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東海道五十三次の宿場町をめぐる~滋賀県甲賀「土山宿」~

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    江戸時代に整備された東海道五十三次。江戸日本橋から数えて47番目が滋賀県甲賀市にある「土山宿(つちやましゅく)」です。
    いまは風情ある町並みが広がる土山宿ですが、箱根に次ぐ難所とも言われていました。
    今回はそんな土山宿の歴史や見どころをお届けします。

     

     

     

    東海道五十三次の47番目 甲賀市にある土山宿の歴史

     

     

    土山宿は東海道五十三次のうち、日本橋から数えて49番目となる宿場町です。東海道五十三次とは、江戸時代に東海道に沿って置かれた宿場を指します。「~京都」までの53もの宿場が設けられました。

     

    歌川広重作の「」には、各宿場町の様子が生き生きと描かれています。土山宿の絵を見ると、かなり強い雨が降っているようです。
    土山宿の雨は、当時「坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山 雨が降る」と、人やものを運んでいた馬子に唄われたほど。そのことから、土山は箱根に次ぐ難所と言われていました。
    また伊勢神宮へと続く伊勢街道も通っており、江戸時代にお伊勢参りが流行すると土山はいっそうにぎわいました。

     

    土山宿は隣の宿場町 水口宿と比べると、宿泊施設の旅籠が多かったそうです。
    江戸から京都へと向かう人々にとって土山宿は、標高約350mの鈴鹿峠を越えた先にあったためと言われています。
    鈴鹿峠を控える京都から江戸へ向かう人々も、土山宿で身体を休めていたのでしょう。

     

     

    土山宿の見どころ 土山宿本陣へ

     

    では土山宿の見どころ「土山宿本陣」をご紹介していきます。

     

    本陣とは、大名や役人といった身分が高い人が宿泊する場所で、一般の人は宿泊を許されませんでした。
    そのため多くの宿場町では、十分な広さをもつ有力者の邸宅が本陣とされていました。

     

    土山宿本陣は、1634年に江戸幕府3代将軍徳川家光が京都へ行く際に設けられました。
    いまもなお当時の姿を色濃く残す、貴重な建造物です。事前に予約をしておくと、中も見学することができます。中には当時使われていた道具や宿帳があります。宿帳には名高い諸大名の名前が連なっているそうですよ。

     

    そして明治元年には、明治天皇が土山宿本陣で誕生日を迎えられました。
    その際に「第一回 天長節(てんちょうせつ)」が開かれて、土山の人々に神酒などがふるまわれたと伝わります。歴史あり、格式ありの土山宿本陣。
    必ずご予約をして訪ねてくださいね。

     

     

    また土山宿は、各家に宿場町であった頃の屋号名が木札で掲げられており、散策しながら当時の様子を想像しながら歩くと楽しいですよ。

     

     

    土山宿を散策した後は 道の駅 あいの土山でお土産探し

     

     

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    最後に土山のお土産を買うなら、「道の駅 あいの土山」はいかがでしょうか。

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    さすが滋賀県最大の茶葉生産量を誇る土山。土山茶や茶菓子が豊富に取り揃えられています。
    土山茶の起源は、1356年に僧が京都の大徳寺から土山の常明寺へ、茶の実を持ち帰ったのがはじまりと言われています。
    江戸時代にも土山を行きかう人々に親しまれていた土山茶。
    ゆっくりと太陽に照らされて育った土山茶は、まったりとした深い味が特徴です。
    道の駅 あいの土山では、なんと無料で飲むことができるので、ぜひ一度ご賞味くださいね。
    他にも、甲賀忍者にまつわる手裏剣やバウムクーヘン、産地直送の信楽焼なども販売しています。

     

    宿場町 土山はいかがでしたか。
    江戸時代には東海道二番目の難所として知られていたとは思えない、美しい町並みが広がっています。
    ぜひお隣の水口宿と合わせて、東海道の宿場町を満喫してくださいね。