに乗り、約1時間22分でJR篠山口駅に着きます。
関西国際空港からは、特急はるかでJR新大阪駅まで出て、特急こうのとりにお乗り換えが便利です。
JR篠山口駅から篠山営業所行のバスに乗ること約20分。
本篠山で降りると、国の重要伝統的建造物保存地区に指定されている河原町妻入商家群(かわらまちつまいりしょうかぐん)に到着します。
この篠山の地は山々に囲まれた盆地であり、往古より京都や山陰、山陽を結ぶ交通の要でした。
そこに1609年篠山城が築城され、翌年から城下町が整備されていきます。
河原町に商屋が建ち始めたのはその少しあと、1612年頃だと言われています。
その後多くの商屋が軒を連ねる一大商業地として栄えました。
当時を思わせる町並みに、そこにいるだけで心が安らぎます。
重伝建に並ぶ芸術 篠山市 河原町妻入商家群の商屋の造りに注目
では、河原町妻入商家群の商屋の造りに注目してみましょう。
河原町の商屋は、7割以上が「妻入」の建物になっています。
妻入とは、日本建築の用語で建物の妻(つま)側に出入り口のあるものをいいます。「つま」とは端を意味します。
また、一階でもなく二階でもないような高さの商屋が多いことに気づきます。
これは「厨子二階」(つしにかい)と呼ばれるもので、二階部分の天井が低く、主に物置に使われていたそうです。
そしてその厨子二階の部分には、「虫籠窓」(むしこまど)があります。
火災が多かった江戸時代に、防火対策として生まれた虫籠窓。
変わらない姿を残す商屋群の町並みを歩くと、活気ある商いの声が聞こえてくるようです。
中には、当時から代を重ねて住み続けている方もいらっしゃり、歴史を紡いでいるというのを感じます。
所在地:兵庫県篠山市下河原町
重伝建河原町妻入商屋群の町並みをお楽しみいただけましたでしょうか。
当時の建築そのままの妻入商屋が軒を連ねて作りだす空間は、歴史と趣を感じさせます。
ぜひ一度、篠山の風情ある町並みを歩いてみてください。