HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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定番江ノ島と歴史感じる藤沢宿場町!海と緑豊かな藤沢の奥深い魅力

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    みなさんは藤沢にどのようなイメージをお持ちでしょうか?もしかしたら藤沢という地名より江ノ島や湘南といった方がピンとくる方も多いのかもしれません。
    藤沢市は大都市・横浜や観光地・鎌倉などどよく比較されますが、住みやすい街として人気のある郊外都市なのです。

     

    藤沢は海のイメージが先行しがちですが、海だけでは語れません!
    今回は江ノ島をはじめとするにぎやかな海エリアと、のんびりとした里山が広がる緑あふれるエリアの2つに分けてご紹介いたします。
    まだまだ未知数な藤沢の奥深い魅力に虜になること間違いありません!

     

     

    江戸時代から大人気・江ノ島!頂上を目指すなら裏道ルートがおすすめ

    片瀬江ノ島駅舎

     

    竜宮城を思わせる独創的なシルエットが目を引く片瀬江ノ島駅。江ノ島までひたすらまっ直ぐ続く道を抜け江ノ島に上陸します。江ノ島は周囲4㎞、標高60mほどの陸繋がりの島で、湘南を代表する景勝地として知られて、江ノ島神社や展望台、水族館などの観光・デートスポットが盛りだくさん。江ノ島に上陸するとまず大きな鳥居が出迎えてくれます。鳥居をくぐり弁財天の中見通りを抜け頂上まで目指すのが王道ルート。
    しかし今回ご紹介するルートの入り口は鳥居を抜けた先の裏道。たくさんのお店が立ち並ぶ通りに目を引かれ、この裏道に気付かない人も多いはず、、。少し道を外れるだけで生活感漂う静かなエリアに入り、江ノ島とは思えないほど味わいのある場所へと早変わりします。

     

    裏道

     

    頂上へ向かう前に海へ立ち寄るのもお忘れなく。裏道を抜けると相模湾や伊豆大島などを見渡せる隆起海蝕台(りゅうきかいしょくだい)の海が一面に広がります。鋭く削られた崖がそびえ立ち、海と崖の雄大な自然のコントラストは頂上から見渡す景色とは違った迫力を感じられます。

     

     

     

    明治時代から残る江の島サムエル・コッキング苑で天然記念物を見よう

    裏道に戻り階段や坂を上っていきます。登るたびにだんだんと見えてくる海と街並みを糧に頑張って頂上を目指します。
    そこで次にご紹介するのが頂上にある「江の島サムエル・コッキング苑」です。ここは英国人貿易商サムエル・コッキング氏が私財を投じ植物園を作ったのが始まりです。

    園内にはカナディアンローズや藤沢市指定天然記念物のシマナンヨウスギ・クックアロウカリアなど様々な種類の植物を見ることが出来ます。さらに藤沢市と友好提携を結んでいる姉妹都市・長野県松本市やアメリカのマイアミビーチ、韓国の保寧(ポリョン)などの都市をイメージしたエリアもあり様々な楽しみが出来ます。

     

    サムエルコッキング園内

     

     

     

     

    グッドデザイン賞・日本夜景遺産受賞!江の島シーキャンドルの絶景

    シーキャンドルからの景色

     

    サムエル・コッキング苑に続けて一緒に訪れたい場所は江の島シーキャンドル(展望灯台)です。
    片瀬江ノ島駅から江ノ島へ向かう途中、シーキャンドルの先端部分が可愛らしくのぞきますが、実際に近くでながめると圧倒的な大きさに驚きます。
    目を惹かれるのがそのデザイン性。名前の通りろうそくのようなシルエットと中が透けて見えるスタイリッシュさは斬新です。
    江ノ島のシンボルである展望台から眺める海は格別です。冬季に行われるイルミネーションイベント「湘南の宝石」では、関東三大イルミネーションに認定され、とくに夕陽が見られるわずかな時間帯に合わせて展望台に上るのがおすすめです。時間帯で表情が変わる景色は何度訪れても飽きることなく新しい一面が発見できます。

     

     

     

    空海や源頼朝ら偉人も参詣した江の島岩屋洞窟にろうそくを持って探検

    :岩屋洞窟

     

    次にご紹介する「江の島 岩屋洞窟(いわやどうくつ)」は、ちょうど島の入り口から反対側にあります。江ノ島の頂上を訪れた際には、その先の洞窟までぜひ足を運んでみてください。洞窟のもつ非日常の世界観に満足することまちがいなし!
    岩屋洞窟は波の浸食によって長い年月をかけて形成された自然の洞窟であり古くから信仰の対象として人々に親しまれてきました。その為、空海や源頼朝ら偉人も参詣したと言われ、歴史ある洞窟なのです。
    さらに、岩屋洞窟には第一岩屋と第二岩屋に分かれており、いくつかの伝説が残っていると言われています。

     

    例えば、第一岩屋の奥は行き止まりで先には進めませんが、洞窟自体は向こうが見えないほど奥まで続いています。なんとその先が7~80kmは離れている富士山の近くにある富岳氷穴につながっていると言われているのです。そして奥からヒンヤリ感じる風はなんと富士山から吹いてくる風なんだとか、、、なんとも神秘的です。

     

    また、第二岩屋に祀られている龍神様は江ノ島に伝わる伝説「天女と五頭龍」の龍であり、大きく手をたたきお願いをして龍の目が2度光るとお願いが叶うと言われています。
    その他にも伝説が多く眠っており、非常に謎めいています。あなたも非日常の世界観が織りなす伝説の数々に、ロマンを感じることでしょう。
    中に入ると少しヒンヤリとし、途中から辺りが暗くなり低い天井の中をろうそくを持って進みます。これもまた探検隊としての冒険心がそそられ、とてもワクワクします!!
    夏でもヒンヤリとした空間に広がる暗闇と、そこに映る小さな光は神秘的で心が研ぎ澄まされます。ぜひ一度、神秘的な空間に眠る伝説を確かめに岩屋洞窟に探検に出てみてはいかがですか?

