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竹田 寺町通りに並ぶ異なる宗派4つのお寺と表米神社の境内を散策する

  • 竹田城が栄えていた時期に建てられた寺社仏閣。
    当時はそれぞれが城下町の重要な場所に建てられており、城下町を形成する一部であったことがうかがえます。
    今回は、朝来市竹田にある寺町通りに面した4つの寺と表米神社を巡ります。

     

     

     

    竹田寺町通りにある かつての竹田城城主ゆかりの寺をめぐる旅へ

    JR大阪駅から特急こうのとりに乗り、JR和田山駅でJR播但線の普通電車に乗り換えていくこと約2時間7分、JR竹田駅に到着します。

     

     

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    JR竹田駅から寺町通りを北へ約2分程歩くと4つのお寺が建ち並んでいます。

     

     

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    こちらは駅から一番近い位置にある法樹寺です。

    1723年に架けられたこちらの橋は、花崗岩(かこうがん)(石材:御影石(みかげいし)とも呼ばれる)でできています。
    1578年、竹田河原町に開創しました。
    竹田城の廃城後には生野代官や、旧城主を務めた赤松広秀氏の所有地、陣屋()の土地や金銭、財物を寄付を受け、1624年~1644年現在の地に移ります。
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    そして境内の裏手にはかつて竹田城城主であった赤松広秀の供養碑が建てられています。
    現在見ることのできる竹田城跡の石垣は、赤松広秀が整備したものです。
    また産業や儒学にも力を入れて取り組み、「仁政の主君」と言われた赤松広秀は広く人々から慕われていました。
    当時に思いを馳せながら、供養碑に手を合わせました。

     

     

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    法樹寺の隣にあるのが、赤松広秀の前の城主である桑山重晴ゆかりの寺、勝賢寺です。
    勝賢寺は1587年に竹田城跡の真東にある金梨山の麓に位置する迫間村(はざまむら)に建てられました。
    その後、竹田城が廃城となり現在の地に移ります。

     

     

     

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    かつて武士でありながらも、千利休から茶道を学んだと伝わる桑山重晴。
    豊臣秀吉はそんな桑山重晴の冷静沈着な戦いを称賛したといわれています。
    境内には桑山重晴の落ち着いた感じが漂っているような気がしました。

     

     

    所在地:法樹寺 兵庫県朝来市和田山町竹田955−1

    勝賢寺 兵庫県朝来市和田山町竹田953

     

     

     

    寺町通り寺院後編「勝賢寺(しょうけんじ)」「法樹寺(ほうじゅじ)」

     

     

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    勝賢寺の隣に位置するのが常光寺です。
    常光寺は竹田城初の城主を務めた、太田垣光景氏の菩提寺(ぼだいじ)です。
    1594年に草庵(そうあん)の造りで創建されました。
    草庵は千利休らの侘茶(わびちゃ)の考えを取り入れて造られる茶室建築です。
    後に大火事により焼失し仮堂を現在の地に建て、1649年には本格的に本堂を設立しました。

     

     

     

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    こちらの山門前にある石橋は、1707年5月の記銘があり但馬最古のものとされています。

     

     

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    階段を登った先には、太田垣光景氏の墓が建てられています。
    初代城主であった太田垣光景、そして以下7代に渡り城主となった太田垣氏。
    竹田城の建てられた当時を考えながら、参りました。

     

     

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    こちらは常光寺のお隣にある善證寺(ぜんしょうじ)で、もともと観音町(JR竹田駅の北西)にありましたが、1624年~1643年に現在の地に移されたといわれています。
    柱を立て、板を芯として両側を土で塗り固めた「築地(ついじ)」が美しいことで有名です。

     

     

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    門前橋は、法樹寺前のものと同じく、火成岩の一種である花崗岩(かこうがん)(石材:御影石(みかげいし)とも呼ばれる)でできています。
    それぞれ違った宗派を持ちながらも、横一列に立ち並ぶお寺は珍しいことだと思いますが、
    全てのお寺には異なる歴史や、思いが宿っていました。
    お寺が建てられた今と昔のことを心巡らせて境内を歩くことで、また違った風景が目の前に広がります。

     

     

     

    所在地:常光寺 兵庫県朝来市和田山町竹田950

    善證寺 兵庫県朝来市和田山町竹田949

     

     

     

    指定重要有形民俗文化財 相撲座敷で有名な竹田にある表米神社へ

    善證寺から寺町通りを歩くこと約2分ほどで表米神社への入り口が見えます。
    門の奥には畑で挟まれた長い階段が見えてきます。

     

     

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    長い階段を登りきるとその先には壮大な敷地が広がります。

     

     

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    格技を好んだといわれる表米宿彌命(ひょうまいすくねのみこと)を祀っています。
    その為、境内には相撲を見物する為の桟敷が設けられています。
    表米神社の桟敷は半円型をしており、更に六段ある石積段型となっています。
    全国でも非常に珍しいことから、指定重要有形民俗文化財となっています。
    今も地元の行事に使用されているそうです。

     

     

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    桟敷から正面には歌舞伎をしていたとされる、大きな舞台も建てられています。

     

     

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    境内には井戸があり細く水が流れていました。

     

     

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    表米神社の本殿は、柱が4つあり3間である三間社流造(さんげんしゃながれづくり)となっています。
    美しい曲線を描く屋根に思わず見とれてしまいます。
    境内に設けられている、相撲桟敷や歌舞伎舞台を見ると当時、楽しく見物している様子が現実となって現れてくるようです。

     

     

     

    所在地:兵庫県朝来市和田山町竹田
    4つのお寺の前には、それぞれに橋が架けられ、鯉が泳ぐ姿が石橋と調和されていました。
    夏は、水の流れる音が涼しげで散歩道にもおすすめです。
    竹田城ゆかりの寺町通りに面した寺院と神社は是非、訪れてほしい場所のひとつです。

     

     

     

     

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