HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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仙北市 鶴の湯温泉 江戸時代から経営が続く歴史ある宿に泊まる

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    秋田県仙北市の乳頭温泉郷内にある秘湯、鶴の湯温泉。
    江戸時代の経営の記録が残っており、当時の建物が現存じています。
    歴史ある宿に泊まることができる鶴の湯温泉、その歴史と魅力をご紹介します。

     

     

     

    仙北市の山奥に位置する鶴の湯温泉 江戸時代から続く秘湯へいざ出発

    秋田新幹線・田沢湖線 角館駅から自動車で約50分。仙北市の山奥に位置する鶴の湯温泉に向かいます。

    筆者は日中、武家屋敷を旅し、それから角館駅からレンタカーで鶴の湯温泉へ向かいました。
    夕方に角館を出発し、田沢湖を経由して向かうルートです。

     

     

    01_kakunodate
    こちらの写真は田沢湖のほとりで撮影した夕焼けです。
    湖のほとりを走行中、素晴らしい景色に見とれ思わず車を停めました。
    絶景を堪能できる、湖畔のドライブも道中の楽しみですね。

    その後は真っ暗な山道を進みます。
    大きなカーブが連続し、道路も舗装されてないところが多々ありました。
    鶴の湯温泉は秘湯と呼ばれるだけあり、道のりは険しいのだと感じました。

    ついに到着しましたが、街灯は無く辺りは真っ暗でした。
    明かりが無く空気は澄んでいるため、星がとてもきれいに輝いていました。

     

     

    01-2_kakunodate_星天

     

     

     

    こちらは翌日の朝、鶴の湯温泉近くの橋からの眺めです。

     

     

    <02_kakunodate 橋からの眺め>
    川のせせらぎに朝日が指しており、清々しい気分になりますね。

     

    所在地 : 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50

     

     

    登録有形文化財に指定された仙北市の鶴の湯温泉 発祥の歴史に迫る

     
    鶴の湯は乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんごう)最古の出湯といわれるなど、江戸時代から続く歴史ある温泉です。
    鶴の湯温泉は由来は「今から280年ほど前の1708年、傷ついた鶴が病いを癒しているのを見つけた土地の猟師、勘助が「鶴の湯」と名付けたのが始まり」と言われています。

     

     

     

    <03_kakunodate 鶴の湯温泉 本陣>

     

     

     

    <04_kakunodate 鶴の湯温泉 二号館 三号館>
    客室は1枚目の本陣と2枚目の二号館・三号館になります。
    本陣の歴史は古く、江戸時代から建物は残っています。
    こちらの本陣はそもそも本陣という名前はついていませんでした。
    殿様が来た時に家来が泊まった建物が、現在の本陣にあたります。
    その後、殿様は来なくなり当時の本陣の建物も無くなり、この名前だけを湯治場の建物に残したことが、本陣の由来です。
    そのため、建物自体は立派な作りではなく、質素な雰囲気が感じられます。
    続いて古くから湧き出る温泉を紹介します。
    乳頭温泉郷の温泉は、その温泉毎にそれぞれ源泉が湧き出ており、源泉を引いてくることはありません。
    さらに鶴の湯温泉は、温泉毎にそれぞれ源泉が湧き出ており、その成分も異なります。

     

     

    <05_kakunodae 温泉内 白湯>
    こちらはその内のひとつ、白湯です。
    こじんまりとしており、同時に入浴できるのは3、4人といったところでしょうか。
    熱すぎない温度のため、比較的長い時間入ることができます。
    旅の疲れを癒すにはもってこいですね。
    江戸時代の武士も疲れを癒した鶴の湯温泉。当時と変わらない空間を共有できる貴重な体験でした。
    所在地 : 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50

     

     

     

    旬の山菜料理は絶品! 仙北市の郷土料理 「山の芋鍋」に舌鼓!

     
    鶴の湯温泉で頂いた料理をご紹介します。

     

     

     

    <06_kakunodate 夕食>
    こちらが夕食です。
    山菜やきのこが中心になります。

     

     

    <07_kakunodate きのこのホイル焼き>
    こちらのお料理はきのこのホイル焼きです。
    レモンの酸味と塩加減が絶妙でご飯が進みます。

     

     

    <08_kakunodate きりたんぽの団子>
    こちらの料理はきりたんぽの団子です。
    きりたんぽといえば、細長い形を思い浮かべると思いますが、このように団子状にしたお料理もあります。

     

     

    <09_kakunodate いわなの塩焼き>
    後から運ばれてきたお料理が、イワナの塩焼きです。
    身がふっくらしており小骨も柔らかく、頭と尻尾、背骨以外まるごといただきました。

     

     

    <10_kakunodate 山の芋鍋>
    仙北市の郷土料理、山の芋鍋です。
    山芋をすりおろし、団子状にした具材がこの鍋の特徴です。
    団子のつなぎは一切入れず、山芋のみで作るとのことです。
    ほかにもたくさんのきのこが入っており、具沢山の鍋は体の温まる優しい味でした。
    おかわりは自由とのことで、あまりのおいしさに筆者は3杯も完食しました。
    ちなみに、この日の気温は6℃まで下がり、山の芋鍋のありがたみを感じました。

    所在地 : 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
    鶴の湯温泉の魅力を感じていただけたでしょうか。
    歴史を知っていると見えてくるものも変わり、旅の楽しみがより一層増すと思います。
    旅の疲れを癒しに、鶴の湯温泉に訪れてみてはいかがでしょうか。