     

     

     

     

    新名物!江の島うどんこと屋のしらす×うどんの絶品コラボレーション

    江ノ島の数あるお食事処の中でもおすすめなのが”江の島うどん こと屋” です。やはり湘南の海といえば生しらすは欠かせません。
    江ノ島ではたくさんのお食事処が立ち並び、新鮮なしらすやさざえなどは海鮮丼にして食べるのが一般的です。しかしこと屋は他のお店とは違い、うどん専門店です。

     

    ありそうでなかった、新名物・うどんに朝採れの生しらすを贅沢にのっけた豪華な一品が目玉です。うどんだけでなく、生しらす・釜揚げしらす・生と釜揚げのハーフ&ハーフの小丼ぶりとのセットや、しらすのかき揚げなどのメニューも楽しめます。採れたての生しらすは湘南の海だからこそ食べることが出来る逸品です。

     

    生しらすうどん

     

    古民家を改装した温かみのある店内からは相模湾を一望できます。開放感ある海を眺めながら、のどごしあるうどんと一緒につるつるっと食べる生しらすは絶品です!どんぶりとは一味違った、ここでしか食べられない生しらすうどんをぜひ堪能してみては?

     

     

     

    藤沢宿場町を歩く歴史探訪!出発は国宝・一遍聖絵が眠る清浄光寺から

    次はいよいよあまり知られていない、のんびりとした里山が広がる緑あふれるエリアをご紹介します。
    藤沢はかつて東海道五十三次の6番目の宿場町(藤沢宿)でした。東海道、大山道、鎌倉道、厚木道など様々な方面へとつながる分岐点であったことから交通の要所として大いに栄えました。そんな藤澤山 無量光院 清浄光寺(とうたくさん むりょうこういん しょうじょうこうじ)を中心に栄えた藤沢の宿場町の魅力をお伝えします。

     

    遊行寺 本尊

     

    まずは藤沢宿発祥の地と言われる清浄光寺をご紹介します。遊行上人(住職)が住むお寺であることから、通称「遊行寺(ゆぎょうじ)」の名で親しまれています。さかのぼること約700年前、鎌倉時代に遊行四代呑海上人が創建しました。元々は信仰による参拝客が中心でしたが、街道が整備され宿場町が充実してくると道中も安全になり、経済力をつけた町人などの庶民も旅を楽しむようになりました。これぞ信仰のためではない観光の原点ともいえるでしょう。

     

    遊行寺の前には遊行寺橋と呼ばれる赤い橋が架かっており、江戸時代に大名行列が渡ったと言われています。入り口には立派な黒門がそびえ立ち、歴史の深さや強さを感じます。そこをくぐると、石畳と一列に並んだ木々が創りだす緑のトンネル。入口から歴史と自然に圧倒されます。
    この一本道を抜けるとまたこれも立派な大銀杏の木があります。いっぱいに広がる自然を感じつつ、広い境内を散策してみましょう。

     

     

     

     

    天然記念物・寺林に囲まれる常光寺!見どころはそびえ立つカヤの大木

    遊行寺 入口

     

    宿場町として栄えた遊行寺周辺にはたくさんのお寺が集中し、江戸時代に思いをはせながら気軽に歴史探訪が出来ます!今でも交通の便の良さから大通りは交通量が多いですが、少し脇道に入ると散策に適した自然の多い場所です。
    さらに道にはたくさんの東海道五十三次、藤沢宿に関する紹介文や写真を掲載するものがあり、街全体でこの歴史を守り受け継いでる様子が伝わってきました。

     

    :宿場町の紹介

     

    さらにもう一つ藤沢宿の名残を残すお薦めのお寺が常光寺です。1872年に警察署の前身である「邏卒屯所(らそつとんじょ)」が置かれたという歴史を持つお寺です。たたずまいはこじんまりとしてますが、境内には「かながわ名木100選」に選ばれたカヤの大木が見どころのひとつです。

     

    常光寺

     

    ぜひ当時の面影を残す遺構に触れながら、藤沢宿場町を歩き、いにしえの旅人気分を味わう歴史探訪に出かけてみませんか?今回は海のエリアと緑のエリアに分けてご紹介しましたが、藤沢の知られざる奥深い魅力を知っていただけたでしょうか?

     

    海のエリアについては定番の江ノ島にも、裏道や新名物など新たな一面があるという切り口でご紹介しました。すでに有名観光地だからこそ、新たな楽しみ方を知ったときはとてもワクワクするものです!
    今回ご紹介した場所以外にもまだまだ新たな発見があるかもしれません。ぜひ藤沢の地に実際に足を運び、王道コースから一歩外れて探索してみてください。新たな発見に出会えるかもしれません。

     

    さらに緑のエリアでは、歴史と自然をテーマに、気軽に短時間で満喫できる場所をご紹介しました。人気の海エリアに負けないぐらい魅力がつまっていながら、まだあまり魅力が知られていない。まさに穴場スポットなのです!当時の遊行上人に想いをはせ、歴史探訪ににお出かけしてみてください。自然に癒され、お寺で心を清め、心安らぐひとときをお楽しみください。

     

    まだまだ未知数な藤沢の奥深い魅力にとりこになる方がいらっしゃるのではないでしょうか?