HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

HISTRIP MAGAZINE icon HISTRIP MAGAZINE

葛の店まる志ん こだわり尽くした若狭名物 鯖寿司と葛料理を堪能

  • 福井県三方上中郡若狭町の熊川宿(くまがわじゅく)。

    かつて若狭湾で水揚げされた鯖を京都へ運んだ際使われたことから、鯖街道(さばかいどう)とも呼ばれています。

    今回は熊川宿で人気が高いお店、「葛の店 まる志ん」の 鯖寿司と葛料理をいただきます。

    若狭名物を堪能する旅へ出かけてみましょう。

     

     

    熊川宿の街並みに溶け込む 歴史を感じるお店で絶品の若狭名物を

     

    〈写真01kumagawajuku_標識〉

     

    新幹線福井駅、また福井空港からは車で約1時間半で到着したのは、「鯖街道熊川宿」。

     

    〈写真02_kumagawajuku_葛の店まる志ん〉

     

    熊川宿の道の駅から約7分歩けば目に入る淡い黄色の壁の建物、こちらが今回ご紹介する訪れた若狭名物が味わえるお店「葛の店 まる志ん」(くずのみせまるしん)です。

    重要伝統的建造物群保存地区に指定されているこの街並みに溶け込む外観です。

     

    〈写真03_kumagawajuku_お土産物コーナー〉

     

    お店の扉を開けると奥さまの明るい声が耳に入り 目の前には葛を使ったお土産ものが並びます。

    お土産に贈りやすい小分けになった葛もちや葛湯などが、特に人気とのことです。

    店内でも食べることができる 葛うどんや葛そば、胡麻を葛で固めた胡麻豆腐は精進料理などでも用いられています。

     

    〈写真04_kumagawajuku_カウンター〉

     

    店内のカウンターには鯖寿司が2種類ならんでいます。

    鯖寿司はどちらも手作りの為数量限定となり、訪れた日は平日でしたが昼過ぎにはすでに残り少なくなっていました。

     

    〈写真05_kumagawajuku_平日の様子〉

     

    ご主人からお話を伺うと 、熊川宿は休日に訪れる方が多いとのことでした。

    訪れた平日はとくにゆったりとした時間が流れ、店内にも地元の常連さんが会話を楽しんでおられました。

    美しい街並みを写真に収めたりスケッチをするほか、秋になると脇道の寺社で紅葉が楽しめるため、それらを目的にまちを訪れる方が増えるとのことでした。

     

     

     

    鯖寿司の概念が変わる?!こだわりの詰まった数量限定の味を楽しもう

     

    若狭エリア そして熊川宿に来たならば欠かせない鯖寿司を実際にいただきました。

     

    〈写真06_kumagawajuku_鯖寿司実食〉

     

    まる志んさんでは、生鯖を酢締めにした鯖寿司とさらに焼き目をつけた焼き鯖寿司の2種類がいただけます。

    どちらもすべて手作業で作られており、ご主人のこだわりが詰まっています。

    店内で食べる際は切り分けた状態で運ばれてきます。

    1本で10切れと一人で食べるには十分すぎる量なので、食べきれなかった分は保冷剤をつけて包んでいただけるのもうれしいところです。

     

    〈写真07_kumagawajuku_鯖寿司実食2〉

     

    まる志んさんの鯖寿司は、小浜港からその日に仕入れた生鯖をその日のうちに酢で締めたものを使用しており、上品な塩気と新鮮だからこそのお刺身のような身が特徴です。

    私たちが日ごろ口にしている鯖寿司は、身の部分が白くなっているのに対し、こちらでいただける鯖寿司は淡いピンク色をしています。

    分厚い鯖の身は10月ごろから脂をたくわえ更に美味しくなるとのことで、さっくりとした歯触りとともに脂の甘みが広がり、思わず目を閉じてしまうほどでした。

    1本3000円と一見お高く感じてしまうかもしれませんが、まで食べたことのなかった本当の鯖寿司をいただくことができました。

     

     

    注文の度に手作り 作りたては未知の食感! 本当の「葛」を味わって

     

    まる志んさんのこだわりの品 もうひとつが作りたての葛料理です。

    今回は特に人気という葛もちをいただきました。

     

    〈写真08_kumagawajuku_葛もち〉

     

    注文が通ってから一つ一つ鍋でつくるというだけあって、注文後は奥から葛を練る音が聞こえ胸が高まります。

    作ってから30分ほどたつと徐々に固くなってしまうそうで、提供には時間がかかってしまいますが、おいしいものをと 一人分からその場で作ってくださいます。

     

    〈写真09_kumagawajuku_葛もち2〉

     

    黒蜜と黄な粉がかかって登場した葛もちは大きく4つに切り分けられています。

    良く絡めてというのに従い黒蜜と黄な粉をしっかり絡めていただきます。

    葛もちというとプルンとした弾力ある触感というイメージですが、作りたてでまだ温かい葛もちはお箸で持つのが難しいほどの粘り気と弾力があります。

    冷たいイメージが強い葛もちですがまだほんのり温かいのも新鮮で、葛もちの甘みや葛の風味がより強く感じられました。

     

    〈写真10_kumagawajuku_葛まんじゅう〉

     

    店頭で販売している本葛と食べ歩きとして人気という葛まんじゅうを帰りに購入してお店をあとにしました。

    葛まんじゅうは、5月から10月の期間限定 数量限定で販売されています。

    プルンとしたみずみずしい葛まんじゅうの中には滑らかなこしあんが入っています。

     

     

    〈写真11_kumagawajuku_葛粉〉

     

    〈写真12_kumagawajuku_料理例〉

     

    そして帰宅後は購入した本葛を自宅でも使ってみました。

    つくねにかける あんかけのとろみづけに 片栗粉ではなく本葛を使用したことで、冷めてもとろみがなくならず透明な餡になりました。

    帰宅後も葛を使った料理を食べることで、旅の思い出がついついよみがえってしまいます。

     

    店内でしか食べることができない本当の葛のおいしさ、そして手作りならではのこだわりの詰まった葛料理を楽しめば、あなたも葛の魅力にはまってしまうはず。

     

    〈写真13_kumagawajuku_店舗〉

     

    所在地:福井県三方上中郡若狭町熊川39-11-1

    店舗HP http://www.eonet.ne.jp/~marushin/index.html
    手作りの鯖寿司も作りたての葛もちも ここでしか食べられない若狭のグルメです。

    美味しいお料理と 店内のぬくもりある雰囲気に、ついつい長居をしてしまいそうになります。

    熊川宿を訪れる際には 街歩きの休憩やお昼ご飯にぜひとも立ち寄っていただきたいお店です。