HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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蔵を使ったお店に伝統芸能のチャッキラコ 三崎の歴史を感じる散策へ

  • 神奈川県三崎は京急線の三崎口駅から京急バスに揺られること約15分、バス停三崎港で下車します。三崎と聞くとまぐろのイメージが強いかもしれませんが、今回は三崎の町中に散りばめられている昔ながらの雰囲気をご紹介します。

    ユネスコ文化財世界遺産のチャッキラコが受け継がれている海南神社

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    三崎口バス停から海辺を背にして細い道を約8分歩いたところに「海南神社」があります。海南神社の歴史は平安時代までさかのぼります。当時三崎周辺で活躍していた三浦氏一族の祈願所であり、三浦義明は「神事狐合」にて源頼朝側に加担することを決定したと言い伝えられています。このような歴史から海南神社は三浦総鎮守として住民にも親しまれています。
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    境内に足を踏み入れると正面に向かって右側に銀杏の大木が2本あります。枝葉も大きく広がり存在感があります。三崎を愛した源頼朝から寄贈されたと語り継がれており、樹齢800年ほどの貴重な大樹で、市指定天然記念物に認定されています。

    また三崎には国の重要無形民族文化財でユネスコ文化財世界遺産にもなっている「チャッキラコ」という舞が受け継がれています。チャッキラコとは豊漁を祈願する女性のみで踊られる民俗芸能で、このチャッキラコを中心としたお祭りが毎年1月15日に海南神社で開催されてます。

    山田酒造など蔵を再利用したお店が並ぶ三崎港ならではの町並とは

    <写真03_alt:日の出商店街の様子>
    海南神社の周りには日の出商店街や下町商店街などたくさんのお店が並びます。昔ながらの本屋さんや昭和ながらの写真館など、歩くだけでどこか地元を感じる懐かしい気持ちになります。
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    商店街には壁が白く、瓦屋根の二階建ての建物が数軒並んでいます。三崎はその昔火事が多く発生していました。三崎港を中心に栄えていたため、木造の建物が多く集まっていて、そこに海風が吹き移り火から火事が起こっていました。そこで三崎の方たちは大事なものを火事から守ろうと「蔵」をたくさん作ったそうです。火事から大切なものを守った蔵は造りもしっかりしていて、改装しながら使い続けているお店も多数あります。山田酒店も蔵を利用したお店のひとつで、店内にはビールから焼酎まで80種類以上のお酒が並びます。そして酒店の奥に明治時代に建設されたとされる蔵を利用した宿泊も営んでいます。山田酒店は明治時代から万屋として開業し現在まで三崎の繁栄を支えてきたお店です。

    三崎散策のおやつに美味しい「」はいかがですか?

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    海南神社から約10分歩いたところに「」があります。入口では昭和の雰囲気が漂う商店街とは違うおしゃれな手作り看板が出迎えてくれます。店内にはほんのり甘い香りが漂っていて温かい雰囲気で、約20種類ほどのふわふわのドーナツが並んでいます。
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    かぼちゃあんやきなこなど、甘さ控えめなドーナツもあるので、甘いものが苦手な人でもお召し上がりいただけます。店内にはイートインコーナーがあるので一息つくにはぴったりのおすすめスイーツです。
    三崎を歩いていると、坂道や階段といった高低差がある地形であることが感じられます。これは三崎の土地が形成された方法と深く関係があります。三崎がある三浦半島南部の地形は「海岸段丘」と呼ばれる地形です。海岸段丘とは、海水による浸食と土地の隆起が繰り返されることによってできた地形です。このため、海岸から少し離れると坂道や階段がありますが、登りきると三崎の海を一望することができます。
    階段を登ったり下ったりしながら三崎の歴史を是非ご堪能ください。