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見所満載!古今が共存する街 埼玉県草加の穴場スポットとは?

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    都心から電車で約40分。たどり着いた先は『せんべい』で有名なあの町。埼玉県草加市。
    草加市のせんべいは全国的にも有名で昔からたくさんの人に愛されています。


    しかし、草加はせんべい以外にも様々な魅力が詰まった歴史ある街であることをご存知ですか?
    姫路、和歌山、東京に次ぐ草加の皮革産業やゆかた染め、おくのほそ道の風景地である草加松原。
    今回はそんな昔の面影を残す草加市の奥深い魅力についてご紹介します。

     

     

    近代的な雰囲気を醸し出す 国登録有形文化財の旧草加小学校西校舎

    近代的で趣きのある旧草加小学校

     

    昭和29年生まれのポスト


    草加駅で下車し閑静な住宅街を10分程歩くと見えてくるのが1926年(大正15年)に埼玉県初の鉄筋コンクリート造りの校舎として建てられた草加小学校西校舎です。
    草加小学校が建てられた1926年(大正15年)は、まだほとんどの建物が木造・低層の時代でした。
    そんな時代に建てられたこの校舎は、当時の子供たちの目にキラキラ輝いて見えたのではないでしょうか。

    草加小学校西校舎は草加市初の国登録有形文化財となり、現在は草加市立歴史民俗資料館として第2の人生を歩んでいます。
    中に入ってみるとどこか懐かしく、落ち着く雰囲気があります。

     

    昔のまま残る教室の様子


    建物内部は当時の面影が残り、今にも子供たちの笑い声が聞こえてくるようです。
    展示スペースには草加市の歴史や昔の暮らし等がわかりやすく紹介されています。
    休憩所もあるので思い出話をしながら自分のペースでゆっくりと見学できますよ。
    駐車場が併設されていないため公共機関での来場がお勧めです。
    昔を思い出しながら草加市の背景について学んでみてはいかがでしょうか。

     

     

     

    バス停が目印!草加のオシャレなカフェでお腹も心も満たすひととき

    :アンティークな雰囲気のカフェギャラリー

     

    「Café gallery CONVERTION (カフェ ギャラリー コンべーション)」
    このお店は草加市役所のすぐ近くにあって、バス停のような看板が目印です。
    外観から伝わってくるレトロな雰囲気とパンケーキの甘い香りに心を躍らせながらお店のドアを開けてみるとそこには不思議な空間が広がっています。

     

    時計のテーブルと温かみのある木のイス

     

    大きな時計のテーブル、ゆったりとしたソファー席、温かみのある木の椅子。
    一つ一つが異なるためどの席に座るか決めるだけでもワクワクします。

     

    お料理に使う食材にもこだわっているため、美や健康に気を使っている方にもオススメです。
    店内には手作りの雑貨や併設している本屋さんもあるため、お食事が済んだ後でも楽しめます。
    橙色のランプが灯る温かな雰囲気の中でゆったりとしたひとときを過ごしませんか。

     

     

     

    定番だけどやっぱり外せない!そんな草加せんべいの「庭」とは?

    スタイリッシュで爽やかな外観草加せんべいの庭

     

    草加駅の2つ隣の駅、新田駅から20分程歩くと見えてくるのが「草加せんべいの庭」。
    緑に囲まれた現代的な建物はせんべいの新たなイメージを生み出してくれます。
    中には子供から大人まで皆が楽しめるような多種多様な草加せんべいが並んでいます。
    さらにせんべいに使われているお米とその生産者の方々の写真も展示されているため、安心安全な上に、生産者の方の思いも伝わってきます。
    お店の外では予約なしで草加せんべいの手焼き体験もできます。

     

    心地の良い風が通り抜けるテラス席
    テラス席には爽やかな風が通り抜け、まるで埼玉ではないどこか心地よい森の中にいるような気分になります。
    せんべいだけでなく草加せんべいソフトクリームや煎餅ドーナツ等もあるため、草加せんべいをいろいろな形で堪能することができますよ。

     

     

     

     

    「素材」から「製品」まで 創意工夫で挑戦し続ける草加の皮革産業

    :一枚一枚手作業で行なわれています


    職人たちの想いを込めて丁寧に

     

    水が豊富な草加は、牛・豚・羊・やぎ・爬虫類・毛皮など多様な素材を扱う職人が集まる皮革の町です。
    軍需産業のための新拠点として始まった草加の皮革産業は、戦後の草加製品協同組合の設立以降、約80年の歴史を持つ埼玉県の重要産業になるまでに成長しました。

     

    現在では、アートディレクターとのコラボレーションやさいたま草加ブランド 彩鞄(さいほう)の展開などにより、オリジナル性が魅力の製品を数多く生み出しています。草加の皮革製品は、草加の皮革職人の手のぬくもり、そして熱い想いを感じることができるものとなっています。
    「素材」から「製品」までの全行程を一貫して行なえる地域であるというところも、草加皮革産業の特徴であり強みです。

     

     

     

    草加の地場産業ゆかた染め その誕生には江戸の大火が関係していた!

    草加の水と伝統工芸師の手で作り上げられた注染ゆかた


    ゆかた染めが草加で盛んになったのは、江戸時代後期の神田での大火がきっかけです。
    大火によって焼きだされてしまった職人たちは、水が豊富であり大消費地・江戸に隣接している草加に移住し、生産を再開しました。
    そのゆかた染めが現在では草加の地場産業になるまでに発展しました。

     

    伝統工芸師によって「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる染め方で出される絶妙な色合いや多種多様な柄は見入ってしまうほどの美しさです。
    草加のゆかた染め製品は伝統産業展示会である「ぱりっせ」で購入できます。
    反物から手ぬぐいなどの小物まで幅広い製品があるためご自身にあったもので草加の注染(ちゅうせん)ゆかたを楽しんでみてください。

     

     

     

     

    おくのほそ道の世界を体感!松尾芭蕉一行も歩いた草加松原遊歩道

    綾瀬川に沿ってそびえ立つ松並木

     

    草加駅を背に歩いて行くとまるで江戸時代に来たかのような風情ある並木道が見えてきます。
    国指定名勝、そして日本の道百選の1つにもなっている『草加松原遊歩道』です。

     

    昔から草加松原遊歩道を見守り続けている松尾芭蕉像


    ”もし生きて帰らばと、定めなき頼みの末をかけ、その日やうやう早(草)加といふ宿にたどり着きにけり”(『おくのほそ道』)
    草加松原は『おくのほそ道』の旅の途中、松尾芭蕉と河合曽良が通った場所としても有名です。

    約1.5キロメートル続く旧日光街道沿いの松並木は壮大で迫力がありますが奥ゆかしさも感じさせます。
    遊歩道には白い石畳が敷かれていて、このコントラストが松の深みある緑色をより引き立てています。

     

    :百体橋から見た草加松原遊歩道
    遊歩道にある2つの橋の1つ「百代橋」から見る松並木は下から見上げた時とはまたひと味違った美しさを感じさせます。
    緑豊かで涼しげな草加松原遊歩道は今でも市民の方々から散歩やジョギングコースとして愛されています。
    皆さんも江戸時代にタイムスリップして非日常的な空間を楽しんでみませんか?

     

     

     

     

     

    今と昔が共に生きている草加

     

    草加市は様々な伝統や文化が色濃く残る歴史ある地域であるとともに、近代的な一面もあわせ持った町です。
    今と昔を一度に感じられる草加に訪れ、贅沢なひとときを過ごされてみてはいかがでしょうか?