HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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菅原道真公を祀る天満宮の総本社 福岡の太宰府天満宮に辿り着くまで

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    福岡県太宰府市には、平安時代に無実の罪によって大宰府の地に流された菅原道真公を祀る、全国天満宮の総本社である太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)があります。

     

     

    西鉄電車の大宰府駅を降りると、参道がすぐ目の前に広がります。

     

    今回は、日本国内はもちろん、海外からも多くの参拝客が訪れる「学問・至誠・厄除けの神様」太宰府天満宮を旅してみましょう。

     

     

     

    駅を降りるとすぐに参道!お土産としても人気の梅ヶ枝餅を味わって

     

    太宰府天満宮の参道
    太宰府天満宮の参道には多くの土産物屋や飲食店が立ち並んでいます。
    参拝客で賑わう目にも楽しい参道ですが、ここでぜひ味わっていただきたいのが名物の梅ヶ枝餅(うめがえもち)です。

     

    太宰府天満宮の梅ヶ枝餅

     

     

    梅ヶ枝餅という名前ですが、中に梅が入っているわけではなく、うっすらと梅の型が押されたシンプルな焼餅で、中身は小豆餡です。

     

    梅ヶ枝餅と呼ばれるようになった背景には諸説あり、道真公が蟄居の折、閉ざされた部屋の格子越しに餅を差し入れようとした老婆が梅の枝の先に刺して渡したという説や、道真公の死後、生前に公が好まれたこの餅に咲き誇る梅の枝を添えて献じたという説などがあるようです。

     

     

    太宰府天満宮の梅ヶ枝餅

     

    お店では一個から販売されており、店によって餡の甘さや餅の焼き加減が少しずつ異なるので、焼立てを買って食べ比べてからお土産を購入される方も多いそうです。
    地元の方はそれぞれお気に入りの店があったりするのだとか。店内でお茶とともにゆっくり召し上がることができるお店もあるので、参拝後に休憩がてら立ち寄るのも良いかもしれません。

     

     

     

    道真公と縁の深い御神牛 太宰府天満宮で何頭いるか探してみましょう

     

    御神牛
    参道のお土産物屋さんを抜けて大鳥居を潜ると、横たわる御神牛の像が目に留まります。
    御神牛
    これは道真公が亡くなられた際、遺骸を乗せた牛車を引く牛が座り込んで動かなくなったため、それを道真公の御意志であるとしてその地に遺骸を埋葬することとした、という逸話が元となり奉納された像のうちのひとつです。

     

     

    御神牛

     

    御神牛の触った部分の病気が治るとか、頭部をさすると知恵がつくという信仰があり、そのため多くの参拝客になでられて角や頭がぴかぴかと光り輝いています。

     

    御神牛

     

    また、境内には11もの御神牛の像があるとされ、それらをすべて見つけてお参りすると願いが叶うという話もあるのだとか。

     

     

    御神牛
    御神牛は普通に参拝するだけでは発見できない裏手にもあるので、探して歩くと境内をくまなく見ることができます。

     

     

    御神牛
    いちから探し回るのが時間がない、という方は案内所で尋ねるとヒントを教えていただくこともできるようですよ。

    ぜひこの機会にすべての御神牛を見つけてみてはいかがでしょうか。

     

     

     

    太鼓橋を渡ってお清めを 室町時代建築の文化財や志賀社を訪ねて

     

    太鼓橋未来
    三つ目の鳥居をくぐって進むと、今度は池とそこにかかる橋が見えてきます。

     

    漢字の「心」の形をしているといわれるこの心字池には、太鼓橋、平橋、太鼓橋の三つの橋がかかっています。
    見た目にも美しいこの三つの橋が表しているとされるのは「過去・現在・未来」。

    そのため自らを振り返りながら水の上の橋を歩くことで、心身ともにお清めをする意味があるということです。
    太鼓橋
    池には噴水があり生き物もいて、また太鼓橋の上へあがると立派な鳥居と楼門が見えてくるので、ここでついつい見とれて先を急いでしまいがちですが、二つ目の太鼓橋を渡る前に見ておきたいのが志賀社(しがしゃ)です。

     

     

    志賀社は海の神様がお祀りされているこじんまりとしたお社ですが、なんと室町時代、1458年に再建されたと伝わっており、国の重要文化財に指定されています。
    小さいながらも精巧な造りのお社で、その築年数もさることながら和風・唐風・天竺風の様式が合わさっている点も珍しいとのことです。
    太鼓橋の上は見晴らしもよく、池の鯉や亀を眺めながら本殿への道のりを進むのはとても気分の良いものです。
    これこそお清めの効果と言えるかもしれません。

     

     

    隠れスポット!黒田官兵衛縁の井戸と道真公の象徴「鷽像・麒麟像」

     

     

    大鳥居

     

     

    太鼓橋を渡りきると、鎌倉時代末期に作られたと言われる中世の大鳥居と、立派な楼門が目の前に迫ります。
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    楼門
    ここでまっすぐ進みたい気持ちをぐっとこらえ、参道から少し右へ行ったところに「如水(じょすい)の井戸」があります。
    如水(じょすい)の井戸
    如水とは戦国武将として知られる黒田官兵衛のことで、この井戸は道真公の生き様と天満宮を崇敬した官兵衛がこの地で隠棲した際に使用していた井戸と伝わっています。
    麒麟像と鷽像
    また、太宰府天満宮には多くの動物の像がありますが、御神牛と並んで特に縁が深いのが鷽(うそ)です。
    毎年一月七日に執り行われる「鷽替え神事」は、人々が「かえましょう かえましょう」と言いながら手に持った鷽像を交換していくことで、嘘や穢れを払うというものです。

     

     

    麒麟像と鷽像
    麒麟像の向かって右手にある丸っこい鳥の像が鷽像で、その後ろにはもう一つ別の鷽像もあります。

    また麒麟像も1852年にこの鷽像と共にご奉納されたものです。
    麒麟は徳をもって世を治める王者の象徴とされる聖獣で、道真公のお人柄と重ねあわされて信仰の対象となっています。
    太鼓橋から楼門まではほんの数十メートルですが、観光の方がとても多く、しかも見どころがぎっしりと詰まっていてつい見落としてしまいそうになりました。

    ここは一度心を落ち着けて、じっくりと散策することをお勧めします。

     

     

     

    太宰府天満宮 所在地 : 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号

     

     

    太宰府天満宮の本殿にたどり着くまでをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
    参道は思ったほど長くない距離でしたが、見どころがたくさんあることに驚きました。

     

     

    また太宰府天満宮の境内はたくさんの自然に囲まれており、訪れる時期によっても全く違う表情を見せてくれることでしょう。
    すぐに御本殿を目指すのも良いですが、四季や歴史に想いを馳せながら道中の歴史にも触れてみませんか。

     

     

     

     

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